初心者がVRMMOをやります(仮)
茶会と誼
日本に籍を置く部下とセラフィムなど数名を連れて、「安楽椅子」へと向かう。
時間より遅めに行こうと思っていたが、部下にせかされ少しばかり早い時間に到着した。
「……時間厳守とは珍しい」
ジャッジが驚いたように呟く。中にはニーニャなど小動物がうろついていた。
「よくぞいらした」
「お招きありがとうございます。手土産にこちらを」
そう言っていつの間にか用意していた手土産を部下が渡していた。
「これはありがたい。セバスチャン」
「クィーン様、いかがなさいました」
「こちらをクリス殿たちよりいただいた」
「これはこれは。ありがとうございます」
礼をして、セバスチャンが受け取り、あっという間に下がっていった。
「本日は私的なもの故、欧米式に遅れてもよかったのじゃが」
「つまり私的以外では許されないと」
「なかなかに礼儀作法のできた部下がおるようじゃ。茶会と言われ用意した手土産があれとは」
「そう、なのですか?」
その部下以外全員が驚いていた。
「左様。こういった茶会に呼ばれた際は心づけとして一封するか、ああやって『水屋見舞い』と称して簡単に食せる食べ物を持っていく」
「初耳です」
「クリス殿もそのうち茶会に呼ばれることがあろう。覚えておくがよい」
だったらジャッジに言ってくれればよいものを。クリスはそう思ってしまったが、クィーンはあまり気にする人間ではないらしい。
「ゲーム内でまで堅苦しい作法など要らぬ」
その割に四畳半の茶室を作るあたり矛盾している気もするが、クリスはあえて言わないでおいた。
「本日は野点ゆえ、なおのこと茶を楽しむだけにするとよかろう」
そんな会話をしているうちに、ぞろぞろと招待されたプレイヤーが集まってきた。
「クィーン様、呼んでくれて嬉しいっす」
「礼儀がなっておらん!」
走って店に入ってきたプレイヤーをクィーンが一喝していた。そして、一喝されたプレイヤーは嬉しそうな表情を浮かべていた。
「さすがにあそこまで礼儀を無視すると怒るわけですね」
セラフィムが感心したように呟いていた。
まもなく開始時間となる直前、とある一団が店に入ってきた。
「申し訳ございません。遅くなりました」
「いえ。まだ時間前です」
その一団に答えたのは、別の女性だった。
「それはよかったわ。心づけですが」
「わざわざありがとうございます」
若そうに見えるが、声はだいぶ落ち着いた女性がその一団をまとめていた。
「……相変わらずだな、婆さん」
入ってきた一団を見たジャッジが苦笑していた。
時間より遅めに行こうと思っていたが、部下にせかされ少しばかり早い時間に到着した。
「……時間厳守とは珍しい」
ジャッジが驚いたように呟く。中にはニーニャなど小動物がうろついていた。
「よくぞいらした」
「お招きありがとうございます。手土産にこちらを」
そう言っていつの間にか用意していた手土産を部下が渡していた。
「これはありがたい。セバスチャン」
「クィーン様、いかがなさいました」
「こちらをクリス殿たちよりいただいた」
「これはこれは。ありがとうございます」
礼をして、セバスチャンが受け取り、あっという間に下がっていった。
「本日は私的なもの故、欧米式に遅れてもよかったのじゃが」
「つまり私的以外では許されないと」
「なかなかに礼儀作法のできた部下がおるようじゃ。茶会と言われ用意した手土産があれとは」
「そう、なのですか?」
その部下以外全員が驚いていた。
「左様。こういった茶会に呼ばれた際は心づけとして一封するか、ああやって『水屋見舞い』と称して簡単に食せる食べ物を持っていく」
「初耳です」
「クリス殿もそのうち茶会に呼ばれることがあろう。覚えておくがよい」
だったらジャッジに言ってくれればよいものを。クリスはそう思ってしまったが、クィーンはあまり気にする人間ではないらしい。
「ゲーム内でまで堅苦しい作法など要らぬ」
その割に四畳半の茶室を作るあたり矛盾している気もするが、クリスはあえて言わないでおいた。
「本日は野点ゆえ、なおのこと茶を楽しむだけにするとよかろう」
そんな会話をしているうちに、ぞろぞろと招待されたプレイヤーが集まってきた。
「クィーン様、呼んでくれて嬉しいっす」
「礼儀がなっておらん!」
走って店に入ってきたプレイヤーをクィーンが一喝していた。そして、一喝されたプレイヤーは嬉しそうな表情を浮かべていた。
「さすがにあそこまで礼儀を無視すると怒るわけですね」
セラフィムが感心したように呟いていた。
まもなく開始時間となる直前、とある一団が店に入ってきた。
「申し訳ございません。遅くなりました」
「いえ。まだ時間前です」
その一団に答えたのは、別の女性だった。
「それはよかったわ。心づけですが」
「わざわざありがとうございます」
若そうに見えるが、声はだいぶ落ち着いた女性がその一団をまとめていた。
「……相変わらずだな、婆さん」
入ってきた一団を見たジャッジが苦笑していた。
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