俺の高校生活に平和な日常を
第11章 #45「迫り来る脅威」
「ハア…ハア…」
走っているうちにだんだん俺は不安を感じ始めていた。本当にこのまま森を抜けられるのだろうか? そもそもこの道で合っているのだろうか?
色々不安を感じながらもひたすら走り続ける俺。
「あっ、そうだ、梓。テレポーションとか使えないのか?」
「えっ?」
そのときふと俺は思い出したことを梓に問いかけた。みのりが飛べたように俺達の世界でできたことならこの世界でもできるのではないかと思ったのだ。
「ううん。一回試してみたけど、使えないみたい。多分、この世界で覚えた魔法しか使えないみたい」
「…そうか」
しかし、そううまくはいかないようで、梓は首を横に振った。どういう理屈かは知らないが、俺達の世界で使えた魔法はこっちの世界では使えないらしい。
それにより、さらに絶望感が高まる。転移魔法が使えないとなるともうこの足で逃げるしかないな。
「ヴアァァァァ!!」
「くっ!」
しかし、執拗に追いかけてくるベオウルフマン。とてつもない執着心だ。後ろでみのりがちょっかい出してくれているとはいえ、このままだとこっちもそろそろスタミナが切れて走れなくなる。
その前に向こうが諦めてくれればいいが、あの執着心ならその可能性はほぼゼロだ。じゃあどうすれば…
「キャアー!?」
「ッ!? みのり?!」
そんなことを考えていると、突然みのりの叫び声が聞こえた。
思わず後ろを振り返ると、みのりが目を瞑ってふらふらと飛んでいる姿が見えた。
なにがあったのか一部始終を見ていないが、みのりが目を擦っているところから察するに目を潰されてしまったのか。
よく見ると、土煙が舞っている。まさかあいつの仕業か?
そう思った俺はベオウルフマンの方に視線を移すと、ベオウルフマンの両手がいつのまにか土塗れになっていた。
ここからは俺の推測だが、みのりが鬱陶しかったベオウルフマンは爪を地面に突き立て、削るように走りながら土煙を発生させた。
その土煙は後ろにいたみのりに当たり、今に至るっといったところか。
目潰しを喰らったみのりはふらふらとしながらも木に当たらないように上に飛んでいるが、だんだん横に逸れていく。方向感覚を完全に失っているようだ。
「うぉっ?!」
「キャッ?!」
「ッ!? お兄ちゃん?! 有紗ちゃん?!」
そんなみのりを心配していると、前方不注意な俺は木のねっこに足を取られ、転倒してしまった。
「ゔっ!?」
転倒した俺は有紗を背負ったせいで受け身が取れず、アゴごと強打した。かなり痛いが、なんとか有紗をケガさせずに済んだか。
「グルルルルル」
「ッ!? しまった!?」
と安堵しているのも束の間、気がつくとベオウルフマンは立ちはだかるかのように俺の目の前に立っていた。
走っているうちにだんだん俺は不安を感じ始めていた。本当にこのまま森を抜けられるのだろうか? そもそもこの道で合っているのだろうか?
色々不安を感じながらもひたすら走り続ける俺。
「あっ、そうだ、梓。テレポーションとか使えないのか?」
「えっ?」
そのときふと俺は思い出したことを梓に問いかけた。みのりが飛べたように俺達の世界でできたことならこの世界でもできるのではないかと思ったのだ。
「ううん。一回試してみたけど、使えないみたい。多分、この世界で覚えた魔法しか使えないみたい」
「…そうか」
しかし、そううまくはいかないようで、梓は首を横に振った。どういう理屈かは知らないが、俺達の世界で使えた魔法はこっちの世界では使えないらしい。
それにより、さらに絶望感が高まる。転移魔法が使えないとなるともうこの足で逃げるしかないな。
「ヴアァァァァ!!」
「くっ!」
しかし、執拗に追いかけてくるベオウルフマン。とてつもない執着心だ。後ろでみのりがちょっかい出してくれているとはいえ、このままだとこっちもそろそろスタミナが切れて走れなくなる。
その前に向こうが諦めてくれればいいが、あの執着心ならその可能性はほぼゼロだ。じゃあどうすれば…
「キャアー!?」
「ッ!? みのり?!」
そんなことを考えていると、突然みのりの叫び声が聞こえた。
思わず後ろを振り返ると、みのりが目を瞑ってふらふらと飛んでいる姿が見えた。
なにがあったのか一部始終を見ていないが、みのりが目を擦っているところから察するに目を潰されてしまったのか。
よく見ると、土煙が舞っている。まさかあいつの仕業か?
そう思った俺はベオウルフマンの方に視線を移すと、ベオウルフマンの両手がいつのまにか土塗れになっていた。
ここからは俺の推測だが、みのりが鬱陶しかったベオウルフマンは爪を地面に突き立て、削るように走りながら土煙を発生させた。
その土煙は後ろにいたみのりに当たり、今に至るっといったところか。
目潰しを喰らったみのりはふらふらとしながらも木に当たらないように上に飛んでいるが、だんだん横に逸れていく。方向感覚を完全に失っているようだ。
「うぉっ?!」
「キャッ?!」
「ッ!? お兄ちゃん?! 有紗ちゃん?!」
そんなみのりを心配していると、前方不注意な俺は木のねっこに足を取られ、転倒してしまった。
「ゔっ!?」
転倒した俺は有紗を背負ったせいで受け身が取れず、アゴごと強打した。かなり痛いが、なんとか有紗をケガさせずに済んだか。
「グルルルルル」
「ッ!? しまった!?」
と安堵しているのも束の間、気がつくとベオウルフマンは立ちはだかるかのように俺の目の前に立っていた。
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