[休止]The#迷走のディフォンヌ

芒菫

第一走 「次元転送は的確に」

「未熟ですの。そんなのでよくこの世界で生きられるとお思いなのですわ」

 「やめろ、??。俺はお前たちの為を思って・・・・・」

 俺は迫りくる??から一歩づつ、後ろに下がっていく・

「私は、貴方の一言一言が気に入らないんですわ!!」

そういうと??は魔導書を開き、魔法を唱える。

 「リリ・スパリレート」

 俺の股の下辺りから地面が割れ始めた。

 「これで終わりにしますの」

 目の前が一気に明るくなる。右腹の辺りからの痛みが俺を襲う。

 「うぅ・・・・うわぁぁぁぁぁ!!!!!」

 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
 意識が朦朧とし始めた。このままでは下に落ちて死ぬ。その前に、俺は一つ??に質問をした。

 「・・・・??。最後に聞きたい・・・・俺は・・お前に・・・何をし・・・た」
 ??はこう答えた。

 「貴方は私の計画の邪魔をした。ただそれだけのことですわ···」

・・・・俺は死んだ。

ジリジリジリジリジリ・・・・目覚まし時計の音が部屋に響き渡る。
いつものように、目覚まし時計を止めて布団を畳んで立ち上がった。

 「さて、今日も始まったか!張り切って行こうぜ。俺」

 俺の名前は田中礼司。18歳でまだ大人になりかけのさなぎ状態みたいなものだが、家事とゲームだけは得意分野だ。即ち、学校で言う、家庭科は最強ってことだね。うん。
 俺は高校を卒業してニートになった。所詮、こんな馬鹿を相手してくれる会社なんてどこにも存在しないさ。
 俺みたいなのは路地裏でチンピラやってるボスの部下になって一生を終えた方が良いんじゃないか。と尽々思う。
そう思いながら台所に行き、冷蔵庫を開く。今の冷蔵庫の中身じゃ明日の朝で空っぽだな。
とりあえず、レタスを取り出し水洗いしてから千切りにしていく。

 「朝っぱらから、レタスにドレッシング一筋?んなわけねぇだろ。ちゃーんと白米と目玉焼きだって作りますよ。これぞ俺流、朝食だぜ!」

・・・なんやかんやで朝食を作り、食べ、筋トレからの洗濯を済ませた。
 俺はテレビの前へ行き、ゲーム機本体に電源を入れた。
 俺は戦国時代のゲームにハマってしまった。今は「ウィリアム帝国」というギルドのマスターをしていて、仲間もいて楽しい日々を過ごしていた。しかし、コミュ障である俺は現実で人と話す事を拒否していた。トラウマになっちまったってわけさ。昔は天命下らぬ交渉人って呼ばれていたんだが・・・もうどうでもいい異名だな。

・・・さて、ゲームを始めて数十時間。時刻は午後10時を回っていた。昼飯もすっかり食べ忘れて洗濯物も出しっぱなしだ。すぐに取り込み、夜食の買い出しに出かける。もう、夜10時なのでスーパーは何処も開いていない。仕方なく、すぐ近くにあるコンビニで買うことにした。
コンビニについて、中に入る。今日はいつも読んでいる清水五郎先生の「海に散る一枚の羽」の連載日だった。くぅ・・・ゲームのやりすぎですっかり忘れてしまっていた・・・これは人類崩壊の幕かもしれない。
しかし、だんだん面白くなってきたァァ!!!ふん。だが、俺の心を動かせる日は果たして来るのかァ!?
・・・俺は、ポテトチップスを手に取ってカップラーメンコーナーへ足を踏み入れた。

 「さて、俺に食われたいとおもっているラーメンちゃんはどれかなぁ?」

といいつつも、いつも食しているカップラーメン「チンじゃ尾」を選んだ。
レジに並ぶと、定員さんが「2番目の方、こちらにどうぞ」と言ってくれた。
ナイス、俺の運命とレジ並びの順番。これは感謝してもしきれないぜ。

 「チンチキもお買いになりますか?」

 「あ、はい・・・ち、チンチキもお願いします」

 「鶏肉に、豚肉。ひき肉もありますけどどれにします?」

 俺は、鶏肉に指を指して「じゃあ、鶏肉で」と言った。

 「お会計は438円です」

 俺は、財布を出して508円を店員さんに渡した。
 店員は受け取ると、レジスターを開き、おつりを取り出した。

 「はい、おつりの70円です。またのお越しをお待ちしております」

 店員さんからお釣りをもらうと、買い物袋を持ってコンビニを後にした。
しかし、腹が減った。もう、帰ってカップラーメンのお湯を沸かしてる時間も俺の腹は待っていてくれない。よし、ここは思い切って近くにある公園でチンチキを食べて帰ろうジャマイカ!
・・・・反対側にある公園に行く為、信号を渡る。
 運よく、信号は青だ。早くわたって俺の腹を満たさなければ・・・
反対側にわたり、公園に着く。近くにあるベンチに座って買い物袋からチンチキを取り出そうとしたその時。

 「ん・・?なんだ?辺りが・・・」

 目がチカチカする、やはり、数十時間もゲームをやっていれば当然の結果か・・・・?
 駄目だ、目が開かない・・・・

 ん・・・・。
 目が開いたその先には・・・・。全くもって違う時代の風景が広がっていた。

 「え・・・ちょっと待て。こんなのあり?俺ってそんなに世界に好かれてた存在!?それとも天命には抗えなくなったってこと!?なにそれ酷い」

しかし、一つだけ分かることがある。それは「次元を超えてしまった」と、いう事だ・・・ははは。

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