俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第7章 #20「ルイスさんの目的」

 「魔女が魔術師と手を組んだってこと!? ありえない!?」

 するとイーリスちゃんの様子がおかしくなっていることに気がついた。イーリスちゃんの今の口調から怒りを感じた。一体、今の話のどこに怒るポイントがあったのだろうか?

 「ええ。魔女と魔術師は相いれないもの。魔女は自分達の方が優れているから他の連中を見下していましたからね。私も最初は信じられませんでした」

 そんなイーリスちゃんの様子とは裏腹にルイスさんの口調は穏やかだった。

 「しかしそうなったのもあなたのせいなんですよ。『魔女っ子殺し』のイーリスさん」

 「私のせい、ですって?」

 ルイスさんがそういうとイーリスちゃんは眉間にしわを寄せていた。それについては理解できていなかったようだ。

 しかし俺が気になったのはルイスさんがイーリスちゃんの名前を言うとき、『魔女っ子殺し』と付け加えていうのだ。むしろそこを強調して言ってくる。イーリスちゃんが殺し? しかも同じ魔女っ子を? 何も事情を知らない俺からすればそっちの方が信じられなかった。

 「ハッキリ申しますと、あの方は大変お怒りになられている。あの方は今、どんな手を使ってもあなたを殺そうとしてきています。復讐のためにね」

 「ッ!?」

 「なっ!? イーリスちゃんを、殺す?!」

 なんの話をしているのかわからないが、今回の件はイーリスちゃん絡みだということは理解できた。

 しかし一体なぜイーリスちゃんを? ミージュラとかいう人は何を考えているのか? さっきのイーリスちゃんが魔女っ子を殺したとかいう話と繋がっているのだろうか?

 「そんなことのためだけに世界中の人から魔力を吸い上げるの?! バカげてる!?」

 するとイーリスちゃんはルイスさんに噛み付いてきた。たしかにたった1人の女の子を殺すために世界中の人から魔力を奪うというのはおかしい。

 「おや? あなた達は少し勘違いをしているようですね。世界中から魔力を吸収するのは別の目的があるからでしょう」

 「別の目的?」

 「はい! 私にはわかりませんが、別の目的があるということだけはハッキリと言えます」

 「? なんでそう言いきれる? イーリスちゃんに復讐するためっていう可能性だってあるんじゃないんですか?」

 さっきからルイスさんの発言に妙な違和感を感じ俺からミージュラとかいう人は別の目的で魔力を集めていると言うが、なぜルイスさんはハッキリとそう言えるのだろうか? 別の目的については何も知らないようだが。

 「それはありえないですね。なぜなら私にも別の目的があるからです。それは、イーリスさん。私があなたを殺すからです!」

コメント

コメントを書く

「コメディー」の人気作品

書籍化作品