俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第7章番外編 #10「深まる謎」

 ---「それと俺とイーリスちゃんだけなんでタイムループが解けたんだ? それもよくわからないんだよな。気づいたのは3回目ぐらいからだし。イーリスちゃんはいつ頃から気づいてたの?」

 「‥…」

 私はこいつの問いかけに答えを渋っていた。

 今回の件の首謀者であるルイス・スコットフィールドをなんとか撃退したのはいいが、私も含めて色々疑問に残るような結果になった。まあこいつの疑問は放っておくとして。

 ---『そう。あの方、ミージュラ・ヴァーミリオンからですよ! 『魔女っ子殺し』のイーリスさん!!』

 家に帰った私はふとルイスあの男の言葉を思い返していた。ミージュラ・ヴァーミリオン、現在の魔女界でトップに君臨するあの魔女が魔術師と手を組んだ? いくら娘の復讐のためとはいえ、そこまでするなんて。

 そしてあの男が世界中から魔力を吸収していた理由も気になる。魔術師はものに魔力を通して魔術を行使する。ものによって容量キャパが決まっているから、魔術師が魔力を増やしてもあまり意味がない。

 だとすると、なんのために魔力を集めているのか。

 「…まさか」

 そんなことを考えているとふと嫌な予感が脳裏をよぎった。まさかミージュラが? 可能性は大だが、それにしても一体あの魔女は何を考えているの?

 「……」

 ミージュラは魔女の中でも謎が多すぎる。ラスカーを飼っていたり魔力を集めたり、不可解な行動ばかりしている。大抵そういう考えを持ったやつはさらに理解し得ないようなとんでもないことを考えている。

 「今後のミージュラの行動には気をつけた方がよさそうね」

 そう思った私は今後の対策を練ろうとしていた。

 「…と思ったけど、今日はもう寝た方がよさそうね。まだなにが起こるかわからないしね」

 練ろうとしていた矢先、突然睡魔に襲われた。時間を確認すると、もう大分遅くなっていた。そういえばまだ寝てなかったわね。

 それにまだミージュラの目的がはっきりしない以上、今後どう動いてくるのか検討もつかない。今考えていても解決策は見出せないだろうし、なにより今日の昼は梓の家に行かなければいけない。早く寝なきゃ。

 「……」

 これでようやくいつもの日常が戻ってくるはず。けれど今後、今回の件以上の困難が待ち受けているかもしれない。けど、私なら、いや私『達』なら乗り越えられる、そんな気がしていた。

 そんなことをふと思いながら私は眠りについた。今日はいつも以上に疲れたからあっという間にノンレム睡眠に陥った。

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