二つの異世界で努力無双 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いに成り上がってました~

魔法少女どま子

俺も男だ

 好き。

 その言葉を告げられた瞬間、俺の思考はショート寸前になった。

 いくらコミュニケーション能力に卓越したリア充といえど、しょせんはただの高校生。動揺するあまり、俺は思わず変な声を出してしまった。

「好きって……まさか、そういう意味でか」

 こくりと頷く彩坂。

 マジかマジか。
 思考がついていかず、慌てふためいてしまう。

 だが、俺も男だ。ここで一歩踏み出さなきゃ男じゃない。

「ごめんな……その、女にこんなこと言わせるなんてよ」

「……え?」

「古いかもしれんが、こういうのは男からいきたいもんなんだよ。……だからさ、彩坂」

 彩坂育美に会ったとき。
 俺は初めて胸の高鳴りを感じた。

 いままでこんな感情を抱いたことはなかった。だからそれを悟られまいとなんとか隠そうとしていた。

 俺はいじめられっ子だから。
 誰かに受け入れられることなんてないと思っていたから。
 ましてや女子に好かれるなんてもってのほかだと。

 でも。
 そんな俺でも、好いてくれる人がいるのなら。

 俺は。

「俺も好きだよ……だから、つきあってくれ」

 言いながら、一粒の涙が流れていくのが自分でもわかった。

「……はい」
 彩坂も一粒の滴を流しながら、静かに頷いた。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品