水晶の鎖『物書きネタアンケート』村咲遼編
水晶の鎖『物書きネタアンケート』村咲遼編
チリン……シャラララ……
シェリーが動くと、鈴が鳴り、足に繋がれた鎖が音を奏でる。
「金属の音は無粋だ。お前にはこれが似合う」
と青の魔法使いのクリューが嬉しそうに言っていたのを思い出す。
シェリーは5才の時に、親に売られた。
そして奴隷市場で鳥かごのような檻の中でうずくまり顔を伏せて震えていたシェリーは、外から棒でつつかれ、
「顔をあげろ‼新しい飼い主になる皆様に顔を見せるんだ‼」
と怒鳴られた。
ビクビクとしながら、目に涙をためて顔をあげると、周囲から、
「ホォォ……」
「これは、まさに……」
と声が上がった。
「では、取引を……」
「おら、待てや‼何勝手に、人のものを売ろうとしてんだ‼」
と出てきたのは、数人のローブの人間。
そしてその中で、ローブのフードを取り、にやっと笑う少年。
「ここには結界を張った。売り手のてめぇも、買うためにやって来たあんたらも、全員オダブツだ‼この青の魔法使いの俺様に敵うと思うか?行け!下僕ども‼」
「下僕じゃないだろ‼部下といえ‼」
一人が言い返したが、必死に逃げるすべを算段する人々を大人しくさせるために動き出した。
奴隷商人は、周囲を見回し、護衛が近くにいないのを知ると、こんどは、シェリーに棒を突きつけ、
「ち、近づくな‼近づいたら、このガキを殴り殺す‼」
「うるっせーんだよ‼クソオヤジが‼俺のものを勝手に売り飛ばそうとは……死ね‼」
持っていた青い石の付いた杖を振る。
すると、杖からは雷が……光が放たれ、奴隷商人に降り注いだ。
「ギャァァァ‼」
黒こげになったそれはバタンと倒れる。
その姿に、
「ひぃっ……」
小さな檻の中でじりじりと下がる。
と、いつのまにか近づいてきていた少年が、
「おい、シェリー。遅くなった。あれだけ、あの夫婦に言い聞かせたのに……滅多うちにしたが、探すのに手間取った」
「……だ、だれでしゅか?」
「はぁ?クリューだよ。忘れちまったのか?このアホめ」
言いながら、檻の鍵を魔法で壊し、扉を開けると、
「おら、こい。迎えに来たぞ」
「ク、クリュー……」
「早くこい‼置いてくぞ」
イライラとする声に、
「鎖で、繋がれてるの……」
うずくまって隠していた両手足首の鎖を見せる。
「何だとぉ‼」
中に入ってきた少年は、シェリーが見せる鎖を魔法で砕き、ようやく晴れて解放されたシェリーに手を差し出す。
「ほら、行くぞ」
その声に咄嗟に、手を伸ばした……。
のは、もう10年以上も前のことだ。
シェリーはため息をつく。
少年の……クリューの屋敷の、彼の部屋の隣に、文字通り囚われている。
あの頃は鉄の鎖だったが、今は、クリューの趣味で水晶の鎖。
そしてもう片方の足首には鈴の付いた足環……。
「何で、こんな目に遭っているの?外に散歩にも行けないじゃないの……」
ぶつぶつと呟く。
と、タイミングを見計らったように、扉が開き、
「ただいま。シェリー。イイコにしてたか?」
「クリュー‼何で、こんなことをするのよ‼意地悪‼嫌がらせ?」
「お前をみたい、会いたいと、アホの国王や騎士団長や、同僚どもがほざくんでな。安全なところに隔離だ」
腕を組むクリューに、
「隔離じゃないじゃない‼監禁でしょ‼もう、嫌い‼早くはずしてよ‼馬鹿‼」
「嫌だ。しばらくそうしてろ」
「何考えてんのよ‼もういや‼変態‼」
シェリーの声が響くのだが、ニヤニヤと楽しげに笑うクリューだった。
