二つの異世界で努力無双 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いに成り上がってました~
リベリオン VS リベリオン
俺の住み慣れた住宅街は、もはや目も当てられぬ惨状と化していた。
そう。まさに地獄だ。
「なんで……」
まわりを見渡しながら、俺はひとり呟く。
もともと古山の目的は《いじめっ子への復讐》だったはずだ。
それがいったい、何故こんな真似をするようになったのか。
どこからともなく、無機質な男の声がひっきりなしに響いてくる。
『大規模テロ情報。大規模テロ情報。当地域に、テロの危険が及ぶ可能性があります。住民の方は避難してください……』
テロ。
まさしくその通りだ。いまのリベリオンは凶悪なテロ組織。
同情する余地すらまったくない、憎むべき悪の組織だ。
古山の奴、どうしちまったんだよ……!
一緒に転移してきた彩坂や佐久間たちも、みな動揺を隠せないようだ。ひっきりなしに周囲を見回しながら、この惨状に慌てふためいている。
なにしろ警察までがテロ行為に荷担しているのだ。これに絶望しない者がいるだろうか。
それだけではない。
佐久間たちも異世界ではリベリオンの構成員だったのだ。自分たちもこうなる運命だったとは、到底信じられないのだろう。
だが、俺たちはこの世界を救いにきた。一緒になって慌てていては世話がない。
「勇樹くん……」
育美が俺の腕を掴んできた。俺は彼女の頭をぽんと叩くと、佐久間たちに大声を張り上げた。
「古山以外はレベルもたいしたことはない! 慌てずに対処すれば勝てない相手じゃない! 頼むーー力を、かしてくれ!」
俺に世界を託した未来の彩坂育美のためにも。
そして、俺自身の父親のためにも。
ここで逃げるわけにはいかない。
俺の発言にすこしは平常心を取り戻したのか、構成員たちの表情がいくぶんか和らいだ。
「よし、まずは古山の居所をーー」
俺が言い掛けた、そのとき。
どこかで男の悲鳴があがった。
振り向くと、幼い娘を抱えた父親と思われる男性が、いままさに、テロリストによって殺されようとしていた。
ーー危ねえ!
気づいたとき、俺は咆哮していた。走り出していた。
スキル《闇の双剣》を発動し、一瞬にして間合いを詰め、テロリストの腕を切断する。こいつらはもう最悪の殺人者だ。手加減する気はいっさいない。
悲鳴をあげるテロリストをよそに、俺は親子に向かって言い放った。
「危ないから逃げててくれ。あんたたちは俺が守る」
「ま、守るだって……? しかし、街はすでに……」
「安心しろ。すでに俺の味方も動いてる」
「み、味方……?」
目を向けると、俺の行動に発破をかけられたか、構成員が勇猛にテロリストたちに戦いを挑んでいた。闇の可視放射で攻撃し、敵をおおいに驚かせている。
「な、なんだ、闇の魔法か!」
「なぜ闇使いがこんな大勢いる!」
そう。まさに地獄だ。
「なんで……」
まわりを見渡しながら、俺はひとり呟く。
もともと古山の目的は《いじめっ子への復讐》だったはずだ。
それがいったい、何故こんな真似をするようになったのか。
どこからともなく、無機質な男の声がひっきりなしに響いてくる。
『大規模テロ情報。大規模テロ情報。当地域に、テロの危険が及ぶ可能性があります。住民の方は避難してください……』
テロ。
まさしくその通りだ。いまのリベリオンは凶悪なテロ組織。
同情する余地すらまったくない、憎むべき悪の組織だ。
古山の奴、どうしちまったんだよ……!
一緒に転移してきた彩坂や佐久間たちも、みな動揺を隠せないようだ。ひっきりなしに周囲を見回しながら、この惨状に慌てふためいている。
なにしろ警察までがテロ行為に荷担しているのだ。これに絶望しない者がいるだろうか。
それだけではない。
佐久間たちも異世界ではリベリオンの構成員だったのだ。自分たちもこうなる運命だったとは、到底信じられないのだろう。
だが、俺たちはこの世界を救いにきた。一緒になって慌てていては世話がない。
「勇樹くん……」
育美が俺の腕を掴んできた。俺は彼女の頭をぽんと叩くと、佐久間たちに大声を張り上げた。
「古山以外はレベルもたいしたことはない! 慌てずに対処すれば勝てない相手じゃない! 頼むーー力を、かしてくれ!」
俺に世界を託した未来の彩坂育美のためにも。
そして、俺自身の父親のためにも。
ここで逃げるわけにはいかない。
俺の発言にすこしは平常心を取り戻したのか、構成員たちの表情がいくぶんか和らいだ。
「よし、まずは古山の居所をーー」
俺が言い掛けた、そのとき。
どこかで男の悲鳴があがった。
振り向くと、幼い娘を抱えた父親と思われる男性が、いままさに、テロリストによって殺されようとしていた。
ーー危ねえ!
気づいたとき、俺は咆哮していた。走り出していた。
スキル《闇の双剣》を発動し、一瞬にして間合いを詰め、テロリストの腕を切断する。こいつらはもう最悪の殺人者だ。手加減する気はいっさいない。
悲鳴をあげるテロリストをよそに、俺は親子に向かって言い放った。
「危ないから逃げててくれ。あんたたちは俺が守る」
「ま、守るだって……? しかし、街はすでに……」
「安心しろ。すでに俺の味方も動いてる」
「み、味方……?」
目を向けると、俺の行動に発破をかけられたか、構成員が勇猛にテロリストたちに戦いを挑んでいた。闇の可視放射で攻撃し、敵をおおいに驚かせている。
「な、なんだ、闇の魔法か!」
「なぜ闇使いがこんな大勢いる!」
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