俺の高校生活に平和な日常を
第6章 #15「この島に来たわけ」
---「あー、美味かったー!」
「そうですね。私、こんなに美味しい料理を食べたのは久しぶりかもしれません」
「イーリスちゃん、ほっぺたに米粒付いてるよ」
「んっ」
「……」
俺達は荷物を部屋に降ろした後、夜まで各々自由に過ごしていた。といっても、移動で疲れていたから部屋からは出ず、談笑したり仮眠とったりして過ごしていたのだが。
19時ごろになると従業員の方が夕飯の準備が終わったという報告をしに来たので、俺達はすぐに夕飯をとることにした。
ここの民宿は一食付きなのだが、思ってた以上に豪勢な食事だった。1人分だけでも10品以上の料理が並べられ、長テーブルはほぼほぼ料理皿で埋め尽くされた。
そんな豪勢な食事を箸でつつきながら俺達は談笑していた。こんなに楽しい食事をするのも久しぶりな気がした。
そして食事を終えた今、俺達はゆっくりとくつろいでいた。まあ腹いっぱいになって動けなくなっただけだけどな。
「そういえばみのり、ずっと気になってたんだけど…」
「はい?」
そんな時、俺はずっと気になっていたことをみのりに問いかけてみることにした。みのりは急に呼ばれて目を丸くしていた。
「いやさ、なんでこの島にしたのかなと思ってさ。わざわざここにしたのって、なんか理由あんの?」
ずっと気になっていたこと、それはこの島に来た理由である。たしかに海は綺麗だし、夏休みを利用して俺達みたいな学生が遠出するにはちょうどいい場所なのだろう。
しかし俺は相田さんとみのりのやりとりで気になるワードがあった。
相田さんが『アレの噂』と言っていた。どうやらこの島にはとある噂があり、それを目当てに来る人が多いそうだ。みのりもそれ目当てでこの島を選んだようだが。その噂とやらがどうしても気になり、みのりに問いかけてみたのだ。
「実はこの島にはある噂があるんですけど、まずこの島『愛ヶ咲島』という名前になったか知ってますか?」
「?」
しかしみのりは俺の疑問に答える前に、逆に問い返してきた。この島の名前の由来。すぐには思いつかず俺は首を傾げた。
「この島には不思議な力があるそうで」
「不思議な力って、ひょっとしてパワースポットとか?」
「パワースポット、そうですね。そういう言い方も出来ますね」
どうやらみのりはそのパワースポットが目当てでこの島を選んだらしい。女の子とかなら好きそうな話だからちょっと納得したかも。
「へー、どんなパワースポットなんですか?」
みのりの話を聞いてイーリスちゃんの世話をしていた梓が興味津々そうに話に入ってきた。やはりこの手の話は女の子には好評のようだ。あとイーリスちゃん、梓にどんだけ甘えてんだ?
「実はこの島、恋愛を成就させるという力があるみたいなんです!」
「恋愛を成就?!」
みのりがそう言うとこの島に来た理由がようやくわかってきた。なるほど。女の子なら好きそうなスポットだな。
今思い返してみると、他の観光客の多くは俺達とそんなに年が違わない女の子達だった。中にはカップルらしき人達もいたな。
「そしてこの島には毎年行われるお祭りに参加すると、好きな人と結ばれるという言い伝えがあるみたいなんですよ!」
「祭り?!」
みのりから祭りと聞かされ俺は思わず聞き返してしまった。それじゃあパワースポットというより、パワーフェスティバルだな。略してパワフェスか。
「そのお祭りが、明日の夜からなので、明日は夕飯を早めにとってお祭りに参加したいのですが、よろしいですか?」
みのりはその祭りに参加する為、俺達に夕飯の時間を早めることを提案してきた。俺は特に問題なかったから二つ返事で了承すると梓達も黙って首を縦に振った。みんな問題なさそうだ。
「では決まりですね! じゃあ私が従業員さんに話しておきますね!」
みのりはみんなの了承するのを確認するとパンと小さく手を鳴らすと、すぐさま立ち上がり、従業員にそのことを伝えるべく、部屋を出て行った。
「みのりさん、楽しそうだね」
「ああ、そうみたいだな」
みのりが部屋を出て行くと、梓がぼそりと呟いたから俺は愛想笑いをして返した。たしかにみのりは楽しそうだ。
「それにしてもみのりさん、ひょっとして…」
「ん? 梓、どうかしたのか?」
しかし梓はどこか気まずそうな表情を浮かべていた。急にどうしたんだ?
