デイズ

鬼怒川 ますず

君が生きている

布団の用意ができたので僕は部屋から出る。
君は患者服を脱いで母さんの寝巻きを借りて着ると、すぐに布団に入った。


自分の部屋に戻った僕は今後の事を考えた。
今の話からして、君の両親を殺した連中は過激すぎるというか、常識の範疇を超えていた。


超能力を求めた赤いスーツの男。
僕ももしその男の目の前で超能力を使ったら、君と同じ運命を辿ってしまうのかと不安になる。

天井を見つめながら悩んでいた。
難しいことは放り投げたい。
今は生きて君が帰ってきた事を嬉しく思わなければいけない。

たとえ、多くの人が死んでいたとしてもだ。


僕がそう認識して今日は眠ろうと目を瞑る直前、コンコンと誰かが僕の部屋のドアを叩く。
僕は親ではないと感じて「どうした?」と聞く、するとドア越しから君の声がする。

「一緒に寝たい」って。

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