目の前に天使が現れたので日記を付けてみた

りょう

七日目⑤ 彼女の証明

「待ったユリエル、僕と君はまだ出会って一週間なのに、た、大切な人ってどういう事だよ」

「そのままの意味ですよ?」

「そのままの意味も何も、君はただ僕を幸せにするとか何とか言っていただけで」

 そこまで言って僕はある事に気がつく。人の幸せの在り方って色々あるけど、ユリエルが言いたい事ってまさか……。

「それより、ゆ、裕ちゃん、この子が天使って本当なの?」

「一応僕もそう聞いているけど。本当なのかまでは分からないよ」

「まだ私を疑っていたんですか? 私は正真正銘の天使ですよ」

「だって羽があるのに見せてくれないじゃないか」

「そ、それはまだ恥ずかしいからで……」

「裕ちゃん、それセクハラだよ? 女の子には見て欲しくないものだってあるんだから」

「桐葉はどっちの味方なの?!」

 僕はただユリエルが天使である事を証明してほしいだけで、決してそれ以外のやましい気持ちがあるわけではない。

「と、とにかく私にとって裕太様は大切な人なんです。そう簡単に渡せません」

「むむぅ」

「二人とも、まず僕の意見を聞こうか」

 勝手に盛り上がるのはいいけど、まず僕の意思がそこには一つもない。でもどちらかといえば、桐葉の方に僕の気持ちはあるけど、それが付き合うとかそういう感情なのかは分からない。

「では今決めてください。裕太様はどちらを選ぶのか」

「え?」

「そうね。それが一番いいかも」

「えぇ!?」

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