のらりくらりと異世界遊覧

霧ヶ峰

第8話:〜人外への道〜

クロウ「さて、魔力テストも終わったことだし、早速修行と参りますかい?」
カル・ククル「もちろん!!!」


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ゴゴゴゴゴ……………
カル「……………これは……………いったい?………なんなんだ?」
カルは、目の前にある物…いや[突如現れた物]をみて驚きを隠せない
ククル「クロウちゃん…今度は何をしたのです?」
一方、ククルは驚きよりも呆れや諦めの方が多いみたいだ
 クロウ「あれ?カルの反応は予想どおりだけど、ククルのはちょっと人外だなぁ」
ククル「クロウちゃんが、人外なのは今更ですからね。もう、慣れちゃったです…」
なぜか、疲れた顔を浮かべながらククルはそう呟いた
クロウ「人外は酷くない!?」
ククル「いいえ!人外でなくとも常識外ですからね。それも、とんでもない魔法なんでしょう?魔力がそれに集まってるのがわかります」
クロウ「なぁーんだ、これが魔法だってわかっちゃった?…これはね、僕の得意魔法の1つ[ゲート]だよ」
カル「[ゲート]?そんな魔法聞いたことねぇぞ?」
それもそうだろう、アイザックの書斎を読み漁っても召喚魔法の資料は少し有っても、空間魔法に関しては1つも資料がなかったのだから…
クロウ「これはね、空間魔法っていうやつなんだ。父様の書斎にも資料が1つもなかったから、結構珍しいものだと思うよ(まぁ、ギフトっていうチートだけとね…)」
ククル「へぇ、騎士様の書斎にも資料がなかったんだ。…もしかしたらクロウちゃんが、魔法を始めて使った人かもね〜」
クロウ『それはたぶん、違うだろう。女神が俺に言った言葉…『一歩間違えれば、自らを滅ぼす』だっけ?そん時の女神の顔…なんだかとても悲しい感じがした。たぶん、過去にこの魔法を使う人がいたんだろうけど…どうなったのかは、わからないが………まあ、ちょっと知りたくはあるんだけどね』

クロウ「まあ、そんなことはいいからとっととこの中に入ってよ。話はそれからだよ」


ブゥゥゥウウウン


クロウが作り出した[ゲート]をくぐると、そこは、見たことのない場所だった。
上下左右を一辺30メートルほどの壁で囲まれ何もない空間…それは、クロウが空間魔法[空間創造エリアクリエイト]で作り出した異空間だ

カル「ここは?」
ククル「うわぁ、広い!…え!?………壁が…全部魔力で出来てる?………クロウちゃん…まさかだけどこれも、空間魔法ってやつなの?」
クロウ「よくわかったね。そう、ここは僕が作り出した僕の異空間。簡単に言ったら…そうたね、僕の意思によってどんなところにもすることができる空間を作り出す、そんなところかな」
カル・ククル「「えっ!?何それ!?」」
クロウ「この魔法の凄いところはまだあるよ。例えば、複数の空間を作れるとか、このな風に…」
クロウが指を鳴らすと………突如、空間の隅にテーブルが現れ、紅茶のポットと3人分のカップ・椅子が続けて現れた。
クロウ「この空間内だったら、大概のことはなんでもできるんだ」
そして、カルの足元に向かって少しだけ強く指を鳴らすと………
カル「うおぉ!?すげぇ!剣が生えてきた!」
クロウ「それはただの剣じゃないぞ〜。それ、お前の憧れの人が使ってた剣だぜ。昔、もらったんだ〜。どうする?俺の修行についてこれるようになったら、使ってもいいけど…」
カル「そ…そんなもん………死んでもついて行くに決まってんだろぉぉぉぉ!!!」
クロウ「うんうん、いいね〜いいね〜。さて、ククルには、これかな〜」
そう言うとクロウは懐に手を入れ、ある[モノ]を取り出した
ククル「これは?形は杖だけど…木で出来てないし…杖玉[杖に着いている魔法の手助け・威力向上の効果のある、宝石や魔物のコア]が緑色…こんなの見たことない!」
クロウ「フフフ、これはね。僕の自作の杖!杖玉には、自己回復力の強い魔物のコアを使い、杖全体をトアル魔物の外殻を使ってるから、軽さと魔力伝達が普通の杖とは段違い!学園都市でも手に入るかわからないような一品!!!これも、カルと同じ条件をクリアしてくれたらククルにあげようと思ってるんだけd…」

ククル「やってやる…やってやるわよ!クロウちゃんの手作りなんて…欲しくないわけないでしょ!!!」

カル・ククル「「やってやるぞぉぉぉ!!!」」

クロウ「じゃあ、早速始めようか………」
そう言うと、サッとクロウの顔に影がかかった
クロウ「フフフ…ようこそ………人外への道へ…」

影の奥から覗く、紅蓮の双眼………


その眼は、とても…とても嬉しそうに笑っていた

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