俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第5章番外編 #8「私の気持ち」

 ---そう決心した私は、先生が勧めてくださった高校ではなく地元の高校に通うことになりました。本当に先生には申し訳ない気持ちはありましたが、私が生きるためには彼が必要だったのです。

 しかし父と色々もめてしまい、一人暮らしをすることになりました。母がいる実家を出るのは少し寂しさを感じましたが、たまに連絡を取ったりはするので、今はそこまで感じなくなりましたが。

 「よし! 今度こそ…」

 そんな私ですが、同じ過ちを犯さないために密かに自分を鼓舞しました。

 運がいいことに、高校では同じクラスになることが出来ました。これは1つ上の先輩から聞いた話ですが、高校生になると人間関係が一変して中学であんまり仲良くなれなかった人とも仲良くなったりすることもあるみたいです。

 つまり、高校生になった私も彼と仲良くなるチャンスがあるはずです。まあ糧にするためなのであくまでもフリですけどね。

 ---するとチャンスは思いのほか早くきてしまいました。しかもその場所が中学の時と同じ図書室。ちょっとだけ運命的なものを感じるのも仕方ないと思いました。

 しかし思い通りにいかないものだと改めて思い知らされました。

 彼に近づきおびき出すところまではよかったのですが、彼女、夏目さんが最大の障害になって現れたのです。

 その上、彼に正体がバレてしまいました。おまけに私の熱弁を無視されてしまう始末。

 私はくじけてしまいそうになりました。彼に近づくために色々と努力してきたのに、それが今、水の泡になりかけていました。

 そう思った私は思わず彼に電話をかけ一言何か言ってやろうと思いました。何を言うかは考えてはいませんでしたが、このやるせなさを彼にぶつけたくて仕方なかったのです。

 それに他の人に正体をバラされるのはマズイですし、ダメ元で黙ってもらえるようにお願いすることにしました。

 『だって友達だろう?』

 「……」

 しかしそんなやるせなさは彼の一言で吹っ切れていました。

 私は彼を糧にするために近づいたというのに、そんな私を彼は『友達』だと言って受け入れてくれました。

 ---それからというものの彼に対する気持ちが変化していました。

 ただ糧にするだけのために近づいたはずだったのに、今は純粋に一緒に居たいと思うようになりました。

 この前、彼と私の自宅で遊んでいた時、すごい楽しかったという気持ちと同時に彼とずっと一緒に居たいという気持ちが強くなっていました。

 その時、私は気がついてしまっていました。今の私は彼のことを…

 「私、和彦君のことが…」

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