二つの異世界で努力無双 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いに成り上がってました~

魔法少女どま子

最強の力へ

 無我夢中で剣を振るっていた。

 なぜだろう。
 まわりの騒音が、急に途絶えた気がする。

 佐久間祐司が大声でなにかを問いかけている。
 彩坂育美が涙ながらになにかを話している。

 会話の内容までは頭に入ってこなかった。
 すこしでも気をそらせば、古山の凶悪なトランプに瞬殺されてしまう。一秒たりとも油断することはできない。

 反して、古山のほうは明らかに動きが鈍っていた。

 俺がこの戦いに慣れたからーーという理由だけではなさそうだ。

 さっきまではつけ込む隙すらなかったのに、いまではすこしずつ攻撃が入り始めている。

 だが、不利な状況に変わりはない。

 WARNINGという黄色い警告文とともに、視界の外周が赤く染め上げられる。俺のHPも残り一割を切ったらしい。

 だが、不思議と怖くはなかった。
 なんともいえない奇妙な感覚。

 みんなに守られているという謎の法悦感。

 気づいたとき、俺は叫んでいた。
 そうしながら、渾身の一撃りを、古山めがけて振りかぶった。

 ぐっ、という鈍い声。

 俺はぼんやりと視線を上向けた。
 いままでお互いに微ダメージだけを与え続けていた戦いに、ようやく終止符が打たれたようだ。

 俺の全力の一振りが、見事に古山の胸から腹までを切り裂いた。 

 古山は再び呻き声を発すると、大量の血液を吐き出しながらその場に崩れた。

《レベルが上がりました。

 吉岡勇樹 レベル90

 HP 42/999 MP 34/999
 MA 9999 MD 9999

 スキルを修得しました。
 ・神            》

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