シェリーが動くと、鈴が鳴り、足に繋がれた鎖が音を奏でる。
「金属の音は無粋だ。お前にはこれが似合う」
と青の魔法使いのクリューが嬉しそうに言っていたのを思い出す。
シェリーは5才の時に、親に売られた。
そして奴隷市場で鳥かごのような檻の中でうずくまり顔を伏せて震えていたシェリーは、外から棒でつつかれ、
「顔をあげろ‼新しい飼い主になる皆様に顔を見せるんだ‼」
と怒鳴られた。
ビクビクとしながら、目に涙をためて顔をあげると、周囲から、
「ホォォ……」
「これは、まさに……」
と声が上がった。
「では、取引を……」
「おら、待てや‼何勝手に、人のものを売ろうとしてんだ‼」
と出てきたのは、数人のローブの人間。
そしてその中で、ローブのフードを取り、にやっと笑う少年。
「ここには結界を張った。売り手のてめぇも、買うためにやって来たあんたらも、全員オダブツだ‼この青の魔法使いの俺様に敵うと思うか?行け!下僕ども‼」
「下僕じゃないだろ‼部下といえ‼」
一人が言い返したが、必死に逃げるすべを算段する人々を大人しくさせるために動き出した。
奴隷商人は、周囲を見回し、護衛が近くにいないのを知ると、こんどは、シェリーに棒を突きつけ、
「ち、近づくな‼近づいたら、このガキを殴り殺す‼」
「うるっせーんだよ‼クソオヤジが‼俺のものを勝手に売り飛ばそうとは……死ね‼」
持っていた青い石の付いた杖を振る。
すると、杖からは雷が……光が放たれ、奴隷商人に降り注いだ。
「ギャァァァ‼」
黒こげになったそれはバタンと倒れる。
その姿に、
「ひぃっ……」
小さな檻の中でじりじりと下がる。
と、いつのまにか近づいてきていた少年が、
「おい、シェリー。遅くなった。あれだけ、あの夫婦に言い聞かせたのに……滅多うちにしたが、探すのに手間取った」
「……だ、だれでしゅか?」
「はぁ?クリューだよ。忘れちまったのか?このアホめ」
言いながら、檻の鍵を魔法で壊し、扉を開けると、
「おら、こい。迎えに来たぞ」
「ク、クリュー……」
「早くこい‼置いてくぞ」
イライラとする声に、
「鎖で、繋がれてるの……」
うずくまって隠していた両手足首の鎖を見せる。
「何だとぉ‼」
中に入ってきた少年は、シェリーが見せる鎖を魔法で砕き、ようやく晴れて解放されたシェリーに手を差し出す。
「ほら、行くぞ」
その声に咄嗟に、手を伸ばした……。
のは、もう10年以上も前のことだ。
シェリーはため息をつく。
少年の……クリューの屋敷の、彼の部屋の隣に、文字通り囚われている。
あの頃は鉄の鎖だったが、今は、クリューの趣味で水晶の鎖。
そしてもう片方の足首には鈴の付いた足環……。
「何で、こんな目に遭っているの?外に散歩にも行けないじゃないの……」
ぶつぶつと呟く。
と、タイミングを見計らったように、扉が開き、
「ただいま。シェリー。イイコにしてたか?」
「クリュー‼何で、こんなことをするのよ‼意地悪‼嫌がらせ?」
「お前をみたい、会いたいと、アホの国王や騎士団長や、同僚どもがほざくんでな。安全なところに隔離だ」
腕を組むクリューに、
「隔離じゃないじゃない‼監禁でしょ‼もう、嫌い‼早くはずしてよ‼馬鹿‼」
「嫌だ。しばらくそうしてろ」
「何考えてんのよ‼もういや‼変態‼」
シェリーの声が響くのだが、ニヤニヤと楽しげに笑うクリューだった。
コメント
ノベルバユーザー603725
ネタアンケート作品ながらまとまってると思います。
色々妄想ができますね。