老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
202話 海底洞窟MD
ガニの装備はフルプレートアーマー、両刃の大斧が獲物だ。
アーマーは白銀に輝いており、その重厚な佇まいからは想像できないほど取り回しやすい。
「あの防御力でありながら、今までの鎧と比べれば羽根のように軽い……」
試着して模擬戦をしたガニは絶句していた。
もちろん各種付加を受けており、武器、防具ともにこの世界の装備の理からは大きく外れた超弩級品に仕上がっている。
イオラナは木々の緑を濃縮したような美しくきらめく錫杖に、純白のローブだ。
錫杖にはルーン文字が刻まれており、呼吸するように黄緑色に光る。
ユキムラのこだわりである。
純白に見えるローブは魔道回路を編み込まれており、魔力を通すと金色に変化して使用者の能力を増幅させる。
変身はロマンなんだ。というユキムラのこだわりだ。
どの一品を持ってしても、国家が転覆しかねない価値がある。
「一応念のために私が所有者権限を持つので、万が一悪用した場合強制的に剥奪します。
そんなこと無いのはわかっているのですが、盗まれるだけでも普通の国ぐらいなら落とせるので」
ユキムラの発言は本気も本気なのだが、二人はまるで冗談の様に聞こえてしまっていた。
海底洞窟の入り口に来るとユキムラ達にしかわからない変化が存在する。
いつものMDのゆらぎだ。
「ここから別の海底洞窟になります。お二人ともまずは打ち合わせ通りに防御に徹してくださいね」
ユキムラから順にMDへと入っていく、周囲で見守っているギルド職員も事前に知らされているとは言え、目の前で人が本当に消えていく場面を見て腰を抜かしていた。
試しに追うようにその場所を通過しても、パーティ登録されていない人間はそのまま通過するだけであった。
「入ってすぐは似たような作りなんですね……」
振り返って職員たちの姿がいないことを確かめて、確かに違う場所なのは理解したが、構造自体は慣れ親しんだ海底洞窟なことにガニとイオラナは少しホッとしていた。
「お二人は今でも定期的に洞窟に入っているんですよね?」
「ええ、冒険者の安全のための見守りや、大氾濫なども監視も金ています」
「父やガニ様は単純に洞窟に入るのが好きなんですけどね……」
父というのは前のギルドマスターで今は王都で戦士隊長を務めているそうだ。
王都へ招かれたさい、すでに非凡な才能を発揮していたイオラナにギルドマスターを押し付けていったそうだ。
本人の実力も当然だが、前職のギルドマスターの娘。
年齢は若いが上に立つものの素質は父親以上ということで、一切の反対もなくその席に、なかば押し込められたのであった。
「さてと、ここは風属性、とくに雷撃系が有効なんだけど。
立ち位置に気をつけないと海水とかで自分も被雷……ってなることもあります。
今回の装備は直撃でも受けなければ雷は無効、敵が使ってくる水系魔法は直撃を食らっても問題ないです。最初は二人守りながらで慣れてもらって、慣れたらバンバン働いてもらいます」
「「ハイ!」」
隊列は、前衛ヴァリィ、ソーカ、中衛ユキムラ、タロ、ここに守られる二人、そして後衛レンだ。
初めての戦闘はサハギン。半魚人型モンスターだ。
レベルは非常に高いのでコイツが1匹街に出ただけでも壊滅してしまうだろう、そう考えるとMDが次元的に隔離されていることは幸運なことだ。
「たぶんですけど、今晩お二人はとんでもなく辛い目に合うと思いますよ」
VOの経験値テーブル的にたぶん100ぐらいのメンバーが500くらいの敵を倒すと1・2匹ごとにレベルが上っていく。今日だけで100くらいレベルが上ってしまう可能性があった。
この世界でレベルが100上がるというのは、人が変わってしまうレベルだ。
肉体や精神、HPやMPの変化で身体が悲鳴を上げる事は間違いがない。
「一応僕が魔法で眠ってもらうつもりですけど、流石にここまで急激なレベルアップは経験がないのでなんとも……」
やってみないとわからない、正直ユキムラたちでも初体験な出来事だ。
まぁVOでも別にキャラが死んだりはしないから大丈夫だろ、とユキムラは楽観視している。
「おっと、それでは接敵するので皆さん気合を入れていきましょう~」
曲がり角の先にたむろしているサハギン達、まずはレンの魔法による洗礼だ。
「サンダーストーム」
曲がり角の先に百雷の雷が発生する。
バチバチと空気が震えるのが収まり、ソーカとヴァリィが突入する。
消し炭になって魔石へと消滅しているサハギンと、体の一部が炭化した半死半生のサハギン……
「えげつない威力だねレン……」
「なんかこれ、怖いんですけど……」
レンが持つ杖は魔法増幅効果もあり、今回は風系魔法特化にしているの想像以上に強化された。
「水素とかでてたら爆発するよな……そこまでリアルなのかな……」
分析でこっそり大気を調べるユキムラ、周囲の壁面の水分などが電気分解で酸素や水素を発生させるようなことがあると、大量の場合万が一にも水素爆発でも起きたら困るからだ。
結果は大きな変化はなかった。ある程度のゲームっぽさが魔法には残されているんだろう。
