俺の高校生活に平和な日常を
第9章 #29「みのりVS風見先輩(後編)」
「くっ!?」
みのりがジワジワ迫ってくる一方、風見先輩は立ち尽くし悔しそうな表情を浮かべていた。
追い込まれたからだけではない。みのりの圧があまりにも強すぎるのだ。俺にも伝わってくるほどに。
みのりの表情はキリッとしていて冷静に見えるが、あれはかなり怒っている。
『優しい人ほど怒らせると怖い』なんて言葉があるが、この場合だと『優しい吸血鬼ほど怒らせるとかなり怖い』と言ったところだろうか。
「あなた達は1度ならず2度までも和彦君を襲いました。私はそれがものすごく許せません。あなた達サキュバスにも、私自身にも」
「…みのり」
だがしかし、それは優しいからこそだった。みのりは俺を襲った風見先輩にだけではなく、俺を守れなかった自分自信にも怒っているのだ。
俺なんかのためにそこまで怒ってくれるのは、おそらくみのりだけだろう。
「だから、これ以上あなた達の好き勝手にはさせません!」
「ッ!?」
そんなみのりだったが突然、懐からなにかを取り出した。大きさ的にはボールペンぐらいだろうか。
薄暗くてハッキリ見えないが、白っぽくも銀色っぽくも見えるそれを手にしたままみのりは俺達のところに歩み寄ってくる。
そんなみのりを見て俺は不意に嫌な予感がした。最近やたら嫌な予感が当たっているような気がするが、今回のはシャレにならないやつだ。
「ちょっ、ちょっと待っ…」
「みのり、ダメだ!」
ボールペンサイズのなにかを持ったみのりに風見先輩は震えた声で止めさせようとしていた。俺もみのりを止めようと声をかけた。
みのりが手にしているやつがなんなのかはまだわからないが、おそらくそれで風見先輩を殺す気だ。俺がした嫌な予感とはこれのことだった。
みのりに殺しなんかさせたくない。そう思っているものの、俺にできることなんて声をかけることぐらいしかできない。
「ッ!? あっ…」
「……!?」
しかし、その声はみのりには届かず、あっという間に風見先輩との距離を詰め、風見先輩の首に手に持っていたものをぶっ刺してしまった。
俺の嫌な予感はまたも的中してしまった。今回ばかりは的中して欲しくなかった。
刺された風見先輩は一瞬、小さく呻き声を上げた後、膝から崩れ落ちるように倒れた。
「……」
倒れる風見先輩を見た後、みのりを見ていると、顔に返り血のようなものが付着しており、表情はとても冷たくなっていた。まるでプロの殺し屋のようだ。
みのりを止められなかった。俺は2人を見ながら、後悔の念に苛まれていた。
みのりがジワジワ迫ってくる一方、風見先輩は立ち尽くし悔しそうな表情を浮かべていた。
追い込まれたからだけではない。みのりの圧があまりにも強すぎるのだ。俺にも伝わってくるほどに。
みのりの表情はキリッとしていて冷静に見えるが、あれはかなり怒っている。
『優しい人ほど怒らせると怖い』なんて言葉があるが、この場合だと『優しい吸血鬼ほど怒らせるとかなり怖い』と言ったところだろうか。
「あなた達は1度ならず2度までも和彦君を襲いました。私はそれがものすごく許せません。あなた達サキュバスにも、私自身にも」
「…みのり」
だがしかし、それは優しいからこそだった。みのりは俺を襲った風見先輩にだけではなく、俺を守れなかった自分自信にも怒っているのだ。
俺なんかのためにそこまで怒ってくれるのは、おそらくみのりだけだろう。
「だから、これ以上あなた達の好き勝手にはさせません!」
「ッ!?」
そんなみのりだったが突然、懐からなにかを取り出した。大きさ的にはボールペンぐらいだろうか。
薄暗くてハッキリ見えないが、白っぽくも銀色っぽくも見えるそれを手にしたままみのりは俺達のところに歩み寄ってくる。
そんなみのりを見て俺は不意に嫌な予感がした。最近やたら嫌な予感が当たっているような気がするが、今回のはシャレにならないやつだ。
「ちょっ、ちょっと待っ…」
「みのり、ダメだ!」
ボールペンサイズのなにかを持ったみのりに風見先輩は震えた声で止めさせようとしていた。俺もみのりを止めようと声をかけた。
みのりが手にしているやつがなんなのかはまだわからないが、おそらくそれで風見先輩を殺す気だ。俺がした嫌な予感とはこれのことだった。
みのりに殺しなんかさせたくない。そう思っているものの、俺にできることなんて声をかけることぐらいしかできない。
「ッ!? あっ…」
「……!?」
しかし、その声はみのりには届かず、あっという間に風見先輩との距離を詰め、風見先輩の首に手に持っていたものをぶっ刺してしまった。
俺の嫌な予感はまたも的中してしまった。今回ばかりは的中して欲しくなかった。
刺された風見先輩は一瞬、小さく呻き声を上げた後、膝から崩れ落ちるように倒れた。
「……」
倒れる風見先輩を見た後、みのりを見ていると、顔に返り血のようなものが付着しており、表情はとても冷たくなっていた。まるでプロの殺し屋のようだ。
みのりを止められなかった。俺は2人を見ながら、後悔の念に苛まれていた。
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