俺の高校生活に平和な日常を
第5章 #15「名探偵アリサの事件簿(後編)」
「? スマホ?」
有紗が懐から取り出したのは一台のスマホだった。有紗が普段から使っているごく普通のスマホのようだが、そのスマホに何があるというのだろうか?
「この声、聞き覚えないかしら?」
有紗はそう言いながらスマホを素早く操作し出した。有紗の言い方からして何かを録音していたようだが。
『ふふふっ♡ これで6人目かしら?』
「?!」 「?!」
すると有紗が再生した音声に聞き覚えのある声が聞こえてきた。っていうか、この声ってまさか…
『藤波君ってば、見かけによらず強引なんだから♡』
間違いなく目の前にいる由佳さんの声だった。藤波君って、さっき有紗が言っていた前に住んでいた隣人さんのことだろうか?
『でもおかげでこんなに精気がしぼり取れたわ♡ 彼には感謝しないとね』
声のトーンからしてかなり上機嫌のようだったが、それがかなり不気味に感じた。
『まあもう死んじゃったけどね、ふふふっ♡』
そして再生された音声から決定的な証言が出てきた。由佳さんはたしかに『死んじゃった』と言っている。聞き間違いようがない。
「……」
それを聞いて由佳さんは俯いたまま黙り始めた。どうやら本人にも心当たりがあるようだ。
「どお? 私のスマホ、改造して盗聴機能が付いてあるの。これで隣の部屋のあんたの声を盗み聞きさせてもらったのよ」
有紗は録音した音声を一時停止し自慢気に暴露してきた。スマホに盗聴機能を付けるとはなんと恐ろしい子。俺の部屋も盗聴されているのではと考えるとより恐ろしい。今後、自分の部屋でも迂闊に変なことは言えんな。
「あんたは自分で藤波が死んだと言ったわ。この続きでもあんたは自分の犯罪を語ってる。それと次のターゲットがこいつであることもね。覚えがあるんじゃないの?」
そして有紗は由佳さんに問い詰めてくる。しかし由佳さんは俯いたまま何も喋ろうとしない。最早、認めているようなものだ。
「…ふふふっ…」
だが、暫くした後、由佳さんは俯いたまま突然、笑い始めた。よくドラマとかでみる追い込まれて可笑しくなってしまったのだろうか?
「まさか、こんな可愛いらしい女の子に見つかってしまうなんてね。けど、残念」
「?!」
そう思っていた矢先だった。由佳さんは不敵な笑みを浮かべると突然、目の前から姿を消した。いや、消えたというより暗闇に同化したように見えた。
そして元々暗かった部屋がより一層暗くなっていく。足元どころか俺を担いでいる有紗の姿もよく見えない。
だが、暫くすると目が慣れてきて有紗の姿を確認できる程度には見えるようになった。
しかし、有紗の様子がどこかおかしい。息づかいが少し荒くなっているような気がする。さっきまで全然普通だったのに。
「ふふふっ♡ あなた達はここで終わりよ!」
有紗が懐から取り出したのは一台のスマホだった。有紗が普段から使っているごく普通のスマホのようだが、そのスマホに何があるというのだろうか?
「この声、聞き覚えないかしら?」
有紗はそう言いながらスマホを素早く操作し出した。有紗の言い方からして何かを録音していたようだが。
『ふふふっ♡ これで6人目かしら?』
「?!」 「?!」
すると有紗が再生した音声に聞き覚えのある声が聞こえてきた。っていうか、この声ってまさか…
『藤波君ってば、見かけによらず強引なんだから♡』
間違いなく目の前にいる由佳さんの声だった。藤波君って、さっき有紗が言っていた前に住んでいた隣人さんのことだろうか?
『でもおかげでこんなに精気がしぼり取れたわ♡ 彼には感謝しないとね』
声のトーンからしてかなり上機嫌のようだったが、それがかなり不気味に感じた。
『まあもう死んじゃったけどね、ふふふっ♡』
そして再生された音声から決定的な証言が出てきた。由佳さんはたしかに『死んじゃった』と言っている。聞き間違いようがない。
「……」
それを聞いて由佳さんは俯いたまま黙り始めた。どうやら本人にも心当たりがあるようだ。
「どお? 私のスマホ、改造して盗聴機能が付いてあるの。これで隣の部屋のあんたの声を盗み聞きさせてもらったのよ」
有紗は録音した音声を一時停止し自慢気に暴露してきた。スマホに盗聴機能を付けるとはなんと恐ろしい子。俺の部屋も盗聴されているのではと考えるとより恐ろしい。今後、自分の部屋でも迂闊に変なことは言えんな。
「あんたは自分で藤波が死んだと言ったわ。この続きでもあんたは自分の犯罪を語ってる。それと次のターゲットがこいつであることもね。覚えがあるんじゃないの?」
そして有紗は由佳さんに問い詰めてくる。しかし由佳さんは俯いたまま何も喋ろうとしない。最早、認めているようなものだ。
「…ふふふっ…」
だが、暫くした後、由佳さんは俯いたまま突然、笑い始めた。よくドラマとかでみる追い込まれて可笑しくなってしまったのだろうか?
「まさか、こんな可愛いらしい女の子に見つかってしまうなんてね。けど、残念」
「?!」
そう思っていた矢先だった。由佳さんは不敵な笑みを浮かべると突然、目の前から姿を消した。いや、消えたというより暗闇に同化したように見えた。
そして元々暗かった部屋がより一層暗くなっていく。足元どころか俺を担いでいる有紗の姿もよく見えない。
だが、暫くすると目が慣れてきて有紗の姿を確認できる程度には見えるようになった。
しかし、有紗の様子がどこかおかしい。息づかいが少し荒くなっているような気がする。さっきまで全然普通だったのに。
「ふふふっ♡ あなた達はここで終わりよ!」
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