東方魔人黙示録〜番外編〜
閻魔様の憂鬱
幻想郷のある場所を超えて行くと赤く流れる川が存在する。
そこは三途の川と呼ばれる地獄と現世を分かつように流れている。死人は必ずそこを超えて地獄に建つ裁判所へと連れて行かれる。
ただし、その者の生前で犯した罪が大きければ大きいほど川の渡る距離は長くなる。
地獄の裁判所には閻魔がいる。その一人である彼女。四季映姫・ヤマザナドゥは一人、浄瑠璃の鏡と呼ばれるものを覗いていた。
「......アルマに会いたい」
鏡を見ていた彼女はそう呟いた。
浄瑠璃の鏡とは現世を覗くことができる鏡で映姫はよく現世を監視するという口実でアルマを観察していた。しかし、仕事が忙しい映姫はなかなか会いに行くことができずにいた。
「映姫様〜!また亡者達を連れてきましたよ〜!」
元気よく部屋に入ってきた少女。小野塚小町はたくさんの亡者達を連れていた。
「なんで...」
「はい?」
「なんで今日に限って真面目に働いているのですか!!」
「え、えぇぇぇぇ!?」
映姫の怒る理由はともかく小町は本来、仕事をサボる癖がありいつもならここまで熱心に働くことはない。
「だ、だって昨日映姫様言ったじゃないですかぁ!あなたって仕事できないからサボってるのでは?って!!」
「そ、そうでしたっけ?」
「そうですよ!だからあたいだって仕事ができるってことを証明したかったんです!!」
いつもの小町からは考えられない本気の訴えに映姫は少々気圧されていた。そして、自分の身勝手な言い分を反省していた。
「ごめんなさい小町...あなたが頑張ってるのに私がサボっちゃダメですよね...」
「え?サボってたんですか?」
「あ、いえ...ご、ごほん!とにかくよく頑張りました」
「わぁい!じゃあお昼寝してきま〜す!」
「はい。いってらーーーーって待ちなさい!!」
能力で一気に逃げられてしまった映姫は思った...
(転職しようかな...)
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