異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)

N

19 . 星よ闇よ異世界よ


「はふー…」
朝も来ていたフリフリのワンピースタイプのピンクのネグリジェに身を包みふかふかなどでかいベットへとダイブする。やばい、寝てしまいそう…。
なんとかそのまま寝るのを阻止し顔を上げ壁にかかっていた時計を見る。11時35分。寝るにはいい時間だろう。
もぞもぞベットの上を芋虫のように這ってずさーっと布団とベットの間に入り込む。白い程よい硬さの枕に白いベット、明らかに高そうなベットに布の天井が付いているタイプだった。お姫様かよ。魔王だったわ。そんな自問自答を頭の中で行うと不意に扉から声が聞こえた。
「アイナ様、おやすみなさいませ」
…誰だ。青の少しブナンなネグリジェから伸びる白く細い手足と長い首、その顔はくりくりとした赤い眼に細めの鼻、ふっくらとした紅色の口。そして長い金髪をから見える控えめな角から太い三つ編みで右側に垂らした…。
「マイ!?」
「はい!?なんですか!?」
あれっこんな美人だっけ。最初こそ美人だと思ったもののこの性格だしもうそんな要素なくなっていたのだが改めてここで示された。
「いや…なんでもない。おやすみ…」
「なんか変ですよ…。おやすみなさいませ」
バタンと扉が閉まると真っ暗な部屋の中ゴロンと天井を見上げた。
「星…」
こんなところで星が見える訳がない。しかし明らかにここから満天の星が見えた。無論、大きな窓からではない。天井に。
発光塗料で描かれているのか満天の星がきらめいていた。
「…エイルとかいう奴も好きだったのかな」
そこではっとしてまるで私も星が好きだと思わせるような発言を振り払うようにゴロンと右側を向いた。そこで先程の話を思い出す。マイが変え月?でもマイはさっき見た通り角があって鬼人だ。じゃあなんで…?。考えれば考えるほど謎は深まっていくばかりなので瞼を閉じた。ドッと今日の疲れが押し寄せてくる。こんなに1日が楽しかったのは久しぶりだろう。あっちの世界では無情にただ何をするでもなく過ぎていった1日なのに。

そこで私の意識は途切れた。

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