老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
155話 風龍ダンジョン決戦
禍々しいオーブから一筋の光線が放たれる。
「師匠! ヴァリィ!」
レンの叫びに即座に反応して抑えていた騎士から離脱する二人。
その光線は騎士を貫き、貫かれた騎士も球状に変化する。
3つの玉がひとつになりその形を変えていく。
「ラスボス登場って感じだね。みんな大丈夫? 回復するなら今しかないと思うよ」
切れかけたバフも全て一新する。
冷静なユキムラも次の瞬間冷静ではいられなくなる。
その球体から金色の鎧の足が出てきたのだ。
「レン!! 多重大規模魔法展開!! 全員最大火力で同時攻撃!!」
ユキムラは同時に金騎士対策の魔道具を一斉に展開する。
レン、ソーカ、ヴァリィ、タロもその球体周囲に魔道具を放つ魔道具の展開と同時に魔道具と魔道具を結ぶ糸状の結界が発生する。魔道具は大量に存在するために網のように無数の光が交差する。
それが変化する球体を包み四方八方に張り巡らされている。
これは出来る限り面積を減らし強度を上げた防御結界だ。
特徴として破壊されるほどの力が加わると魔道具から離脱して強力な粘着性のある布へ変化する。
第1段階が壁としての役目、そして破壊されそうになると体に付着して動きを阻害する布へと変わる2段構え、しかも布へと変化するとすぐにまた張り直す。
もちろん魔法で薙ぎ払われたらお終いだ。
少しでも動きを阻害できれば、と考えた魔道具だった。
ズルリっと球体から金色の騎士が地面に落ちる。忘れもしないあの惨劇においてレンとソーカを一突きにし、タロの足を切り落としユキムラを狙った騎士と同じ鎧だ。
ユキムラは自分の中で怒りの炎が燃え上がりそうになるが、すぐに冷静さを取り戻す。
冷静であること、それが何よりも大事だと長い長いMMO人生で学んだ。
「魔法陣展開完了、多層大規模魔法 聖なる神の裁き 5秒後に発動。それに合わせて総員全火力をあの金の騎士に集中しろ!」
レンとユキムラによって敷かれた魔法陣が空中に浮き上がり金騎士を囲む。
その時金騎士の目に血のような赤い光が灯る。
同時にバッとその場から回避をしようとする。
ドシャ
大量の布が張り付いて地面にくくりつけられた。
忌々しそうに振り払おうとするがその強力な攻撃が仇となりどんどん布が増えて布同士がくっついてより地面にへばりつけられる。
「発動!!」
「乱れ雪月花!!」
ソーカによる無数の斬撃が美しい花のように嵐のように敵を包み込む。
「大地崩壊撃!」
ヴァリィによる強力な一撃が大地を砕きエネルギーの奔流が敵に襲いかかる。
「パワーコレイダースラッシュ!!」
リンガーの音速を超える突きが膨大な破壊の力となって敵を包み込む。
「ガァ!!」
タロの大きく開けた顎の前方に凝集する巨大な魔力が恐ろしいほど小さく凝縮され、そして一気に放たれる。強力無比な攻撃が敵を貫く。
レンとユキムラの魔法は空中に浮かぶ無数の魔法陣間を聖なる光が跳ね返るたびに加速、加熱していく、そして全ての魔法陣を結んだ時中心にそのエネルギーの全てが集まり爆発する。
魔法陣がなければダンジョン全体を吹き飛ばすほどの力がその結界内に大爆発を起こす。
これらの攻撃がクロスポイントで金騎士に襲いかかる。
あまりに一箇所にエネルギーが集中したために多層魔法陣に亀裂が入る……
「れ、レン! 上書きで魔法防御結界よろしく! 俺は防御結界を張っていく!」
「は、はい!!」
こんな攻撃をしたことが無かったが、かなり危険な状態になってしまって居る気がしていた。
「ユキムラちゃん内部の床が沸騰してる!」
「ソーカ魔道具で周囲の保護を補助してくれ!」
「は、はい!!」
MDなので崩落とかそういった心配はあまりしていないが万が一ということがある。
それに熱波も強烈になっていて部屋全体が灼熱地獄になっても困る。
「ヴァリィ! 念のため女神様の周りにも防御魔法具展開して、みんなももしかしたら魔法陣が破壊されたらエネルギー波来るかもしれないから構えておいて」
必死に多層防御障壁を展開させながらユキムラは指示を飛ばす。
「君たちはいつもこんなとんでもない戦闘をしているのか!?」
「流石にあれはやばすぎるのでできることやったんです。前の時間軸にアイツ1人に全員が殺されたので」
ビキビシィ!
