東方魔人黙示録〜番外編〜

怠惰のあるま

10年後・・・心配症の魔王


アルマとパルスィが地霊殿に戻るとさとりはまだ双子と一緒に遊んでいた。
アルマ達が帰ってきたことに気づいた双子は遊びそっちのけでアルマとパルスィに飛びついた。

「パパ〜!」
「おかえりママ〜!」
「ただいま。良い子にしてた?」
『うん!』

元気に頷いた双子にパルスィは優しく笑い、頭を優しく撫でてあげた。双子はえへへ、と笑った。
そんな三人を羨むさとりは一人いじけていた。それに気づいたアルマはため息をする。

「なにいじけてんですか...」
「だって...あの子達が取られたんですもん...」
「あなたの子じゃないでしょう?」
「アルマとパルスィの子供は私の子供でもあるんです!!」
「相変わらず意味わからん」

まるで子供のように駄々をこねてしまったさとりに双子は心配そうに近寄った。

「さとり様...大丈夫?」
「何か嫌なことあったの...?」
「うぅ...あなた達は本当に良い子です...!」

泣きそうな顔で二人に抱きついた。
二人は息苦しそうにしているが嫌って様子ではなかった。むしろ嬉しそうだ。
本当にさとりが好きなのだろう。

「ほら、さとり様。この子達苦しそうにしてるから離してあげてください」
「はぁい...」
「ぷはぁ...!僕は大丈夫だよパパ!さとり様は優しいもん!」
「はぁぁ...イラ。頼むから疑いという言葉を持ってくれ...」

双子の少年。桐月イラは純粋な笑顔で首を傾げた。
それを見てアルマはさらにため息を吐いた。
心配性の彼にパルスィはクスクスと笑っていた。

「大丈夫よ。リティアがいるもの、ね?」
「うん!あたしがしっかりイラを見てるからだいじょうぶだよ!」

双子の少女。水橋リティアはガッツポーズをして大丈夫だと言った。
それでも心配そうなアルマにイラとリティアは弾幕をぶつけた。

「な、なにすんだ!!」
「パパは心配しすぎだよ!僕らだって強いもん!」
「そうだよ!あたし達はパパとママの子供だよ?」
「そう言ってるけど?パァパ?」

少し癪にさわる言い方をするパルスィにデコピンをしてアルマはイラとリティアをギュッと抱きしめた。

「そうだな。お前らは心配するほど子供じゃないか」
『うん!』
「よっし!たまには遊んでやるか!二人でかかってこい!」
「いいの〜!?」
「やった〜!!」

二人はアルマから距離をとってイラは武器を手にし、リティアは色取り取りの弾幕を作り出した。

「本気出しちゃダメよ?」
「わ〜ってるよ!さぁ行くぞ!」

親子仲睦まじく。
今日も仲良く弾幕ごっこをするアルマ達であった。

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