ペンシルナイト
その1・探索
ペンシルナイト3日目。
現在、リュウの手元には2個の願いの石がある。
そしてレンの人探しの2日目。
ジャックによって負わされた傷は、痕こそ残ったものの痛みは治まった。
リュウ「今日こそ見つかるといいな。」
レン「はい!」
元気に返事をする。
しかし、リュウにはそれが空元気にしか見えなかった。
(ジャックのことは一旦忘れよう。気持ちを切り替えるんだ…)
再び目的の芸術家らしき人物を探すが、手がかりなし。
リュウ「もう一度特徴おさらいしようか。」
レン「女の人で、筆を持ってて、服は絵の具まみれで汚くて、でも髪は長くて真っ黒で綺麗で…」
リュウ「見かけたら絶対こいつだ、って分かりそうだけどなぁ…」
レン「絶対分かると思います。服は普通の服なんですけど、もう絵の具塗れなんで。」
リュウ「絵の具ね…」
(でもこの辺いるのかなぁ…)
リュウ「別の場所行ってみようか。」
1日目2日目と駅前にいる。
レン「でもどこに行くんです?」
リュウ「そうだなぁ…ここがどこか分かれば…」
レン「……」
リュウ「……」
レン「とりあえず移動しましょうか。」
リュウ「そだね。」
●
しばらく歩いて行くと大きな公園を見つけた。
リュウ「ここは…?」
レン「○○県総合グラウンド…」
リュウ「あぁ、ここ○○県か…んなことより…」
公園を外から見ただけだが、不思議な生命体が歩いているのが見えた。
リュウ「なにあれ。」
レン「あれは…」
4足歩行の白黒のドラゴンが歩いている。
リュウ「ドラゴンだよな?」
ブラック「あたしに聞かれても知らねぇよ。」
リュウ「参加者以外はいないんだよな?」
ブラック「いないよ。だからあれは、参加者の誰かがなんかしたんだよ。」
リュウ「なんかって、何?」
ブラック「さぁ?」
リュウ「見つかったら絶対ロクなことにならないよな?」
ブラック「それはそうだろうな。それより、レンが走ってっちゃったけどいいの?」
リュウ「え⁉︎」
横にいたはずのレンがおらず、公園の方を見るとレンが走り去っていく姿が見えた。
リュウ「ちょっと⁉︎」
ブラック「さすが陸上部。速いなー。」
リュウ「何やってんの‼︎」
レンを追いかける。
ブラック「だと思った。」
●
完全に見失ってしまった。
リュウ「足の痛みは治ったって言ってたけど…」
ブラック「元気だったよなぁ。」
公園の中にはドラゴン以外の生き物もいた。
公園内で1番大きな建物の中に来るまでにドラゴンの他に2体、ヘビと騎士を見かけた。
リュウ「何なんだあれ…」
ブラック「何なんだろうなー。あり得るのは監視とかか。」
リュウ「監視か。ってことはここに誰かが…っていうかアレが出来るような文房具って何だよ。」
ブラック「そりゃあ、描くようなもんだろ。描いて、実体化とか。筆とか、鉛筆とか。」
リュウ「鉛筆…鉛筆か。」
ブラック「描いた物が出てくるってんなら、余程絵が上手い奴なんだろうな。」
ドラゴンもヘビも騎士も、細部まで丁寧に描かれていた。
リュウ「絵が上手い…もしかして…」
ブラック「ん?」
リュウ「レンが走っていったのって…」
ブラック「んー、あぁ〜はいはい。ここに目的の奴がいるかもしれない、と。」
リュウ「あのドラゴンにも見覚えがあったんだよ。きっと…」
●
建物の周りを捜索。
リュウ「そうだ。ちょうど良いから聞きたいことあったんだけどさ。」
ブラック「なに?」
リュウ「ジャックと戦ってた時にさ、『父さん』とか言ってたけど…」
ブラック「げ…」
すごくやっちまった感のある顔をする。
リュウ「何それ?知られたらマズイようなこと?」
ブラック「別にマズくはないんだけどさー。色々とめんどくさいからあんまり知られたくないっていうかさー。」
リュウ「その『父さん』って人がこの世界作ったの?」