嫌な音を立てて魔法陣が壊れる。
同時に凄まじいエネルギーがユキムラとレンが構築した防壁に叩きつけられる。
「師匠、あんまり、持たないかも……」
「俺も、やばいかも……み、みんな、耐ショック防壁最大出力で展開準備……」
ユキムラとレンの腕から鮮血が弾ける。過剰なエネルギーを抑えきれない。
「だ、ダメだ、壊れる……」
「師匠僕も、限界です……」
バキン!
周囲の魔法障壁が砕け散り爆発が起こる!
その瞬間巨大な白いものがその光を丸ごと飲み込む。
ごくん……
巨大化したタロだ。
タロがそのエネルギー体を一口で飲み込んでしまった。
「ゲェッップ……わん!」
ちょっとお下品な事をしてしまってタロは恥ずかしそうだ。
「た、タロー助かったよー……」
思わずタロに駆け寄り頬ずりをするユキムラ。最大の危機はタロのお陰で回避された。
「師匠!! あれ!!」
レンの叫び声で俯瞰からも確認できる黒く変質した塊に目線を動かす。
その塊が動きユキムラへと迫る。
まだユキムラは振り返れていない、しかし、俯瞰視点でその手に持たれた剣が自分に近づいてきているのがわかる。
それでも振り向くのが終わらない、体が動かない。
それなのにその刃は自分に向かってくる。
それが超高速の時間の中のことだというのはすでに経験していたので理解していた。
それでもなぜかユキムラは冷静だった。
(大丈夫、落ち着け。ここでカウンターだ)
ユキムラは幾度となく行ったカウンターを体に指示する。
今まで1ミリも動くことのなかった体が、突然いつものように動き出す。
敵の一撃をその籠手で弾き敵の体へ拳がめり込み貫く。
「師匠ーーーーーーーー!!!!!!」
レンの絶叫で気がつく。
自らの拳が敵のコア、禍々しく揺らめくコアを打ち砕いていることに……
空を舞う剣が地面に突き刺さったと同時にユキムラはその場にへたり込んでしまう。
「師匠! ヴァリィ!」
レンの叫びに即座に反応して抑えていた騎士から離脱する二人。
その光線は騎士を貫き、貫かれた騎士も球状に変化する。
3つの玉がひとつになりその形を変えていく。
「ラスボス登場って感じだね。みんな大丈夫? 回復するなら今しかないと思うよ」
切れかけたバフも全て一新する。
冷静なユキムラも次の瞬間冷静ではいられなくなる。
その球体から金色の鎧の足が出てきたのだ。
「レン!! 多重大規模魔法展開!! 全員最大火力で同時攻撃!!」
ユキムラは同時に金騎士対策の魔道具を一斉に展開する。
レン、ソーカ、ヴァリィ、タロもその球体周囲に魔道具を放つ魔道具の展開と同時に魔道具と魔道具を結ぶ糸状の結界が発生する。魔道具は大量に存在するために網のように無数の光が交差する。
それが変化する球体を包み四方八方に張り巡らされている。
これは出来る限り面積を減らし強度を上げた防御結界だ。
特徴として破壊されるほどの力が加わると魔道具から離脱して強力な粘着性のある布へ変化する。
第1段階が壁としての役目、そして破壊されそうになると体に付着して動きを阻害する布へと変わる2段構え、しかも布へと変化するとすぐにまた張り直す。
もちろん魔法で薙ぎ払われたらお終いだ。
少しでも動きを阻害できれば、と考えた魔道具だった。
ズルリっと球体から金色の騎士が地面に落ちる。忘れもしないあの惨劇においてレンとソーカを一突きにし、タロの足を切り落としユキムラを狙った騎士と同じ鎧だ。
ユキムラは自分の中で怒りの炎が燃え上がりそうになるが、すぐに冷静さを取り戻す。
冷静であること、それが何よりも大事だと長い長いMMO人生で学んだ。
「魔法陣展開完了、多層大規模魔法 聖なる神の裁き 5秒後に発動。それに合わせて総員全火力をあの金の騎士に集中しろ!」
レンとユキムラによって敷かれた魔法陣が空中に浮き上がり金騎士を囲む。
その時金騎士の目に血のような赤い光が灯る。
同時にバッとその場から回避をしようとする。
ドシャ
大量の布が張り付いて地面にくくりつけられた。
