俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第9章 #19「淫魔の性事情」

 「風紀委員長さん。あなた、インキュバスとサキュバスの子供だったんですか?!」

 風見先輩の告白にみのりは少し驚いている様子だった。今の発言は驚くところだったのか、俺にはわからなかったが。

 「みのり、それって、そんなに驚くことなのか?」

 気になった俺はみのりに問いかけてみると、みのりは「ええ」と言って頷いた。

 「淫魔が人間と性行為をするのには2つの理由があります。1つは精気を奪うこと。これは前にもお話ししたと思うんですけど」

 「うん。サキュバス達は精気を糧にして生きてるからなんだろ?」

 みのりが言いきる前に俺が答えると、今度はなにも言わずにみのりは頷いた。その話は前にも聞いたことがあったからな。

 「そしてもう1つの理由が、子孫を残すため。インキュバスは人間の女性に悪魔の子を孕ませ、サキュバスのその逆で自ら人間の男性の子を孕むんです」

 「ちょっ、ちょっと待って!?」

 そしてみのりがもう1つの理由を述べるが、そこで1つの疑問が俺の中に生まれていた。

「それって、別に普通の人間じゃなくてもいいんじゃないの? ほら、淫魔同士なら素性とかバレずに済むし、そっちの方が色々と都合がいいんじゃないの?」

 俺はその疑問をみのりに問いかけてみた。わざわざ人間と子作りする必要があるのだろうか? 淫魔同士で子孫を残した方が色々と都合がいいのではないだろうかと思うのだが。

 「いいえ。そう簡単な話ではないんですよ。淫魔は産まれる前から欲求が高い生き物なんです。和彦君、受精ってありますよね?」

 「えっ? ああ、うん」

 するとみのりは急に保健体育の授業を始めた。まさか受精の話になるとは思わなかったな。いちおう言っとくが、バカな俺でも受精ぐらいは知ってるからな。受精とは卵子に精子がくっつくことだ。

 「受精はいわゆるバトルロワイヤルみたいなものです。何億という精子達が1つの卵子に向かっていくんです。その競争倍率は非常に高いんです」

 「うん。それはわかったんだけど、結局その話とさっきの話はどう繋がるんだ?」

 みのりの授業を聞いている俺は再び疑問を問いかけた。淫魔同士で子孫を残さない理由とどんな関係があるのだろうか?

 「普通の人間の場合はただ競争するだけなんですけど、淫魔の場合は違うんです」

 するとみのりは俺の問いかけにそう返した。なにが違うのだろうか?

 「サキュバスの卵子は精子達を誘惑し、インキュバスの精子達は1つの卵子と1つになるために殺し合うんですよ」

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