ユキムラは女神たちに感謝をした。
アーマーは白銀に輝いており、その重厚な佇まいからは想像できないほど取り回しやすい。
「あの防御力でありながら、今までの鎧と比べれば羽根のように軽い……」
試着して模擬戦をしたガニは絶句していた。
もちろん各種付加を受けており、武器、防具ともにこの世界の装備の理からは大きく外れた超弩級品に仕上がっている。
イオラナは木々の緑を濃縮したような美しくきらめく錫杖に、純白のローブだ。
錫杖にはルーン文字が刻まれており、呼吸するように黄緑色に光る。
ユキムラのこだわりである。
純白に見えるローブは魔道回路を編み込まれており、魔力を通すと金色に変化して使用者の能力を増幅させる。
変身はロマンなんだ。というユキムラのこだわりだ。
どの一品を持ってしても、国家が転覆しかねない価値がある。
「一応念のために私が所有者権限を持つので、万が一悪用した場合強制的に剥奪します。
そんなこと無いのはわかっているのですが、盗まれるだけでも普通の国ぐらいなら落とせるので」
ユキムラの発言は本気も本気なのだが、二人はまるで冗談の様に聞こえてしまっていた。
海底洞窟の入り口に来るとユキムラ達にしかわからない変化が存在する。
いつものMDのゆらぎだ。
「ここから別の海底洞窟になります。お二人ともまずは打ち合わせ通りに防御に徹してくださいね」
ユキムラから順にMDへと入っていく、周囲で見守っているギルド職員も事前に知らされているとは言え、目の前で人が本当に消えていく場面を見て腰を抜かしていた。
試しに追うようにその場所を通過しても、パーティ登録されていない人間はそのまま通過するだけであった。
「入ってすぐは似たような作りなんですね……」
振り返って職員たちの姿がいないことを確かめて、確かに違う場所なのは理解したが、構造自体は慣れ親しんだ海底洞窟なことにガニとイオラナは少しホッとしていた。
「お二人は今でも定期的に洞窟に入っているんですよね?」
「ええ、冒険者の安全のための見守りや、大氾濫なども監視も金ています」
「父やガニ様は単純に洞窟に入るのが好きなんですけどね……」
父というのは前のギルドマスターで今は王都で戦士隊長を務めているそうだ。
王都へ招かれたさい、すでに非凡な才能を発揮していたイオラナにギルドマスターを押し付けていったそうだ。
本人の実力も当然だが、前職のギルドマスターの娘。
年齢は若いが上に立つものの素質は父親以上ということで、一切の反対もなくその席に、なかば押し込められたのであった。
「さてと、ここは風属性、とくに雷撃系が有効なんだけど。
立ち位置に気をつけないと海水とかで自分も被雷……ってなることもあります。
今回の装備は直撃でも受けなければ雷は無効、敵が使ってくる水系魔法は直撃を食らっても問題ないです。最初は二人守りながらで慣れてもらって、慣れたらバンバン働いてもらいます」
「「ハイ!」」
隊列は、前衛ヴァリィ、ソーカ、中衛ユキムラ、タロ、ここに守られる二人、そして後衛レンだ。
初めての戦闘はサハギン。半魚人型モンスターだ。
レベルは非常に高いのでコイツが1匹街に出ただけでも壊滅してしまうだろう、そう考えるとMDが次元的に隔離されていることは幸運なことだ。
「たぶんですけど、今晩お二人はとんでもなく辛い目に合うと思いますよ」
VOの経験値テーブル的にたぶん100ぐらいのメンバーが500くらいの敵を倒すと1・2匹ごとにレベルが上っていく。今日だけで100くらいレベルが上ってしまう可能性があった。
この世界でレベルが100上がるというのは、人が変わってしまうレベルだ。
肉体や精神、HPやMPの変化で身体が悲鳴を上げる事は間違いがない。
「一応僕が魔法で眠ってもらうつもりですけど、流石にここまで急激なレベルアップは経験がないのでなんとも……」
やってみないとわからない、正直ユキムラたちでも初体験な出来事だ。
まぁVOでも別にキャラが死んだりはしないから大丈夫だろ、とユキムラは楽観視している。
「おっと、それでは接敵するので皆さん気合を入れていきましょう~」
曲がり角の先にたむろしているサハギン達、まずはレンの魔法による洗礼だ。
「サンダーストーム」
曲がり角の先に百雷の雷が発生する。
バチバチと空気が震えるのが収まり、ソーカとヴァリィが突入する。
消し炭になって魔石へと消滅しているサハギンと、体の一部が炭化した半死半生のサハギン……
「えげつない威力だねレン……」
「なんかこれ、怖いんですけど……」
レンが持つ杖は魔法増幅効果もあり、今回は風系魔法特化にしているの想像以上に強化された。
「水素とかでてたら爆発するよな……そこまでリアルなのかな……」
分析でこっそり大気を調べるユキムラ、周囲の壁面の水分などが電気分解で酸素や水素を発生させるようなことがあると、大量の場合万が一にも水素爆発でも起きたら困るからだ。
結果は大きな変化はなかった。ある程度のゲームっぽさが魔法には残されているんだろう。
ユキムラは女神たちに感謝をした。
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