ブラック「そうだよ。この世界とあたし達を作って、管理してるんだ。」
リュウ「ブラック達を作る?」
ブラック「そ。作る。詳しいことはあたしにも分かんない。気がついたらこんな事やるような世界に生まれたわけだし。」
リュウ「なんで…」
ブラック「あ、そこ。」
ブラックが指を差す。
リュウ「え?おっと…」
死体を発見してしまった。
胸には槍投げ競技の槍が刺さっており、その隣には椅子とキャンバスが置いてある。
リュウ「これは…」
ブラック「誰かいたんだろうな。」
リュウ「……」
ブラック「リュウ?」
リュウ「…あっ、え?なに?」
死体を見て一瞬放心していた。
ブラック「あんた、死体見たの初めてじゃないだろ。」
リュウ「いや、今までのは焦った状況ばっかりだったから死体見てるって感覚じゃなくて…」
ブラック「ふーん。」
リュウ「全く関係ない人の死体でも…結構心臓にくるな、これ。」
既に足が震えている。
ブラック「その槍、もらったら?武器に使えるだろ。」
リュウ「良いのかな?」
ブラック「取ったもん勝ちだって、大丈夫大丈夫。」
リュウ「じゃあ…」
槍を引き抜く。
リュウ「うっ…」
ぬるっとした人間の体の生々しい感覚がする。
槍の先から血が滴り落ちる。
ブラック「槍と鉛筆が2本。なかなか面白い絵面だな。」
口元を押さえて笑わないように耐えている。
右手に大きな鉛筆を持ち、左手に槍を持つ。
リュウ「シュールでしょ。」
ブラック「さて、それじゃあそろそろ離れるか。」
リュウ「え?もう?」
死体のすぐ横にある椅子とキャンバスを指差す。
もう少し調べることがあるのではないかと進言しようとするが、
ブラック「それがあるから離れるんだよ。
リュウ「え?なんで?」
その理由はすぐにやってきた。
女の声「ちょっとあなた!」
リュウ「はい?」
現在、リュウの手元には2個の願いの石がある。
そしてレンの人探しの2日目。
ジャックによって負わされた傷は、痕こそ残ったものの痛みは治まった。
リュウ「今日こそ見つかるといいな。」
レン「はい!」
元気に返事をする。
しかし、リュウにはそれが空元気にしか見えなかった。
(ジャックのことは一旦忘れよう。気持ちを切り替えるんだ…)
再び目的の芸術家らしき人物を探すが、手がかりなし。
リュウ「もう一度特徴おさらいしようか。」
レン「女の人で、筆を持ってて、服は絵の具まみれで汚くて、でも髪は長くて真っ黒で綺麗で…」
リュウ「見かけたら絶対こいつだ、って分かりそうだけどなぁ…」
レン「絶対分かると思います。服は普通の服なんですけど、もう絵の具塗れなんで。」
リュウ「絵の具ね…」
(でもこの辺いるのかなぁ…)
リュウ「別の場所行ってみようか。」
1日目2日目と駅前にいる。
レン「でもどこに行くんです?」
リュウ「そうだなぁ…ここがどこか分かれば…」
レン「……」
リュウ「……」
レン「とりあえず移動しましょうか。」
リュウ「そだね。」
●
しばらく歩いて行くと大きな公園を見つけた。
リュウ「ここは…?」
レン「○○県総合グラウンド…」
リュウ「あぁ、ここ○○県か…んなことより…」
公園を外から見ただけだが、不思議な生命体が歩いているのが見えた。
リュウ「なにあれ。」
レン「あれは…」
4足歩行の白黒のドラゴンが歩いている。
リュウ「ドラゴンだよな?」
ブラック「あたしに聞かれても知らねぇよ。」
リュウ「参加者以外はいないんだよな?」
ブラック「いないよ。だからあれは、参加者の誰かがなんかしたんだよ。」
リュウ「なんかって、何?」
ブラック「さぁ?」
リュウ「見つかったら絶対ロクなことにならないよな?」
ブラック「それはそうだろうな。それより、レンが走ってっちゃったけどいいの?」
リュウ「え⁉︎」
