[休止]The#迷走のディフォンヌ

芒菫

第十四走 「彼女の瞳」

大門が見えてきた。木々が聳える道の中、朦朧と見える大門だ。
 俺は、前方にコブ爺を軽々抱えて走っている善蔵に追いつけるかつけないか、の力を振り絞っていた。
 数分走ったところで、エレミーの声が聞こえ始めた。

 「おーい、お前たち。こっちだぞー」

あの人体と行動から、歳は14~16辺りだろうか。それにしても、俺の歳に近い奴と予想するのは止めておこう。唯でさえ巻き込まれる可能性がある。勿論、何の可能性だかは体が反応しているだけなので致し方がない。

 「おーい、礼司。早くしろって」

 思わず考え事をしながらセシュレんの顔を見る為に頭を下げていたら、善蔵はもう大門についているのが分かった。くっそ、さっきまで近くにいたのに。

 「分かった分かった!!こっちはお前の体力の1000分の1以下なんだから少しくらい察してくれてもいいだろうが・・・」

 「んー?なんか言ったか?」

 「いえいえ、なんでも。」

 上層と下層を繋ぐ唯一の大門と言うのは、この国が出来た時代から1つの皇后門として使われていたらしい。エレミーが説明してくれた。
 要するに、元々上層は王が住まう場所だったという事なんだと思う。
 時刻は3:07分。7分も時間オーバーしてしまったが、ゲームオーバーにはならなくて済んだ。
とりあえず、大門から伝達でセシュレんの主君であるマリア・ローズ邸に連絡を入れてもらい、迎えが来るという事になったらしい。
しかし、事というのはゲームの様に、すんなり進んでいくものなのか。
そう考えるために、大門の観察台に登りきった所にエレミーが居た。
エレミーは俺が来た事に気づくと、立ち上がってお辞儀をした。

 「あ・・・ありがとう。お前が居なかったら私達は今此処に居ないし・・・時間稼ぎをしてくれたから善蔵が来る時間も取れたんだ。本当にありがと・・・///」

 「・・・お、俺の住んでいたところには、急がば回れってことわざがあってな。もしあの時、俺が善蔵と一緒に猛獣と戦ってたらお前らを助けられなかったんだ。礼なら善蔵に言ってくれよ。」

 俺も、自分からとっさに出た発言に驚いていた。一度はコミュ障に戻った身だし、こんな発言は出来るはずがない。俺も、感謝しなければならないのは善蔵だと思う。3回も助けて貰って、しかも勇気もくれた。なら、それ程までのお礼をしないとな。いつか、善蔵の力になれるように・・・・

「そっか・・・・でも、ありがとう。礼司にだって恩はあるんだよ。そこは受け止めてね?」

 彼女の瞳と夜空に浮かぶ星々。どうやら今日は絶景のようだ。

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