異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)

N

64 . 灯台下暗し


周りに謝りまくって先程の三階の部屋に戻ってきた所だった。煤で真っ黒なマイとアイとメイは借りてきた猫のように案外大人しく頭を下げ(させ)た。
「アイナ様酷いです…ッ!もう家出しますからね!」
そんな中でもまだ意地をはるバカ長女が窓に身を乗り出しすが誰も気にも留めない。
「おう、帰って来なくてもいいよ」
「止めてくださいよおぉぉ!!!」
此奴はなにがしたいのだが。
「それでここにきて既に3日。メイの探索魔法でアイナ様の生体反応があったので来てみた次第です」
来てみた次第です、じゃねぇよ。
お前はまだまともだと思ってたのに。
「それまでの3日間は途方に暮れてましたよ〜。有り金ぜ〜んぶ落としたので泊まれる所もなく、仕方なくアルバイトをやればマイお姉様のお陰で追い出されましたし〜」
なにやらかしたんだよマイ。

「じゃなくて、ここにきた目的があるでしょ」

そう言うと三人はキョトンとするとあーそんな用事もあったなぁと言うような顔をした。
「忘れてたのかよ」
「「「…!」」」
ボソッと呟いた声に三人はビクッと体を震わせた。
「まぁいい、んでその…アレアだっけ?アレアってどこにいるの?」
すると三姉妹はお互いの顔を見合わせ、アイが私を凝視の眼差しで見た。

「…はい?アイナ様、既に会っておられますよ?」

扉がバタンと開きヴィルタがひょっこり顔を出しのはその時だった。

「私がアレアや。お前…否、魔王様には言ってなかったんやけどな!」

と、満点の笑顔で言い放つ。
「はぁ?」
「そうです、この変人極まりない露出狂がアレア・ヴィルターニャです」
「久しぶりに会ったのに酷い言い草やーんアイちゃーん?」
やたらアイに抱きつきベタベタしているがアイはジト目で完全に無視している。
「なんで貴方ここにいるんですか」
「今日は休日なんやねん」
嫌悪感の溢れ出ているアイとアレアが何かを話しているがそれより本題を出す事にした。

「んで、あの手紙の内容はなんだったわけ?」

「あー、そういえばあの手紙で来たんやね。手紙の通りや。
ある日なぁ、六議員…あんたらで言う16幹部やな。の会議が耳に入ってもてん。
んで助けを求めた訳や」

「ほほう、報酬は?」

「こいつソレラちゃんの時といい絶対何かに見返りを求めるたちですね!」
「お姉様聞こえますよ〜!」
「やっぱり腹黒いやね」
バレてないとでも思っているのかバカ三姉妹。

「そうやねー、可愛い人魚メイド一匹」

「よしやろう」




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