二つの異世界で努力無双 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いに成り上がってました~
最強の俺には最高の強敵がふさわしい
光の靄をくぐり抜けると、そこはまったくの異次元空間が広がっていた。
「な……なんだこりゃあ!」
俺は思わず驚嘆の声を張り上げる。
タワー。
そう、目の前に巨大なタワーが屹立しているのだ。
まるで巨大都市のネオンのごとく、外壁の色合いが数秒ごとに変わっている。青、緑、黄、赤……という変色のサイクルを順に繰り返しているようだ。また、虹色の細い光が螺旋状にタワーを包んでおり、建物全体の怪しさを一層引き出している。
さっきまで学校の敷地内にいたはずが、近未来都市的な塔が急に現れるとは……これも魔法のなせる技なのか。
口をぱくぱくさせている俺に、佐久間は悪戯っぽく笑った。
「さすがに驚いたか。初めて来た者はみんなそういう顔をするよ」
「これも……魔法で作ったのか?」
「まあ、そういうことだ」
いわく。
生命体を完全に支配する闇魔法に対して、光魔法は「創造」を得意とするようだ。
MAの高い者が協力すれば、このような常識外れな建造物もすぐに作り出せるという。闇魔法もたしかにチートだが、光魔法も大概だ。
天を見上げると、タワーのおそるべき高さゆえか、天辺が空にかすんで見えない。いったいどれほどの高さを誇っているというのか。
そして同時に、俺は看過しえぬ疑問を抱いた。
「佐久間、さっきおまえは『俺たち』の仲間にならないかと言ったな。いったいいま、何人の仲間がいるんだ?」
「二百人だ」
即答され、俺は脱力を禁じえなかった。
野望を企む古山章三という男は、二つの世界にひとりずつ存在する。そしてたぶん、彩坂はその二人ともを倒すことを望んでいる。
のだが、これは予想外だった。古山をどうこうする前に、二百の部下を始末しないといけない。道のりはあまりにも遠い。
となれば、俺にも味方が欲しいなあ……などと不埒なことを考えながら隣の佐久間を見やる。
「ちなみにおまえは、グループ内ではどんな立ち位置なんだ?」
すると佐久間は自慢げに眼鏡の中心部をおさえ、
「これでもナンバー2さ。ステータスの数値はたいしたことないが、まあ、ある事情でね」
と言い放った。
「な、なんばーツーですか……」
俺はまたも肩を落とす。
「ん? どうしてそんな残念そうな顔をしている?」
「い、いや、なんでもないんだ」
慌てて取り繕いながら、俺はタワーに入っていく佐久間の後に続いた。
「な……なんだこりゃあ!」
俺は思わず驚嘆の声を張り上げる。
タワー。
そう、目の前に巨大なタワーが屹立しているのだ。
まるで巨大都市のネオンのごとく、外壁の色合いが数秒ごとに変わっている。青、緑、黄、赤……という変色のサイクルを順に繰り返しているようだ。また、虹色の細い光が螺旋状にタワーを包んでおり、建物全体の怪しさを一層引き出している。
さっきまで学校の敷地内にいたはずが、近未来都市的な塔が急に現れるとは……これも魔法のなせる技なのか。
口をぱくぱくさせている俺に、佐久間は悪戯っぽく笑った。
「さすがに驚いたか。初めて来た者はみんなそういう顔をするよ」
「これも……魔法で作ったのか?」
「まあ、そういうことだ」
いわく。
生命体を完全に支配する闇魔法に対して、光魔法は「創造」を得意とするようだ。
MAの高い者が協力すれば、このような常識外れな建造物もすぐに作り出せるという。闇魔法もたしかにチートだが、光魔法も大概だ。
天を見上げると、タワーのおそるべき高さゆえか、天辺が空にかすんで見えない。いったいどれほどの高さを誇っているというのか。
そして同時に、俺は看過しえぬ疑問を抱いた。
「佐久間、さっきおまえは『俺たち』の仲間にならないかと言ったな。いったいいま、何人の仲間がいるんだ?」
「二百人だ」
即答され、俺は脱力を禁じえなかった。
野望を企む古山章三という男は、二つの世界にひとりずつ存在する。そしてたぶん、彩坂はその二人ともを倒すことを望んでいる。
のだが、これは予想外だった。古山をどうこうする前に、二百の部下を始末しないといけない。道のりはあまりにも遠い。
となれば、俺にも味方が欲しいなあ……などと不埒なことを考えながら隣の佐久間を見やる。
「ちなみにおまえは、グループ内ではどんな立ち位置なんだ?」
すると佐久間は自慢げに眼鏡の中心部をおさえ、
「これでもナンバー2さ。ステータスの数値はたいしたことないが、まあ、ある事情でね」
と言い放った。
「な、なんばーツーですか……」
俺はまたも肩を落とす。
「ん? どうしてそんな残念そうな顔をしている?」
「い、いや、なんでもないんだ」
慌てて取り繕いながら、俺はタワーに入っていく佐久間の後に続いた。
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