横にいたはずのレンがおらず、公園の方を見るとレンが走り去っていく姿が見えた。
リュウ「ちょっと⁉︎」
ブラック「さすが陸上部。速いなー。」
リュウ「何やってんの‼︎」
レンを追いかける。
ブラック「だと思った。」
●
完全に見失ってしまった。
リュウ「足の痛みは治ったって言ってたけど…」
ブラック「元気だったよなぁ。」
公園の中にはドラゴン以外の生き物もいた。
公園内で1番大きな建物の中に来るまでにドラゴンの他に2体、ヘビと騎士を見かけた。
リュウ「何なんだあれ…」
ブラック「何なんだろうなー。あり得るのは監視とかか。」
リュウ「監視か。ってことはここに誰かが…っていうかアレが出来るような文房具って何だよ。」
ブラック「そりゃあ、描くようなもんだろ。描いて、実体化とか。筆とか、鉛筆とか。」
リュウ「鉛筆…鉛筆か。」
ブラック「描いた物が出てくるってんなら、余程絵が上手い奴なんだろうな。」
ドラゴンもヘビも騎士も、細部まで丁寧に描かれていた。
リュウ「絵が上手い…もしかして…」
ブラック「ん?」
リュウ「レンが走っていったのって…」
ブラック「んー、あぁ〜はいはい。ここに目的の奴がいるかもしれない、と。」
リュウ「あのドラゴンにも見覚えがあったんだよ。きっと…」
●
建物の周りを捜索。
リュウ「そうだ。ちょうど良いから聞きたいことあったんだけどさ。」
ブラック「なに?」
リュウ「ジャックと戦ってた時にさ、『父さん』とか言ってたけど…」
ブラック「げ…」
すごくやっちまった感のある顔をする。
リュウ「何それ?知られたらマズイようなこと?」
ブラック「別にマズくはないんだけどさー。色々とめんどくさいからあんまり知られたくないっていうかさー。」
リュウ「その『父さん』って人がこの世界作ったの?」
ブラック「そうだよ。この世界とあたし達を作って、管理してるんだ。」
リュウ「ブラック達を作る?」
ブラック「そ。作る。詳しいことはあたしにも分かんない。気がついたらこんな事やるような世界に生まれたわけだし。」
リュウ「なんで…」
ブラック「あ、そこ。」
ブラックが指を差す。
リュウ「え?おっと…」
死体を発見してしまった。
胸には槍投げ競技の槍が刺さっており、その隣には椅子とキャンバスが置いてある。
リュウ「これは…」
ブラック「誰かいたんだろうな。」
リュウ「……」
ブラック「リュウ?」
リュウ「…あっ、え?なに?」
死体を見て一瞬放心していた。
ブラック「あんた、死体見たの初めてじゃないだろ。」
リュウ「いや、今までのは焦った状況ばっかりだったから死体見てるって感覚じゃなくて…」
ブラック「ふーん。」
リュウ「全く関係ない人の死体でも…結構心臓にくるな、これ。」
既に足が震えている。
ブラック「その槍、もらったら?武器に使えるだろ。」
リュウ「良いのかな?」
ブラック「取ったもん勝ちだって、大丈夫大丈夫。」
リュウ「じゃあ…」
槍を引き抜く。
リュウ「うっ…」
ぬるっとした人間の体の生々しい感覚がする。
槍の先から血が滴り落ちる。
ブラック「槍と鉛筆が2本。なかなか面白い絵面だな。」
口元を押さえて笑わないように耐えている。
右手に大きな鉛筆を持ち、左手に槍を持つ。
リュウ「シュールでしょ。」
ブラック「さて、それじゃあそろそろ離れるか。」
リュウ「え?もう?」
死体のすぐ横にある椅子とキャンバスを指差す。
もう少し調べることがあるのではないかと進言しようとするが、
ブラック「それがあるから離れるんだよ。
リュウ「え?なんで?」
その理由はすぐにやってきた。
女の声「ちょっとあなた!」
リュウ「はい?」
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