俺の高校生活に平和な日常を
第10章 #3「絶対、来ないで!!」
---「…ハア…」
「? どうかしたの、お兄ちゃん。さっきからため息ばっかり吐いてるよ?」
今日の晩めし時、俺はため息を吐いていた。数えていないからこれで何回目かはわからない。梓にまで心配されるぐらいだから、結構な回数してるんだろうな。
「クジ引きの結果、そんなによくなかったんですか?」
「ん? ああ。最悪だよ」
みのりがそんな俺を見て、そう問いかけてきた。俺はみのりの問いかけに吐き捨てるように返した。
みのりの言う通り、クジ引きの結果はよくなかった。というか、最悪な結果になってしまった。最後まで待っておいて、あんな結果になるとは。一体俺はなんのために最後まで待っていたのだろうか?
まさか『アレ』をよりにもよって俺が引いてしまうとはな。
「でも、みんなでコスプレって、なんだか楽しそう」
「ふふっ、梓さんはよくコスプレしてますしね」
「えっ? えっ、えっーと、あれは勝負服っていいますか、戦闘服っていいますか…」
梓が俺に対してのフォローを入れようとしてくれたが、みのりに茶化され、言葉がしどろもどろになってしまった。なぜみのりはこのタイミングで茶々を入れたのだろうか?
「あれは魔法少女にとっての礼装よ。あれを着ることで魔力量を高めたり魔法の威力を飛躍的に上昇させたりできるのよ。それを『コスプレごとき』なんかと一緒にされるのは不愉快だわ」
「あっ、そうだったんですか」
すると意外にもイーリスちゃんが梓のフォローをしてくれた。若干不機嫌そうにも見えるが、きっと自分達のあの服装をコスプレ扱いされるのが不愉快だったからなのだろう。
「……」
だとしたら、『アレ』を着るのはマズいような気がしてきた。下手したらイーリスちゃんに服ごと燃やされそうだ。
いや、落ち着いて考えてみれば『アレ』といってもデザインが異なれば問題ない、はず。
コスプレ衣装を作るのは家庭科部の人達だ。まさか『アレ』を同じデザインで作り上げるとはとても思えない。アレ?俺今、フラグ立ててない?
「それにしてもお兄ちゃんのコスプレかー。どんなのか楽しみだなー」
「…梓? まさかとは思うけど、学園祭、来るつもり?」
「えっ? うん。せっかくだし」
そんなことを思っていると、梓は話題を学園祭の話に戻してきた。
どうやら梓は学園祭に行く気満々のようだが、正直言って来ないで欲しい。
『アレ』を着るのは百歩、いや千歩譲ったとしても、妹の前で『アレ』を着た姿など、晒せるわけがない。あんな姿を妹に見られたら、兄としての威厳を失う気がする。
とにかく、梓が学園祭に来ないようしてもらうには説得するしか方法はない。
「梓、悪いけど、今年の学園祭は来ないで…」
「絶対、来ないで!!」
「ッ!?」
俺が梓を説得しようとしたそのとき、突然有紗がここぞと言わんばかりに大声をあげた。
あまりの突然の出来事と今まで一言も発さなかったから、思わずその場に居た全員がぽかんとした表情を浮かべ、部屋が一瞬にして静まり返るのだった。
どうやら有紗もクジ運が悪かったようだ。
「? どうかしたの、お兄ちゃん。さっきからため息ばっかり吐いてるよ?」
今日の晩めし時、俺はため息を吐いていた。数えていないからこれで何回目かはわからない。梓にまで心配されるぐらいだから、結構な回数してるんだろうな。
「クジ引きの結果、そんなによくなかったんですか?」
「ん? ああ。最悪だよ」
みのりがそんな俺を見て、そう問いかけてきた。俺はみのりの問いかけに吐き捨てるように返した。
みのりの言う通り、クジ引きの結果はよくなかった。というか、最悪な結果になってしまった。最後まで待っておいて、あんな結果になるとは。一体俺はなんのために最後まで待っていたのだろうか?
まさか『アレ』をよりにもよって俺が引いてしまうとはな。
「でも、みんなでコスプレって、なんだか楽しそう」
「ふふっ、梓さんはよくコスプレしてますしね」
「えっ? えっ、えっーと、あれは勝負服っていいますか、戦闘服っていいますか…」
梓が俺に対してのフォローを入れようとしてくれたが、みのりに茶化され、言葉がしどろもどろになってしまった。なぜみのりはこのタイミングで茶々を入れたのだろうか?
「あれは魔法少女にとっての礼装よ。あれを着ることで魔力量を高めたり魔法の威力を飛躍的に上昇させたりできるのよ。それを『コスプレごとき』なんかと一緒にされるのは不愉快だわ」
「あっ、そうだったんですか」
すると意外にもイーリスちゃんが梓のフォローをしてくれた。若干不機嫌そうにも見えるが、きっと自分達のあの服装をコスプレ扱いされるのが不愉快だったからなのだろう。
「……」
だとしたら、『アレ』を着るのはマズいような気がしてきた。下手したらイーリスちゃんに服ごと燃やされそうだ。
いや、落ち着いて考えてみれば『アレ』といってもデザインが異なれば問題ない、はず。
コスプレ衣装を作るのは家庭科部の人達だ。まさか『アレ』を同じデザインで作り上げるとはとても思えない。アレ?俺今、フラグ立ててない?
「それにしてもお兄ちゃんのコスプレかー。どんなのか楽しみだなー」
「…梓? まさかとは思うけど、学園祭、来るつもり?」
「えっ? うん。せっかくだし」
そんなことを思っていると、梓は話題を学園祭の話に戻してきた。
どうやら梓は学園祭に行く気満々のようだが、正直言って来ないで欲しい。
『アレ』を着るのは百歩、いや千歩譲ったとしても、妹の前で『アレ』を着た姿など、晒せるわけがない。あんな姿を妹に見られたら、兄としての威厳を失う気がする。
とにかく、梓が学園祭に来ないようしてもらうには説得するしか方法はない。
「梓、悪いけど、今年の学園祭は来ないで…」
「絶対、来ないで!!」
「ッ!?」
俺が梓を説得しようとしたそのとき、突然有紗がここぞと言わんばかりに大声をあげた。
あまりの突然の出来事と今まで一言も発さなかったから、思わずその場に居た全員がぽかんとした表情を浮かべ、部屋が一瞬にして静まり返るのだった。
どうやら有紗もクジ運が悪かったようだ。
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