のらりくらりと異世界遊覧

霧ヶ峰

第10話:普通の適正

俺は、カルとククルのオーラを見たとき
一瞬、震えが走った

それはなぜか?

簡単なことだ………
2人の適正がとても普通の人間の比ではなかったからだ



クロウ「こりゃあ、おもしれぇ事になりそうだ………」
俺は、小さく、誰にもわからないように笑った

俺と同じ、化け物が2人
ここに誕生しようとしているのだから………

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精霊魔法というものは特定のオーラがない
もともと、精霊と云われる者たちは魔力の塊が意思を持っているようなものである
魔力の塊ということは、自然に集まった純粋な魔力の精霊もいるが、属性魔法の残留や魔物から発せられる各種の属性魔力、火山や海など純粋な魔力に属性が宿るところの魔力が集まり時間をかけて生まれた精霊も存在する

そのため、精霊を[見る]には、それぞれの属性の適正が一定以上必要となる
だが、たったそれだけなのである

しかし、それだけなのことであるのに精霊魔法は【レア】に分類さされている

それはなぜか?

それは単に、人間種が特定の魔力属性への適正が無いからだろう

火の種族である[サラマンダー]・水の種族である[ウンディーネ]・地の種族である[ノーム]風の種族である[シルフ]・光の種族である[ウィスプ]

人と同じような姿をし、人と同じように生活する5種族
それぞれの種族がそれぞれの属性の高い適正を持ち、精霊とともに生活している

だが、人族にはそれほどの適正が無い。もともと、人族が扱う数々の魔法は、この5種族から伝えられたものを人族が扱えるように、長い年月をかけて改良されたものなのである

だがなそんな人族の中にも、生まれつき特定の属性に高い適正を持つものが生まれてくる
その者達は、成長するとともに精霊を見ることができるようになってくる
そのような者たちのなかに、精霊と契約を結び、使役するもの達が現れた

"精霊と契約を結び、精霊の力を借りる代わりに自らの魔力を提供する"

それが、精霊魔法の簡単な定義だ


属性への適正というものは、生まれつきのものと成長によって高まるがある
そのため、修行を重ねることによって精霊を見ることができるようになる人が出てくる


ごく一般の市民の適正値を10としたら
一般魔法師が100・中級が150・高等が300
そして、精霊使いが500ほど

だが、現段階のカルとククルはすでに高等魔法師レベルの適正値を示していた

高等魔法師とは、血の滲むような修行を繰り返して自らの適正値を上昇させた人達のこと
その多くが、王国の宮廷魔法師として仕えていたり、偉人や天才として伝説や歴史に名を連ねる


それほどの適正を、わずか6歳の子供が示しているのだ

この2人は、これから先の修行次第で、とてつもない化け物と化すだろう


俺は笑った

小さく笑った

俺と同じ世界を見ることができるかもしれない仲間を

自分の手で

育てることができるのだから

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