初心者がVRMMOをやります(仮)
つかの間の安息
いくらおっとりしているカナリアとて、今までの状況を見る限り、あの集団と関わり合いになるのはまずいということくらい分かる。
そんなわけで、必要最低限以外外に出ないという手法を取った。
それもどうなのよ、という突っ込みはイッセンだ。だが、ディッチが何か言ったらしく「ジャッジさんがいない状況で出かけるなら、自分たちと出かけるように」と通達をした。
「私もやってるしね。言い訳は何とでもできるが、問題は『深窓の宴』やら、『マゼンタ』やらが出てきて個人情報をばら撒いた時だね」
茶をすすりながらアントニーが言う。本日はカナリアとジャッジの拠点で軽く集会のようになっている。
「いや、ディッチさんたち紹介したの俺だし。アントニーさんはディッチさんに勧められてゲームしただけでしょ。イッセンとリリアーヌはカナリアに誘われて」
そう、すべてジャッジつながりなのだ。カナリア一人だったら、間違いなく挫折して終わっていただろう。
「だよね~~」
リリアーヌがペットのニョロちゃんにご飯をあげながら同意していた。
色々と端折るとそうなるが、憶測に憶測を重ねてくるだろうというのがあっさり予測出来る相手らしい。
「りりちゃん、蛇さん連れてこないで」
ニョロちゃんと呼ばれるリリアーヌとイッセンのペットは「八岐大蛇をモチーフにした大蛇である。ニョロちゃんはまだ子供らしく(それでも体長五メートルはある)頭が二つだけだという。大きくなるにつれ、頭が増えていくらしい。
「え~~。そろそろ脱皮する頃合いだから連れてきたのにーー。多分素材になるよ」
素材、と聞いて一瞬だけカナリアの目の色が変わった。
そして蛇は不穏な空気を察知してか、リリアーヌとイッセンの後ろにあっという間に隠れてしまった。
「やっぱり動くとダメか」
動いたことにより、カナリアがジャッジに抱きついた。そんなカナリアを、ジャッジが優しく撫でる。
それにしても、とジャッジは思う。リリアーヌのペットも蛇ということから「ニョロちゃん」。カナリアも名づけは安直である。好きなペットの種類は違うものの、結局のところ似ているのだと痛感した。
そして。
悪意ある噂はまことしやかに流される。
ゲーム内はもとより、現実世界でも。
ネット上にばら撒かれた噂というものは、収拾つかなくなるものである。
そんなわけで、必要最低限以外外に出ないという手法を取った。
それもどうなのよ、という突っ込みはイッセンだ。だが、ディッチが何か言ったらしく「ジャッジさんがいない状況で出かけるなら、自分たちと出かけるように」と通達をした。
「私もやってるしね。言い訳は何とでもできるが、問題は『深窓の宴』やら、『マゼンタ』やらが出てきて個人情報をばら撒いた時だね」
茶をすすりながらアントニーが言う。本日はカナリアとジャッジの拠点で軽く集会のようになっている。
「いや、ディッチさんたち紹介したの俺だし。アントニーさんはディッチさんに勧められてゲームしただけでしょ。イッセンとリリアーヌはカナリアに誘われて」
そう、すべてジャッジつながりなのだ。カナリア一人だったら、間違いなく挫折して終わっていただろう。
「だよね~~」
リリアーヌがペットのニョロちゃんにご飯をあげながら同意していた。
色々と端折るとそうなるが、憶測に憶測を重ねてくるだろうというのがあっさり予測出来る相手らしい。
「りりちゃん、蛇さん連れてこないで」
ニョロちゃんと呼ばれるリリアーヌとイッセンのペットは「八岐大蛇をモチーフにした大蛇である。ニョロちゃんはまだ子供らしく(それでも体長五メートルはある)頭が二つだけだという。大きくなるにつれ、頭が増えていくらしい。
「え~~。そろそろ脱皮する頃合いだから連れてきたのにーー。多分素材になるよ」
素材、と聞いて一瞬だけカナリアの目の色が変わった。
そして蛇は不穏な空気を察知してか、リリアーヌとイッセンの後ろにあっという間に隠れてしまった。
「やっぱり動くとダメか」
動いたことにより、カナリアがジャッジに抱きついた。そんなカナリアを、ジャッジが優しく撫でる。
それにしても、とジャッジは思う。リリアーヌのペットも蛇ということから「ニョロちゃん」。カナリアも名づけは安直である。好きなペットの種類は違うものの、結局のところ似ているのだと痛感した。
そして。
悪意ある噂はまことしやかに流される。
ゲーム内はもとより、現実世界でも。
ネット上にばら撒かれた噂というものは、収拾つかなくなるものである。
コメント