俺の高校生活に平和な日常を
第9章 #1「綴さんのおもてなし」
2016/9/3
---「ここが綴さんっ家かー」
綴さんの一件の翌日、俺と有紗は一軒家の前まで来ていた。どうやらここが綴さんの家らしい。まわりの住宅を見るとまたここは新しめな家のようだ。
なぜ俺達が綴さんの家の前にいるかというと、綴さんから招待されたからだ。
あの後、綴さんから『後日、お礼をさせて欲しい』と言われたのだ。別にお礼を言われるほどのことはしていないのだが、どうしてもと言われ、せっかくの綴さんの好意をそこまで無下に断る理由もなかったため、受けることにした。
綴さんって律儀というか変に真面目なところがあるよな。
「なにボサッとしてるのよ。早く押しなさいよ」
「あっ、うん」
そんなことを思い出していると、有紗がムスッとした表情で俺を急かしてきた。俺は言われるがままにインターホンを鳴らした。別にそんなに急かさなくてもいいだろ。
ピンホーン
すると家のチャイムの音が外にいる俺達にもハッキリと聞こえてきた。
『どちらさまっスか?!』
チャイムが鳴り終わって数秒後、インターホンから男の声が聞こえてきた。この言い方はほぼ間違いなく司君だろう。
「あっ、司君? 俺、和彦だけど。有紗も一緒だよ」
『おお、和彦っスか!? 門とドアの鍵は開けてあるから、入って来ていいっスよ!』
俺はインターホン越しに返事を返すと、司君は嬉しそうな声をあげ、自分達から入って来るように促した。
「じゃ、じゃあ、おじゃましまーす」
俺は司君に言われた通り、門を開け入って行った。有紗は俺の後に続いてきた。
そして俺達は玄関の方まで来ると、おもむろに玄関のドアを開けた。
「綴さん? 約束通り来た…ッ!?」
ひと声かけながら家の中に入ろうとすると、玄関のところで俺達は驚愕させられた。
「お、おかえりなさいませ、ご、ご主人様、お嬢さま」
「…つ、綴、さん?!」
「……」
あまりにも驚愕して有紗が言葉を失っていた。むしろ若干引いてる気がする。
家の中に入ると、そこにはメイド服姿の綴さんが正座しながらきれいに一礼していたのだ。
「綴さん? なに、してるの?」
「こ、これは、おもてなしするための衣装というか、い、いえ、普段はこんな格好はしてないんですけど、今回は、特別、というかなんというか…」
俺がいちおう問いかけてみると、綴さんは恥ずかしそうに頰を赤らめながらしどろもどろに返してきた。なんだか綴さんが可愛くみえてきた。メイド服姿もかなり様になってるしな。
「と、とりあえず、中にどうぞ」
「あっ、うん。おじゃまするけど…」
「な、なにか?」
綴さんは正座したまま中に入るよう促してきたのだが、俺はどうしても気になってしまい、再び綴さんに問いかけてみることにした。
「綴さんさ、いつまで正座してるの?」
「ッ!? そ、それは…」
俺達が中に入ろうとしても綴さんはずっと正座したままなのだ。なんで動かないのだろう?
すると綴さんはまた恥ずかしそうに頰を赤らめている。なにか言いにくそうな雰囲気を出しているが。
「ずっ、ずっとこの状態で待機していたもので、その、足が痺れて、動けなくなってしまって…」
「…へっ?」
しかし綴さんはしどろもどろになりながらも正座したままでいる理由を話してくれた、のだが、ずっと正座で待機? ついさっきしてたんじゃないの?