忌々しそうに振り払おうとするがその強力な攻撃が仇となりどんどん布が増えて布同士がくっついてより地面にへばりつけられる。
「発動!!」
「乱れ雪月花!!」
ソーカによる無数の斬撃が美しい花のように嵐のように敵を包み込む。
「大地崩壊撃!」
ヴァリィによる強力な一撃が大地を砕きエネルギーの奔流が敵に襲いかかる。
「パワーコレイダースラッシュ!!」
リンガーの音速を超える突きが膨大な破壊の力となって敵を包み込む。
「ガァ!!」
タロの大きく開けた顎の前方に凝集する巨大な魔力が恐ろしいほど小さく凝縮され、そして一気に放たれる。強力無比な攻撃が敵を貫く。
レンとユキムラの魔法は空中に浮かぶ無数の魔法陣間を聖なる光が跳ね返るたびに加速、加熱していく、そして全ての魔法陣を結んだ時中心にそのエネルギーの全てが集まり爆発する。
魔法陣がなければダンジョン全体を吹き飛ばすほどの力がその結界内に大爆発を起こす。
これらの攻撃がクロスポイントで金騎士に襲いかかる。
あまりに一箇所にエネルギーが集中したために多層魔法陣に亀裂が入る……
「れ、レン! 上書きで魔法防御結界よろしく! 俺は防御結界を張っていく!」
「は、はい!!」
こんな攻撃をしたことが無かったが、かなり危険な状態になってしまって居る気がしていた。
「ユキムラちゃん内部の床が沸騰してる!」
「ソーカ魔道具で周囲の保護を補助してくれ!」
「は、はい!!」
MDなので崩落とかそういった心配はあまりしていないが万が一ということがある。
それに熱波も強烈になっていて部屋全体が灼熱地獄になっても困る。
「ヴァリィ! 念のため女神様の周りにも防御魔法具展開して、みんなももしかしたら魔法陣が破壊されたらエネルギー波来るかもしれないから構えておいて」
必死に多層防御障壁を展開させながらユキムラは指示を飛ばす。
「君たちはいつもこんなとんでもない戦闘をしているのか!?」
「流石にあれはやばすぎるのでできることやったんです。前の時間軸にアイツ1人に全員が殺されたので」
ビキビシィ!
嫌な音を立てて魔法陣が壊れる。
同時に凄まじいエネルギーがユキムラとレンが構築した防壁に叩きつけられる。
「師匠、あんまり、持たないかも……」
「俺も、やばいかも……み、みんな、耐ショック防壁最大出力で展開準備……」
ユキムラとレンの腕から鮮血が弾ける。過剰なエネルギーを抑えきれない。
「だ、ダメだ、壊れる……」
「師匠僕も、限界です……」
バキン!
周囲の魔法障壁が砕け散り爆発が起こる!
その瞬間巨大な白いものがその光を丸ごと飲み込む。
ごくん……
巨大化したタロだ。
タロがそのエネルギー体を一口で飲み込んでしまった。
「ゲェッップ……わん!」
ちょっとお下品な事をしてしまってタロは恥ずかしそうだ。
「た、タロー助かったよー……」
思わずタロに駆け寄り頬ずりをするユキムラ。最大の危機はタロのお陰で回避された。
「師匠!! あれ!!」
レンの叫び声で俯瞰からも確認できる黒く変質した塊に目線を動かす。
その塊が動きユキムラへと迫る。
まだユキムラは振り返れていない、しかし、俯瞰視点でその手に持たれた剣が自分に近づいてきているのがわかる。
それでも振り向くのが終わらない、体が動かない。
それなのにその刃は自分に向かってくる。
それが超高速の時間の中のことだというのはすでに経験していたので理解していた。
それでもなぜかユキムラは冷静だった。
(大丈夫、落ち着け。ここでカウンターだ)
ユキムラは幾度となく行ったカウンターを体に指示する。
今まで1ミリも動くことのなかった体が、突然いつものように動き出す。
敵の一撃をその籠手で弾き敵の体へ拳がめり込み貫く。
「師匠ーーーーーーーー!!!!!!」
レンの絶叫で気がつく。
自らの拳が敵のコア、禍々しく揺らめくコアを打ち砕いていることに……
空を舞う剣が地面に突き刺さったと同時にユキムラはその場にへたり込んでしまう。
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