異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)
12 . 嘘つき?
「嘘つき」
「ね、ねぇマイ、どの冠がいいと思う?」
「嘘つきー」
聞こえなーい。何も聞こえないーい。
あの後列車に乗り30分ほどで魔王城に着くと寝室の隣にあるドレッサー、否、衣装部屋に移動しドレスや小物をマイが選びそれを試着していた。
どうしてマイとこの様な大戦をしているのかというとこれはある深い事情がある。それは後々わかるとしてここは折れて謝ったほうが吉だ。
「…悪かったって、でもバタバタしてて帰り道にケーキ買えなかったのもわかるでしょ?」
「…は?」
「今からでも買ってきてもらう?ショートケーキとかでいいよね?」
「ひ……ふ…、…へ」
「じゃあアイに頼んでおくからみんなで一緒に食べようよ」
「ほ…?」
どうだマイ、これでお前もご機嫌であろう。早速アイに手配させておくとするか。
「ねぇアイ〜ちょっと来てー、晩餐会の帰りにみんなで食べるケーキを__」
「違いますよおおおおおお!」
マイの涙目連続肘突きが炸裂したのは言うまでもない。ああ、こいつやっぱ鬼なんだなぁとかしみじみ思った。
いや、体ミシミシ言ってますけど。
……。
「ちょ!タンマタンマタンマ!!痛ああああああ!やめろやめろ痛い痛い痛い!!」
「あ、すいません。本気出しちゃいました」
貴女主人になんてことしてるの。
「ていうか違います!私ケーキの事怒ってたんじゃないです!!」
ぷすーっと頬を膨らませ涙目になった
「あーはいはい、じゃあなんなの?」
「世界塔なんで登らせてくれなかったんですか!!」
「………」
それ相応の事だと思った私を殴りたい。ふぐっ…、痛い。
「何してるんですか、気持ち悪いですよ」
「気持ち悪くてごめんね」
「いやいやいや」
マイさんによるドレスアップが終わるのはいつになるのだろうか。
「じゃあケーキはいらないよね」
「いります」
「えっ」
救いようのない。
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