俺の高校生活に平和な日常を
第6章 #32「飛行魔法で」
---「…スゲーくれーな」
山道を歩く俺と梓だったが、時間も時間の為、かなり道が暗くなっていた。
「ごめんねお兄ちゃん。光りの魔法で照らしたいところだけど、見つかっちゃったら大変だから」
「いや、いいよ。道は一本だけだし、道沿いに歩いて行けば着くんだろ?」
梓は申し訳なさそうに言ったが、仕方のないことだと理解していた。まだ目的地まで少しあるし、その間に見つかるのは色々とマズイ。
「うん。あっ、お兄ちゃん、あそこだよ!」
俺の問いかけに返してくれた梓は山の頂上付近を指差した。
俺は促されるように梓が指差す方を見ると、そこには体育館のような大きな建物が見えてきた。
「…あそこか」
俺はその建物も見てぼそりと呟いた。あの建物に有紗やみのり、他の女性達が監禁されているのか。そうとわかればすぐにでも助け出さなくては。
「私が見た限りだと入り口は2つだったの。前にトラックが出入りできるぐらいの大きい門があって、建物の後ろに勝手口みたいたところが1つあったの」
梓は自分の知りうる限りの情報を俺に開示してくれた。なるほど。車が出入りできる用の搬入口と関係者以外立ち入り禁止の勝手口といったところか。
「窓もあるみたいだけど、建物の上にしかないみたい。私が飛行魔法で上からしか見てないから見落としてるところがあるかもしれないけど」
どうやら梓は上空から見た情報しか持っていなかったようだ。まあおそらく窓はそこにしかないだろう。
「なあ梓。その飛行魔法で窓のあるところまで行くことってできるか? あとその魔法で2人飛ばすことってできるか?」
「えっ?」
俺は梓に確認したいことがあり、梓に問いかけると梓は俺の言いたいことが理解できていないのか、少し戸惑っていた。
「えっと、うん。多分大丈夫だと思う。見張りの人が上を見てなければ簡単に行けるよ。あと、私に掴まっていれば1人ぐらいなら大丈夫。けどお兄ちゃん、どうするの?」
少し戸惑いながらも返してくれた梓は、俺に疑問を投げかけてきた。
「とりあえず中の様子を見たい。だから梓にそこまで連れって欲しいんだ!」
「そっか。うん、わかった! じゃあお兄ちゃん、私に掴まって!」
俺がそう説明すると梓はすぐに納得してくれた。そして理解した梓はすぐに向かえるように自分に掴まるよう俺に促した。
「えっと…、これでいいか?」
「ッ!?」
俺はどこに掴まれはいいかわからず、とりあえず梓を後ろから抱きしめるように両手を腰に回した。こうしておけばとりあえず振り落とされる心配はないだろう。そういえばこんなこと前にもあったような気がするな。
それにしても梓のウエストってけっこう細いんだな。一周回しても手が少し余ってしまうほどだ。
「……」
「? 梓?」
俺がふとそんなことを思う中、なぜか梓は俯いていた。俺が呼びかけても返事どころか顔も上げてくれない。集中しているのだろうか?
「そそそそれじゃあ、おおお兄ちゃん! いいい行くよ?!」
「? お、おう」
その矢先だった。梓はバッと顔を上げ俺に声をかけてきた。しかしなぜか声がつっかえていた。顔もどこか赤くなっている気がする。それほどまでに他の人を飛ばすということが難しいのだろうか? だとしたら梓には申し訳ないことをしたな。
---しかし飛行魔法は上手くいき、振り落とされることも見張りに見つかることもなく、無事目的の場所へとたどり着くのだった。
山道を歩く俺と梓だったが、時間も時間の為、かなり道が暗くなっていた。
「ごめんねお兄ちゃん。光りの魔法で照らしたいところだけど、見つかっちゃったら大変だから」
「いや、いいよ。道は一本だけだし、道沿いに歩いて行けば着くんだろ?」
梓は申し訳なさそうに言ったが、仕方のないことだと理解していた。まだ目的地まで少しあるし、その間に見つかるのは色々とマズイ。
「うん。あっ、お兄ちゃん、あそこだよ!」
俺の問いかけに返してくれた梓は山の頂上付近を指差した。
俺は促されるように梓が指差す方を見ると、そこには体育館のような大きな建物が見えてきた。
「…あそこか」
俺はその建物も見てぼそりと呟いた。あの建物に有紗やみのり、他の女性達が監禁されているのか。そうとわかればすぐにでも助け出さなくては。
「私が見た限りだと入り口は2つだったの。前にトラックが出入りできるぐらいの大きい門があって、建物の後ろに勝手口みたいたところが1つあったの」
梓は自分の知りうる限りの情報を俺に開示してくれた。なるほど。車が出入りできる用の搬入口と関係者以外立ち入り禁止の勝手口といったところか。
「窓もあるみたいだけど、建物の上にしかないみたい。私が飛行魔法で上からしか見てないから見落としてるところがあるかもしれないけど」
どうやら梓は上空から見た情報しか持っていなかったようだ。まあおそらく窓はそこにしかないだろう。
「なあ梓。その飛行魔法で窓のあるところまで行くことってできるか? あとその魔法で2人飛ばすことってできるか?」
「えっ?」
俺は梓に確認したいことがあり、梓に問いかけると梓は俺の言いたいことが理解できていないのか、少し戸惑っていた。
「えっと、うん。多分大丈夫だと思う。見張りの人が上を見てなければ簡単に行けるよ。あと、私に掴まっていれば1人ぐらいなら大丈夫。けどお兄ちゃん、どうするの?」
少し戸惑いながらも返してくれた梓は、俺に疑問を投げかけてきた。
「とりあえず中の様子を見たい。だから梓にそこまで連れって欲しいんだ!」
「そっか。うん、わかった! じゃあお兄ちゃん、私に掴まって!」
俺がそう説明すると梓はすぐに納得してくれた。そして理解した梓はすぐに向かえるように自分に掴まるよう俺に促した。
「えっと…、これでいいか?」
「ッ!?」
俺はどこに掴まれはいいかわからず、とりあえず梓を後ろから抱きしめるように両手を腰に回した。こうしておけばとりあえず振り落とされる心配はないだろう。そういえばこんなこと前にもあったような気がするな。
それにしても梓のウエストってけっこう細いんだな。一周回しても手が少し余ってしまうほどだ。
「……」
「? 梓?」
俺がふとそんなことを思う中、なぜか梓は俯いていた。俺が呼びかけても返事どころか顔も上げてくれない。集中しているのだろうか?
「そそそそれじゃあ、おおお兄ちゃん! いいい行くよ?!」
「? お、おう」
その矢先だった。梓はバッと顔を上げ俺に声をかけてきた。しかしなぜか声がつっかえていた。顔もどこか赤くなっている気がする。それほどまでに他の人を飛ばすということが難しいのだろうか? だとしたら梓には申し訳ないことをしたな。
---しかし飛行魔法は上手くいき、振り落とされることも見張りに見つかることもなく、無事目的の場所へとたどり着くのだった。
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