異世界から「こんにちは」
黒服からの選択肢
ここはどこだ?
真っ暗な世界、光もなにもない。
「悩める者よ」
どこからか先程の黒服の声がする。
男か女かもわからない声を不気味に感じながら辺りを見渡す。
目の前に三つ筒状の何かが現れ、驚きで少しのけぞる。
「お前の眼前に三つの金属の筒状の箱があるだろ、その三つはそれぞれ容体や重量が違う。その中から調べながら決定したら一つ手にとって掲げろ」
なぜ、こんなことをするのか意味不明だがやってみることにした。
まずは左の箱。色は赤、重さは結構ずっしりくるから重い方なのだろう。
真ん中は色は青、重量はとても軽くて頭上に持ち上げられるくらいだ。
最後の右、色は黄色、重さはぎっしり物が詰まったくらいような重さだ。
特に悩むこともなく、左の赤い箱を手にとった。
「赤色にしたか、自分の仲間に対する熱意を表しているからな。しかし、お前は仲間を軽く見下げているのだ」
「なんだと! 俺がワコーやブルファ、シャマにリアン、太刀を下にみていると?」
「黙れ、自分の心もわからぬ者に反論する資格はない」
「早く、ここから出してくれ。現実世界に戻してくれ」
さっきからこいつ、傲慢なことばかり。
立腹しそうだ!
「ほら、お望み通り出口だ」
奥に光の枠が見える。きっとあれだろう。
ためらわずに光の枠に向かっていく。
そして、光の枠を抜けると、白い光線が目を襲ってくる。
目を手で押さえて眩しさに耐える。
眩しさが無くなり目を開けると俺が立っていたのは路地の入り口だった。
市場もまだ賑やかに盛況していた。
「青の金阿修羅よ、近寄らないようにしないと」
市場に来たのか親子が俺を見るなり、『青の金阿修羅』と呼んでいる。
「誰か追っ払ってくれ!」
え……なにこれ?
「何があったんだ、野菜屋のおじさん」
聞き覚えがある、この声は太刀だ!
「あれですよね?」
これはシャマ。
「よーし、困ってるならいっちょやるか」
これはブルファ。
三人は俺に近づいてくる。
「太刀が見つかったのか? それは良かったじゃないか……えっ?」
太刀が、剣を抜くと俺の顔に突きつけてくる。
「ブルファ、いいぞやれ」
ぶえっ!
腹をおもいっきり殴られた。
痛い、痛い痛い痛い。
その時、突きつけていた剣を鼻に太刀が突き刺してきた。
なんなのこれ?
痛い。
「シャマとどめだ」
腹に魔法の杖を当てて、埋め込まれた赤い魔法石が輝きだす。
輝きは増していく、痛みすら感じなかった。あまりに一瞬の爆発すぎた。
「リアン、さすがにその服だと街を歩けないだろ」
「私は魔法使いなんです! マントは必須なんです」
マントを強く抱き締めて上目遣いに柳眉を逆立てながら言う。
マントやとんがり帽子、さらには魔法ステッキとなると奇異すぎて、なんというか恥ずかしい。
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
それを今、考えてるんだよ。
「ならもう、ずっと家に閉じ籠って過ごします!」
「それでも構わないが、俺の居ない間一人だぞ寂しいぞ」
うーん、と考える素振りを見せ、ふと閃いたのか笑顔で勢いよく立ち上がる。
「いっそのこと結婚して夫婦になれば問題解決! そうしましょう」
「いや解決って言うより悪化してるだろ! つーか結婚なんて出来るか!」
なんでですかーと頬を軽く膨らませた。
「嫌いですか?」
「一言も言ってないぞそんなこと、むしろ可愛いと思うくらいだよ」
「あ、ありがとうございます」
少し赤くなってそっぽを向いた。
俺は学校があるので家を空けることになる、そうするとリアンがこの家に一人で過ごすことになる。
「リアン、一人で留守番できるよな?」
「なんですか、私を何歳だと思ってるんですか!」
大声で怒られてしまった。
「だいたい、私を子供として扱う時点でひどいです」
お冠状態のまま続ける。
「年齢的には一歳くらいしか変わらないんですよ!」
「まあ、その話は置いといて。これからどうしたい?」
「好きな人と結婚して子供を産んで、そしたら新しい家を買って、幸せに暮らすんです」
そこまで将来の設計ができてるのか羨ましい。
「なんとかなるまでは一人で留守番しててくれ、お願い出来るか?」
「わかりましたよ仕方ありませんねぇ」
こくりと頷いてくれる。
俺は人差し指を立たせて言う。
「一つ約束してくれ、俺の居ない間に魔法の使用をするなよ。絶対だ!」
「承知です!」
にっこりと首肯してくれた。
ひとまず、この問題はお流れにしておこう。
俺は胸を撫で下ろす気分になった。
真っ暗な世界、光もなにもない。
「悩める者よ」
どこからか先程の黒服の声がする。
男か女かもわからない声を不気味に感じながら辺りを見渡す。
目の前に三つ筒状の何かが現れ、驚きで少しのけぞる。
「お前の眼前に三つの金属の筒状の箱があるだろ、その三つはそれぞれ容体や重量が違う。その中から調べながら決定したら一つ手にとって掲げろ」
なぜ、こんなことをするのか意味不明だがやってみることにした。
まずは左の箱。色は赤、重さは結構ずっしりくるから重い方なのだろう。
真ん中は色は青、重量はとても軽くて頭上に持ち上げられるくらいだ。
最後の右、色は黄色、重さはぎっしり物が詰まったくらいような重さだ。
特に悩むこともなく、左の赤い箱を手にとった。
「赤色にしたか、自分の仲間に対する熱意を表しているからな。しかし、お前は仲間を軽く見下げているのだ」
「なんだと! 俺がワコーやブルファ、シャマにリアン、太刀を下にみていると?」
「黙れ、自分の心もわからぬ者に反論する資格はない」
「早く、ここから出してくれ。現実世界に戻してくれ」
さっきからこいつ、傲慢なことばかり。
立腹しそうだ!
