俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第9章 #9「その日の夕飯時」

 ---「コスプレ喫茶ですか? なんかおもしろそうですね」

 「そうですね。やるからにはうんと楽しいものにしないといけませんね」

 その日の夕飯時、なぜかみのりが当然のように参加していた。無論、みのりは今日のLHRで話し合った、クラスの出し物のことを話題に上げていた。

 「学園祭かー。いいなー。ウチの中学にもそういうのあったらいいのに」

 「ふふっ、あと1年すれば梓さんも作る側で参加できますから。今年はお客さんとして参加してきてください」

 その話を梓はうらやましそうに聞いていた。俺からすればなにがうらやましいのかわからないのだが。むしろこれから恥ずかしい思いをしなければならないかと思うとおっくうになりそうなんだけど。

 「っていうか、くじ引きで決めるってマジなの?」

 「はい、そうですよ。その方がおもしろそうじゃないですか! だれがどのコスプレをするのかはくじの結果次第、なかなかおもしろい発想だと思うんですけど」

 俺は念のため、みのりにあの提案が本気なのかどうか問いかけてみたが、みのりはニコニコ微笑みながら即答で返してきた。まあわかりきってたことなんだけどな。それにしてもなかなかヒドいこと思いつくもんだな、みのりのやつ。

 「安心してください。制服やジャージだって言いようによればコスプレですし、その辺も考慮しときますよ」

 「いや、そういう問題じゃないんだけど…」

 いちおうフォローを入れてくるみのりだが、制服もジャージもコスプレの部類に入るとか言われたが、そういう問題ではない気がする。

 「あっ、それとも和彦君は梓さんみたいな魔法少女の衣装の方が…」

 「なんでだよ!?」

 「ッ!? お兄ちゃんと、おそろい…」

 俺がそういうとみのりはいいこと思いついたと言わんばかりにとんでもないことを言ってきた。

 なんで俺がピンクのフリル付きワンピースを着なきゃならないんだ。そしてなぜか梓は恥ずかしそうに頰を赤らめながらボソリとなにか呟いた。恥ずかしい思いをするのは俺の方なんだが。

 「そういえば夏目さんにお話しがあるんですけど」

 「…なによ」

 そんなことを思っているとみのりは話題を変えようと有紗に話しかけてきた。有紗は不機嫌そうな態度をとっているけどな。話しかけられただけでそんなに不機嫌にならなくてもいいと思うんだが。

 覚えていないのかもしれないが、いちおうみのりはおまえにとって命の恩人なんだぞ。

 「もしよかったらなんですけど、『ミスコン』に出てみませんか?」

 みのりは有紗に微笑みながらそう言ってきたのだった。

コメント

コメントを書く

「コメディー」の人気作品

書籍化作品