[休止]The#迷走のディフォンヌ

芒菫

第三走 「輝きの光」

「田中?誰だそりゃ。お前ら、やっちまうぞ」

 男たちは立ち上がって、こちらにナイフを向けてきた。
なんで全然効いてないの!?
 俺は恐怖心で足が動かない。駄目だ。このままいけば確実に殺られる。
そうだ、周りにいるやつに頼めばいいのか。

 「た、頼む。お前ら助けてくれ!」

しかし、周りの者たちは俺とチンピラ共の争いごとに巻き込まれたくなさそうに一歩づつ後ろに下がって行く。
 男たちはそれを有利に、俺に斬りかかってきた。俺は死を覚悟して目をつぶった。

(・・・死ぬ時って痛くないんだな。ん?)
目を開けると、目の前には氷の盾が出来ていて男たちの攻撃を止めていた。

 「もう、危ないじゃない。危機一髪ね」

 俺の後ろで魔法を使っている彼女はそう言った。
 銀髪に、少し紺が混ざった髪の毛に白いワンピースにローブを纏っている。美しい。彼女は見とれてしまうほどの美しさを華っていた。

 「魔法使いか!?」

チンピラのしたっぱ男が怖がっているのが分かる。

 「えぇ。そうよ」

そういうと、彼女はチンピラ達に氷の氷柱を作り向ける。

 「私に手を出そうとすると、この氷柱が許さないわよ?」

 「・・お、覚えてろよ!お前ら、退散するぞ!」

チンピラ達は勝てない相手だと理解したのか、追いつけないほどの速さで逃げていった。
 人間、人生一度は怖い思いをするモノだ。これでアイツ等も処れてくれるといいのだが・・・

「あ、助けてくれてありがとう。えっと・・・レイジだっけ?」

うひょ~!マジ天使だなこの子。

 「あぁ。迷惑かけたな。すまない」

 彼女は少し近ずいて、俺の体に異常がないか調べ始めた。

 「うーん、指にちょっとした切り傷が出来てるわね。ちょっと待ってて」

そういうと、彼女は「手を少し上げて」という。俺はそのまま手を挙げる。
 彼女は、俺の指に向かって何か優しい光を放つ。
その温もりは口では表現できないほどの心地よさだった。
 約1分程度で、その作業は終わった。
よく見ると、指の切り傷は完全に治っているではないか。

 「え!?なんのトリック!?スゲェ」

あまりの驚きと嬉しさに、声が出てしまった。

 「ふふーん。感謝しなさい!・・・なんてことは言わないわ。助けてくれてありがとう。私はただそのお礼をしただけ。別に、お礼返しなんていいんだからね!」

ふむふむ。ツンデレの女の子ね。
 実際、俺みたいなニート馬鹿はツンデレの女の子をよく好む。
だからと言って、俺は自分は捨てなーい!

 「そうか。ありがとな!」

 俺は、自分の気持ちを正直に伝えた。勿論、モヤモヤも無くすんなり言えた。

 突然、彼女の顔に笑顔が消えた。それと同時に喋りだす。

 「そうだった。私、探し物してたんだわ。だけど・・・うん。また会ったら・・ね!それじゃ」
 彼女は走り出した。勿論、俺も手伝うつもりだ。俺は彼女に声をかける。

 「おーい、ちょっと待・・」

しかし、彼女の走りは超早く、声も届かない。話を持ち掛けているうちに、何処かえ消えてしまった。
 虚しさと寂しさで心がいっぱいになった。
 周りにいた人も居なくなり、俺は太陽を見上げてこう叫んだ。

 「これが、現実かァァァァァ!!!!!???」

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