東方魔人黙示録〜番外編〜

怠惰のあるま

10年後・・・リティア怒る


ここは地底の奥深くに佇む地霊殿。
今日は何故か怒号が飛び交っていた。怒号を飛ばし合っているのは桐月アルマと水橋パルスィだった。

「だいたいいつもお前がなぁ!?」
「私は悪くない。あなたが自分勝手」
「お前もそうだろうが!!」
「あなたほどじゃないわ」

バチバチと二人の間に火花が散っている。
部屋の隅ではイラとリティアがブルブルと怯えてさとり様に抱きついていた。
この非常時に子供に抱きつかれ喜んでいるさとり様は二人の喧嘩を面白そうに見ていた。
なぜ、二人は喧嘩しているのか。それはとてもくだらない理由であった。
【どちらが子供に好かれているか】
たったこれだけのことである。心の底から自分の子供を愛している二人はまさに親バカである。

「俺の方が絶対好きだ!」
「私の方に決まってるでしょ!」
「実は私のことがいちばーーーー」
『さとり様は黙っててください!!』
「....はい」

いつもとは全く違う二人の気迫に気圧されたさとりは目尻に涙を溜めながら一人隅っこに座り込んだ。
それでもなお火花を散らす二人にイラは泣きそうになっていた。それに気づいたリティアはイラの頭を優しく撫で、喧嘩する二人の間に割り込んだ。

「パパ!ママ!少し落ち着いてよ!!」
「リ、リティア...?」
「二人が喧嘩するからイラが泣きそうなんだよ!!」
「え?」

イラに視線を移すと今にも泣きそうになっていた。
アルマとパルスィは焦りながらイラに駆け寄った。

「イ、イラ!ごめんな?」
「ママとパパが悪かったわ!」
「いつも仲がいいのになんでそんなに喧嘩するの!」
『だ、だって...』
「だってじゃない!!」

どこか映姫のような雰囲気を纏ったリティアにアルマとパルスィは数時間ほど叱られたという。

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