俺の高校生活に平和な日常を
第10章 #21「ミス・菜々志乃コンテスト(有紗編)」
---「それでは続いての方参りましょうか!」
「いやー、先程の須川さんのインパクトがすごかったですからねー。これはちょっとハードルが上がるかもしれませんねー」
「残りのお2人にもがんばってもらいたいですねー」
ミス・菜々志乃コンテストの出場者も残り2人。司会の2人の言う通り、さっきのみのりのインパクトがまだ残ってしまっているから、これ以上のが出なければ話にならない。
「…有紗のやつ、大丈夫かなあ?」
俺は不安に駆られていた。残りの2人のうち、1人は有紗だからだ。
ノリノリだったみのりとは違い、有紗はああいうのを嫌がるタイプだ。コスプレ喫茶のときもかなり嫌そうな顔してたしな。
そんな有紗がみのり以上の結果を出せるとは思えない。最悪、逃げ出している可能性もある。
「それでは続いて1年2組、夏目有紗さんです! どーぞー!!」
「ッ!?」
そんなことを思っていると、小川先輩の口から有紗の名前が出てきた。まさかみのりの次だったとはな。ほんとに大丈夫なのだろうか?
「……」
みんなが舞台に注目する中、名前を呼ばれてもだれも出てこなかった。
「あれ? 夏目有紗さん、どーぞー?!」
小川先輩は聞こえなかったのかと思ったのか、もう一度有紗の名前を呼んだ。いや、これはマジで逃げた可能性があるな。
「……」
と思っていたが、少しして舞台袖から有紗がやってきた。俺はそれを見て少しホッとした。逃げたんじゃなくて、ただ単に舞台上に出ていく勇気がなかっただけみたいだ。
「わあー、あの子かわいい♡」
有紗もみのりと同じくコスプレ喫茶で着ていたネコミミメイドの服を着ていた。まさかあれだけ恥ずかしがっていたのにまた着るとはな。
だがしかし、人気はあるようで女子生徒達の黄色い声が聞こえてきた。まあコスプレ喫茶でもかなり人気があったしな。むしろ有紗のおかげで俺達のクラスは繁盛してたんだからな。
「えーっと、それでは夏目有紗さん、一言どーぞ!」
女子生徒達の黄色い声が聞こえる中、藤原先輩が例のセリフを促した。
「……」
それにしても出てきてからずっと有紗は顔を俯けたままだ。やっぱ恥ずかしいんだろうなとは思うが、その状況でセリフなんて言えるのだろうか?
「お、」
そう思った矢先、有紗は意を決したのか、言葉を発した。
「お、おかえり、なさいませ、ご、ご主人、様……に、にゃん」
「ッッ!!??」
すると、再び体育館全体が静寂に包まれた。
赤面しながらもちゃんとネコのポーズまで決めた有紗の姿に皆、ハートを射抜かれていた。恥ずかしそうにしているところが返ってプラスになったようだ。
「ッ!?」
しかし、有紗も我慢の限界がきたようで、脱兎の如く舞台袖に逃げて行った。
司会の2人もハートを射抜かれたせいか、止めようともせず、ただ呆然としていた。
「いやー、先程の須川さんのインパクトがすごかったですからねー。これはちょっとハードルが上がるかもしれませんねー」
「残りのお2人にもがんばってもらいたいですねー」
ミス・菜々志乃コンテストの出場者も残り2人。司会の2人の言う通り、さっきのみのりのインパクトがまだ残ってしまっているから、これ以上のが出なければ話にならない。
「…有紗のやつ、大丈夫かなあ?」
俺は不安に駆られていた。残りの2人のうち、1人は有紗だからだ。
ノリノリだったみのりとは違い、有紗はああいうのを嫌がるタイプだ。コスプレ喫茶のときもかなり嫌そうな顔してたしな。
そんな有紗がみのり以上の結果を出せるとは思えない。最悪、逃げ出している可能性もある。
「それでは続いて1年2組、夏目有紗さんです! どーぞー!!」
「ッ!?」
そんなことを思っていると、小川先輩の口から有紗の名前が出てきた。まさかみのりの次だったとはな。ほんとに大丈夫なのだろうか?
「……」
みんなが舞台に注目する中、名前を呼ばれてもだれも出てこなかった。
「あれ? 夏目有紗さん、どーぞー?!」
小川先輩は聞こえなかったのかと思ったのか、もう一度有紗の名前を呼んだ。いや、これはマジで逃げた可能性があるな。
「……」
と思っていたが、少しして舞台袖から有紗がやってきた。俺はそれを見て少しホッとした。逃げたんじゃなくて、ただ単に舞台上に出ていく勇気がなかっただけみたいだ。
「わあー、あの子かわいい♡」
有紗もみのりと同じくコスプレ喫茶で着ていたネコミミメイドの服を着ていた。まさかあれだけ恥ずかしがっていたのにまた着るとはな。
だがしかし、人気はあるようで女子生徒達の黄色い声が聞こえてきた。まあコスプレ喫茶でもかなり人気があったしな。むしろ有紗のおかげで俺達のクラスは繁盛してたんだからな。
「えーっと、それでは夏目有紗さん、一言どーぞ!」
女子生徒達の黄色い声が聞こえる中、藤原先輩が例のセリフを促した。
「……」
それにしても出てきてからずっと有紗は顔を俯けたままだ。やっぱ恥ずかしいんだろうなとは思うが、その状況でセリフなんて言えるのだろうか?
「お、」
そう思った矢先、有紗は意を決したのか、言葉を発した。
「お、おかえり、なさいませ、ご、ご主人、様……に、にゃん」
「ッッ!!??」
すると、再び体育館全体が静寂に包まれた。
赤面しながらもちゃんとネコのポーズまで決めた有紗の姿に皆、ハートを射抜かれていた。恥ずかしそうにしているところが返ってプラスになったようだ。
「ッ!?」
しかし、有紗も我慢の限界がきたようで、脱兎の如く舞台袖に逃げて行った。
司会の2人もハートを射抜かれたせいか、止めようともせず、ただ呆然としていた。
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