「みのりさんって、好きな人いるのかな?」
「…ああ…」
それを聞いて俺も途端に気まずくなった。
「そうですね。私、こんなに美味しい料理を食べたのは久しぶりかもしれません」
「イーリスちゃん、ほっぺたに米粒付いてるよ」
「んっ」
「……」
俺達は荷物を部屋に降ろした後、夜まで各々自由に過ごしていた。といっても、移動で疲れていたから部屋からは出ず、談笑したり仮眠とったりして過ごしていたのだが。
19時ごろになると従業員の方が夕飯の準備が終わったという報告をしに来たので、俺達はすぐに夕飯をとることにした。
ここの民宿は一食付きなのだが、思ってた以上に豪勢な食事だった。1人分だけでも10品以上の料理が並べられ、長テーブルはほぼほぼ料理皿で埋め尽くされた。
そんな豪勢な食事を箸でつつきながら俺達は談笑していた。こんなに楽しい食事をするのも久しぶりな気がした。
そして食事を終えた今、俺達はゆっくりとくつろいでいた。まあ腹いっぱいになって動けなくなっただけだけどな。
「そういえばみのり、ずっと気になってたんだけど…」
「はい?」
そんな時、俺はずっと気になっていたことをみのりに問いかけてみることにした。みのりは急に呼ばれて目を丸くしていた。
「いやさ、なんでこの島にしたのかなと思ってさ。わざわざここにしたのって、なんか理由あんの?」
ずっと気になっていたこと、それはこの島に来た理由である。たしかに海は綺麗だし、夏休みを利用して俺達みたいな学生が遠出するにはちょうどいい場所なのだろう。
しかし俺は相田さんとみのりのやりとりで気になるワードがあった。
相田さんが『アレの噂』と言っていた。どうやらこの島にはとある噂があり、それを目当てに来る人が多いそうだ。みのりもそれ目当てでこの島を選んだようだが。その噂とやらがどうしても気になり、みのりに問いかけてみたのだ。
「実はこの島にはある噂があるんですけど、まずこの島『愛ヶ咲島』という名前になったか知ってますか?」
「?」
しかしみのりは俺の疑問に答える前に、逆に問い返してきた。この島の名前の由来。すぐには思いつかず俺は首を傾げた。
「この島には不思議な力があるそうで」
「不思議な力って、ひょっとしてパワースポットとか?」
「パワースポット、そうですね。そういう言い方も出来ますね」
どうやらみのりはそのパワースポットが目当てでこの島を選んだらしい。女の子とかなら好きそうな話だからちょっと納得したかも。
「へー、どんなパワースポットなんですか?」
みのりの話を聞いてイーリスちゃんの世話をしていた梓が興味津々そうに話に入ってきた。やはりこの手の話は女の子には好評のようだ。あとイーリスちゃん、梓にどんだけ甘えてんだ?
「実はこの島、恋愛を成就させるという力があるみたいなんです!」
「恋愛を成就?!」
みのりがそう言うとこの島に来た理由がようやくわかってきた。なるほど。女の子なら好きそうなスポットだな。
今思い返してみると、他の観光客の多くは俺達とそんなに年が違わない女の子達だった。中にはカップルらしき人達もいたな。
「そしてこの島には毎年行われるお祭りに参加すると、好きな人と結ばれるという言い伝えがあるみたいなんですよ!」
「祭り?!」
みのりから祭りと聞かされ俺は思わず聞き返してしまった。それじゃあパワースポットというより、パワーフェスティバルだな。略してパワフェスか。
「そのお祭りが、明日の夜からなので、明日は夕飯を早めにとってお祭りに参加したいのですが、よろしいですか?」
みのりはその祭りに参加する為、俺達に夕飯の時間を早めることを提案してきた。俺は特に問題なかったから二つ返事で了承すると梓達も黙って首を縦に振った。みんな問題なさそうだ。
「では決まりですね! じゃあ私が従業員さんに話しておきますね!」
みのりはみんなの了承するのを確認するとパンと小さく手を鳴らすと、すぐさま立ち上がり、従業員にそのことを伝えるべく、部屋を出て行った。
「みのりさん、楽しそうだね」
「ああ、そうみたいだな」
みのりが部屋を出て行くと、梓がぼそりと呟いたから俺は愛想笑いをして返した。たしかにみのりは楽しそうだ。
「それにしてもみのりさん、ひょっとして…」
「ん? 梓、どうかしたのか?」
しかし梓はどこか気まずそうな表情を浮かべていた。急にどうしたんだ?
「みのりさんって、好きな人いるのかな?」
「…ああ…」
それを聞いて俺も途端に気まずくなった。
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