初心者がVRMMOをやります(仮)
レイド戦の対策
「『陰険策士様』?」
不思議そうにサイレンが言う。
「クィーンのことだよ。俺は『陰険策士』か『砂○け婆』と呼んでるぞ」
「……ただならぬ威圧感を持つあの人に、そんなことが言えるのですか?」
「存外楽しんでるな。あの陰険策士様は」
「そ……そうなのですか」
「んでもって、あのお人の見る目は確かだ」
くつくつとジャッジは笑う。
「機会があったら、あの二人の修行を受けてみるといい。現実世界よりもこちらのほうが進む時間は早いんだ。いい勉強になるぞ」
「……はぁ」
夏休みをほぼ丸々と使ったあの禅修行は、未だにいい思い出にならない。
「抜けようと思うのはいいが、あとが怖いからな。軟弱なことを考えずに最後まで付き合ったほうがいいぞ」
「……メンバーに伝えておきます」
そのあと「深窓の宴」がどうなるかは、ジャッジたちの知ったことではない。
そんな話をして、そしてレイド戦二日目。
一つ異変が起きた。巨大一角兎がカナリアへの攻撃をしてこなかったのだ。
カナリアがいれば、そこを避ける。衣服は先日と同じ兎コスである。
三日目。その理由に全員が気付いた。
巨大一角兎が攻撃をしようとすると、カナリアの首の辺りが光るのだ。
「カナリア君、それは?」
「えっと、初日にジャッジさんが折った角の破片をもらって作ったチョーカーです」
「!!」
「……向こうさんが仲間と勘違いして、攻撃しないって事か? 今のところ解体に影響は?」
ディッチの言葉にカナリアは首を振る。特に問題はないと。
その言葉を聞き、ディッチはカーティスに一つだけ頼みごとをする。一角兎の毛皮を譲ってもらうのだ。
「ジャス、ディス。二人がかりで巨大一角兎の毛皮から解体役三人の服作ってくれ。デザインは任せる」
あの巨大一角兎に攻撃されないのであれば、それに越したことはない。
ただ、現状を考えれば、レイド戦に参加している全員分の服を作るのは難しい。いくら大きいとはいえ、兎の皮も建築資材となりうるのだ。
六日目のレイド戦に間に合う形で三体の兎コスが出来上がった。
不思議そうにサイレンが言う。
「クィーンのことだよ。俺は『陰険策士』か『砂○け婆』と呼んでるぞ」
「……ただならぬ威圧感を持つあの人に、そんなことが言えるのですか?」
「存外楽しんでるな。あの陰険策士様は」
「そ……そうなのですか」
「んでもって、あのお人の見る目は確かだ」
くつくつとジャッジは笑う。
「機会があったら、あの二人の修行を受けてみるといい。現実世界よりもこちらのほうが進む時間は早いんだ。いい勉強になるぞ」
「……はぁ」
夏休みをほぼ丸々と使ったあの禅修行は、未だにいい思い出にならない。
「抜けようと思うのはいいが、あとが怖いからな。軟弱なことを考えずに最後まで付き合ったほうがいいぞ」
「……メンバーに伝えておきます」
そのあと「深窓の宴」がどうなるかは、ジャッジたちの知ったことではない。
そんな話をして、そしてレイド戦二日目。
一つ異変が起きた。巨大一角兎がカナリアへの攻撃をしてこなかったのだ。
カナリアがいれば、そこを避ける。衣服は先日と同じ兎コスである。
三日目。その理由に全員が気付いた。
巨大一角兎が攻撃をしようとすると、カナリアの首の辺りが光るのだ。
「カナリア君、それは?」
「えっと、初日にジャッジさんが折った角の破片をもらって作ったチョーカーです」
「!!」
「……向こうさんが仲間と勘違いして、攻撃しないって事か? 今のところ解体に影響は?」
ディッチの言葉にカナリアは首を振る。特に問題はないと。
その言葉を聞き、ディッチはカーティスに一つだけ頼みごとをする。一角兎の毛皮を譲ってもらうのだ。
「ジャス、ディス。二人がかりで巨大一角兎の毛皮から解体役三人の服作ってくれ。デザインは任せる」
あの巨大一角兎に攻撃されないのであれば、それに越したことはない。
ただ、現状を考えれば、レイド戦に参加している全員分の服を作るのは難しい。いくら大きいとはいえ、兎の皮も建築資材となりうるのだ。
六日目のレイド戦に間に合う形で三体の兎コスが出来上がった。
「SF」の人気作品
書籍化作品
-
-
6
-
-
63
-
-
104
-
-
17
-
-
34
-
-
159
-
-
1
-
-
59
-
-
337
コメント