「ほら、お望み通り出口だ」
奥に光の枠が見える。きっとあれだろう。
ためらわずに光の枠に向かっていく。
そして、光の枠を抜けると、白い光線が目を襲ってくる。
目を手で押さえて眩しさに耐える。
眩しさが無くなり目を開けると俺が立っていたのは路地の入り口だった。
市場もまだ賑やかに盛況していた。
「青の金阿修羅よ、近寄らないようにしないと」
市場に来たのか親子が俺を見るなり、『青の金阿修羅』と呼んでいる。
「誰か追っ払ってくれ!」
え……なにこれ?
「何があったんだ、野菜屋のおじさん」
聞き覚えがある、この声は太刀だ!
「あれですよね?」
これはシャマ。
「よーし、困ってるならいっちょやるか」
これはブルファ。
三人は俺に近づいてくる。
「太刀が見つかったのか? それは良かったじゃないか……えっ?」
太刀が、剣を抜くと俺の顔に突きつけてくる。
「ブルファ、いいぞやれ」
ぶえっ!
腹をおもいっきり殴られた。
痛い、痛い痛い痛い。
その時、突きつけていた剣を鼻に太刀が突き刺してきた。
なんなのこれ?
痛い。
「シャマとどめだ」
腹に魔法の杖を当てて、埋め込まれた赤い魔法石が輝きだす。
輝きは増していく、痛みすら感じなかった。あまりに一瞬の爆発すぎた。
「リアン、さすがにその服だと街を歩けないだろ」
「私は魔法使いなんです! マントは必須なんです」
マントを強く抱き締めて上目遣いに柳眉を逆立てながら言う。
マントやとんがり帽子、さらには魔法ステッキとなると奇異すぎて、なんというか恥ずかしい。
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
それを今、考えてるんだよ。
「ならもう、ずっと家に閉じ籠って過ごします!」
「それでも構わないが、俺の居ない間一人だぞ寂しいぞ」
うーん、と考える素振りを見せ、ふと閃いたのか笑顔で勢いよく立ち上がる。
「いっそのこと結婚して夫婦になれば問題解決! そうしましょう」
「いや解決って言うより悪化してるだろ! つーか結婚なんて出来るか!」
なんでですかーと頬を軽く膨らませた。
「嫌いですか?」
「一言も言ってないぞそんなこと、むしろ可愛いと思うくらいだよ」
「あ、ありがとうございます」
少し赤くなってそっぽを向いた。
俺は学校があるので家を空けることになる、そうするとリアンがこの家に一人で過ごすことになる。
「リアン、一人で留守番できるよな?」
「なんですか、私を何歳だと思ってるんですか!」
大声で怒られてしまった。
「だいたい、私を子供として扱う時点でひどいです」
お冠状態のまま続ける。
「年齢的には一歳くらいしか変わらないんですよ!」
「まあ、その話は置いといて。これからどうしたい?」
「好きな人と結婚して子供を産んで、そしたら新しい家を買って、幸せに暮らすんです」
そこまで将来の設計ができてるのか羨ましい。
「なんとかなるまでは一人で留守番しててくれ、お願い出来るか?」
「わかりましたよ仕方ありませんねぇ」
こくりと頷いてくれる。
俺は人差し指を立たせて言う。
「一つ約束してくれ、俺の居ない間に魔法の使用をするなよ。絶対だ!」
「承知です!」
にっこりと首肯してくれた。
ひとまず、この問題はお流れにしておこう。
俺は胸を撫で下ろす気分になった。
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