よく見ると、綴さんの身体が若干プルプル震えている気がする。いや、震えていた。
「……」
理由を話すと綴さんの頰がさらに赤くり、若干涙目になっていた。失礼かもしれないが、その様子がめちゃくちゃ可愛く見えた。
結局、俺と有紗は綴さんを立たせてあげるのを手伝ってあげることにしたのだった。
---「ここが綴さんっ家かー」
綴さんの一件の翌日、俺と有紗は一軒家の前まで来ていた。どうやらここが綴さんの家らしい。まわりの住宅を見るとまたここは新しめな家のようだ。
なぜ俺達が綴さんの家の前にいるかというと、綴さんから招待されたからだ。
あの後、綴さんから『後日、お礼をさせて欲しい』と言われたのだ。別にお礼を言われるほどのことはしていないのだが、どうしてもと言われ、せっかくの綴さんの好意をそこまで無下に断る理由もなかったため、受けることにした。
綴さんって律儀というか変に真面目なところがあるよな。
「なにボサッとしてるのよ。早く押しなさいよ」
「あっ、うん」
そんなことを思い出していると、有紗がムスッとした表情で俺を急かしてきた。俺は言われるがままにインターホンを鳴らした。別にそんなに急かさなくてもいいだろ。
ピンホーン
すると家のチャイムの音が外にいる俺達にもハッキリと聞こえてきた。
『どちらさまっスか?!』
チャイムが鳴り終わって数秒後、インターホンから男の声が聞こえてきた。この言い方はほぼ間違いなく司君だろう。
「あっ、司君? 俺、和彦だけど。有紗も一緒だよ」
『おお、和彦っスか!? 門とドアの鍵は開けてあるから、入って来ていいっスよ!』
俺はインターホン越しに返事を返すと、司君は嬉しそうな声をあげ、自分達から入って来るように促した。
「じゃ、じゃあ、おじゃましまーす」
俺は司君に言われた通り、門を開け入って行った。有紗は俺の後に続いてきた。
そして俺達は玄関の方まで来ると、おもむろに玄関のドアを開けた。
「綴さん? 約束通り来た…ッ!?」
ひと声かけながら家の中に入ろうとすると、玄関のところで俺達は驚愕させられた。
「お、おかえりなさいませ、ご、ご主人様、お嬢さま」
「…つ、綴、さん?!」
「……」
あまりにも驚愕して有紗が言葉を失っていた。むしろ若干引いてる気がする。
家の中に入ると、そこにはメイド服姿の綴さんが正座しながらきれいに一礼していたのだ。
「綴さん? なに、してるの?」
「こ、これは、おもてなしするための衣装というか、い、いえ、普段はこんな格好はしてないんですけど、今回は、特別、というかなんというか…」
俺がいちおう問いかけてみると、綴さんは恥ずかしそうに頰を赤らめながらしどろもどろに返してきた。なんだか綴さんが可愛くみえてきた。メイド服姿もかなり様になってるしな。
「と、とりあえず、中にどうぞ」
「あっ、うん。おじゃまするけど…」
「な、なにか?」
綴さんは正座したまま中に入るよう促してきたのだが、俺はどうしても気になってしまい、再び綴さんに問いかけてみることにした。
「綴さんさ、いつまで正座してるの?」
「ッ!? そ、それは…」
俺達が中に入ろうとしても綴さんはずっと正座したままなのだ。なんで動かないのだろう?
すると綴さんはまた恥ずかしそうに頰を赤らめている。なにか言いにくそうな雰囲気を出しているが。
「ずっ、ずっとこの状態で待機していたもので、その、足が痺れて、動けなくなってしまって…」
「…へっ?」
しかし綴さんはしどろもどろになりながらも正座したままでいる理由を話してくれた、のだが、ずっと正座で待機? ついさっきしてたんじゃないの?
よく見ると、綴さんの身体が若干プルプル震えている気がする。いや、震えていた。
「……」
理由を話すと綴さんの頰がさらに赤くり、若干涙目になっていた。失礼かもしれないが、その様子がめちゃくちゃ可愛く見えた。
結局、俺と有紗は綴さんを立たせてあげるのを手伝ってあげることにしたのだった。
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