俺の高校生活に平和な日常を
第9章番外編 #12「お大事にーーー!!」
2016/9/18
---「風見先輩、大丈夫ですか?」
「ええ。ごめんなさい、心配かけちゃって」
気がつくと私達はラブホテル で1泊してしまっていた。まあ私が気を失ってしまったせいなんだけど。
外は昨日と打って変わって曇り1つない晴天だった。
昨日の濡れた服は完全にではないが、違和感なく着れるくらいにまでは乾いており、私達はすぐに着替えて部屋を後にした。
「本当にありがとうございました。あと、1泊してしまってすいませんでした」
部屋を出たあと、私達は受付に向かい、部屋の鍵を返すついでに受付のおばさんにお礼の言葉と謝罪の言葉を述べた。本当は数時間ぐらいしかいるつもりはなかったのに、結局1泊してしまったからだ。
「いいのよ気にしないで。随分楽しんでもらえておばさんもホッとしてるわ♡」
「? は、はあ」
すると受付のおばさんは笑顔で意味深な発言を含みながら返してきた。
「それじゃあ、気をつけて帰ってね」
「はい。ありがとうございました」
そんな受付のおばさんは笑顔のまま手を小さく振りながら私達を見送ってくれた。私達はそんなおばさんに軽く一礼して、外に出て行った。
---「佐藤君、今回の件はだれにも言わないでよね!? 特に須川さんには!」
「わかってますよ。さすがにラブホに行ったなんて話、できませんよ」
「それも…そうね」
外に出たあと、私は佐藤君に今回のことを内緒にするよう言うと、佐藤君はすんなりと承諾してくれた。
まあ佐藤君の言う通り、高校生である私達が偶然とはいえラブホテル に入って行ったなんて話をしたら、間違いなく誤解されるだろう。
だから私も今回のことはだれにも話すつもりはない。もちろん花にも話すつもりは…
「ら、乱子、ちゃん?」
「ッ!?」
そう思った矢先だった。横から聞き覚えのある声が聞こえてきた。その瞬間、私の身体中に悪寒が走った。
私は恐る恐る声のした方に視線を向けた。するとそこには花の姿があった。
花は私達を見たあと、私達が出てきたラブホテルを見、そしてまた私達を見ていた。
「…お、お、お、お」
「は、花? ち、違うのこれは…」
見たあと、花は途端に顔を真っ赤にした。完全に勘違いしてしまっているようだ。まあいきなりラブホテル から出て来たらそう思うのは当然かもしれないけど。
とにかく私は誤解を解こうと花にジリジリと歩み寄るが、花は逆に言葉をつっかえさせながらジリジリと後退りしていく。
「お、お大事にーーー!!」
「あっ、ちょっと、花?!」
数歩後退りしたあと、花は踵を返し、そう叫びながら走り去って行った。本当は『お幸せに』と言いたかったのだろうが、パニクってしまって別の労いの言葉をかけてしまったようだ。
「って、速っ!?」
そんな花だったが、アスリートばりのフォームで、しかもアスリートばりにものすごいスピードで駆けていき、あっという間に見えなくなりかねていた。運動はそこそこだったと思うんだけど、一体どこからそんな火事場の馬鹿力が出ているのだろうか?
「ちょっと待ってよ、花ー!?」
「えっ? ちょっと、風見先輩?!」
しかし、このままだとマズイと思った私は唖然とする佐藤君を置いて、花の後を必死に追いかけて行った。
「待ってってばー、はーなーあー!!」
---「風見先輩、大丈夫ですか?」
「ええ。ごめんなさい、心配かけちゃって」
気がつくと私達はラブホテル で1泊してしまっていた。まあ私が気を失ってしまったせいなんだけど。
外は昨日と打って変わって曇り1つない晴天だった。
昨日の濡れた服は完全にではないが、違和感なく着れるくらいにまでは乾いており、私達はすぐに着替えて部屋を後にした。
「本当にありがとうございました。あと、1泊してしまってすいませんでした」
部屋を出たあと、私達は受付に向かい、部屋の鍵を返すついでに受付のおばさんにお礼の言葉と謝罪の言葉を述べた。本当は数時間ぐらいしかいるつもりはなかったのに、結局1泊してしまったからだ。
「いいのよ気にしないで。随分楽しんでもらえておばさんもホッとしてるわ♡」
「? は、はあ」
すると受付のおばさんは笑顔で意味深な発言を含みながら返してきた。
「それじゃあ、気をつけて帰ってね」
「はい。ありがとうございました」
そんな受付のおばさんは笑顔のまま手を小さく振りながら私達を見送ってくれた。私達はそんなおばさんに軽く一礼して、外に出て行った。
---「佐藤君、今回の件はだれにも言わないでよね!? 特に須川さんには!」
「わかってますよ。さすがにラブホに行ったなんて話、できませんよ」
「それも…そうね」
外に出たあと、私は佐藤君に今回のことを内緒にするよう言うと、佐藤君はすんなりと承諾してくれた。
まあ佐藤君の言う通り、高校生である私達が偶然とはいえラブホテル に入って行ったなんて話をしたら、間違いなく誤解されるだろう。
だから私も今回のことはだれにも話すつもりはない。もちろん花にも話すつもりは…
「ら、乱子、ちゃん?」
「ッ!?」
そう思った矢先だった。横から聞き覚えのある声が聞こえてきた。その瞬間、私の身体中に悪寒が走った。
私は恐る恐る声のした方に視線を向けた。するとそこには花の姿があった。
花は私達を見たあと、私達が出てきたラブホテルを見、そしてまた私達を見ていた。
「…お、お、お、お」
「は、花? ち、違うのこれは…」
見たあと、花は途端に顔を真っ赤にした。完全に勘違いしてしまっているようだ。まあいきなりラブホテル から出て来たらそう思うのは当然かもしれないけど。
とにかく私は誤解を解こうと花にジリジリと歩み寄るが、花は逆に言葉をつっかえさせながらジリジリと後退りしていく。
「お、お大事にーーー!!」
「あっ、ちょっと、花?!」
数歩後退りしたあと、花は踵を返し、そう叫びながら走り去って行った。本当は『お幸せに』と言いたかったのだろうが、パニクってしまって別の労いの言葉をかけてしまったようだ。
「って、速っ!?」
そんな花だったが、アスリートばりのフォームで、しかもアスリートばりにものすごいスピードで駆けていき、あっという間に見えなくなりかねていた。運動はそこそこだったと思うんだけど、一体どこからそんな火事場の馬鹿力が出ているのだろうか?
「ちょっと待ってよ、花ー!?」
「えっ? ちょっと、風見先輩?!」
しかし、このままだとマズイと思った私は唖然とする佐藤君を置いて、花の後を必死に追いかけて行った。
「待ってってばー、はーなーあー!!」
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