異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)

N

49 . 決着の後


「わぁ〜!アイナ様凄いです!!」
てこてこと走り寄ってきたメイと実に驚いた顔をしている二人に唖然としたゼウスにイオ。
そして思いもよらなかった勝利に沸く観客。
「ふふん、でしょう?」
「はい!よくすぐにできましたね〜!」
実は書斎にいた時に教えてもらった、『爆発系魔法』を実践させてもらったわけだ。
メイによれば事前に放つ前に10単語ぐらいの詠唱をして、最後の呪文が導火線の点火になるらしい。
こんなに早く使う時が来るとは思ってもみなかった。
「あーあア、負けちゃったヨ〜。はい、これは返すネ」
ほいっと返された青色のいつものネックレスを身につけるとなんだかぎゅっと身体中が引き締められた気がした。
「本当に友人に付き合ってくださってありがとうございます」
「いいよいいよ、楽しかったし」
結局私はこのゼウスとかいう謎の女と似ているのかもしれない。
「それでは約束通り占わせてもらうヨ。うーん、そうだネ。近々大きな災難が起こるはずだヨ。くれぐれも注意することダ」
とても胡散臭い。まともに受け取らないのが吉だろうと思い苦笑いで流した。
「じゃあ私は帰るとするよ。ありがとうね」
そう言うと四人で宿屋を後にし馬車に乗り込んだ。
「しかし…アイナ様、成長しましたね」
「あんたは親か」
「いやーびっくりしましたよ!」
「メイも嬉しいです!」
「はいはい」
他の二人も騒がしい。
いつの間にか時間は経っているし帰ったらすぐに寝ることにしよう。
そう少しだけ自堕落な生活に戻る事を誓い窓の外の星を眺めた。

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