転生先は現人神の女神様

リアフィス

07 冒険者ギルド

家もできたし、結界も張った。ということでギルド行こうギルド。
冒険者登録だ。ついでに家の明かり。
ということでいざしゅつじ……。おっと、流石にこの服装はどうかと思う。
着替えたい。肌触りや着心地は良いんだが……。冒険者としてはどうだろうか。
まさに神様! 的な体のラインが出る白いワンピースなんだよなぁ。
お? ふむ……。1回家に撤収だな、うん。
出ようとしていたところをUターンしてプールをふわっと飛び越え家の中へ。
ジャンプなら《重力魔法》でどうにでもなるな。

さてさて、このまま家の中で寛ぎたいところですが、服装ですよ。
この服はマナで出来ているようで、つまりやろうとすれば私もできるわけだ?
そうなると問題はデザインだな。
現在の立場は一応王族。王族や貴族は見た目も当然気を使う。むしろそれが仕事の1つですらあるわけで。王女と言う扱いをされるからにはそれなりに着飾る必要があると思うんだが……冒険者やる時点でどうなの?
重装か軽装、もしくはローブか? スキル的にローブか。
あ、待てよ? 王女と言えばドレスだが、鎧ドレス? ドレス鎧?
まぁ、どっちでも良いがそんな便利な物があったじゃないか。
漫画やアニメで使われるあれをマルパ……リスパクリすればいいんだな。
さて、デザイン考えますか……。

とか思ったけど作りながら考える。いくらでもやり直し可能だし。
素晴らしきかな魔法。

色は黒をベースにして、上はベアトップ。下はスカートで短くていい。
ひざ上ぐらいにして、その代わり腰の部分に金属ベルト的な物を用意して、そのベルトから膝辺りまでのスカートをつけてっと。
おっと、ベルトのスカートは前部分無し。横と後ろだけにしーの。
翼の為に背中出したいところだけど……別に関係ないのよな。あれも魔力だし。
何よりベアトップで背中も出すとなると、前部分ペラって行きそうだよね。
固定すればいいだけなんだけど。いいや、背中は普通。その代わり鳩尾辺りから分けて、お腹出すか? あ、でもそうするとスカート独立させた方がいいかな。
独立したらドレスとは何なのか、ってなりそうだな……やめよう。
胸部は金属っぽい物で胸は支えるだけでいいや。
ギリギリ見えない程度にしてっと。
頭が寂しいから帽子、つばも何もない丸っこいのを頭に乗せるだけ乗せとこう。
おでこの上の方、生え際辺りから耳の上通って後頭部の方まである結構大きいやつをぽふっと乗せておいてっと。

おでこから耳の上通って後頭部の方まであるつばの一切無い丸くて大きい帽子。
ベアトップで胸を支える金属っぽい物が鳩尾までカバー。何がとは言わないが見えないぎりぎりで支えるだけ。ちなみに現状おわん型。何がとは言わないが。
腰に金属っぽいベルトから横と後ろかけて膝辺りまでのちょっとふわふわの布。
そのためスカートは膝上15センチほどのミニ。
そしてニーソックスでちゃんと絶対領域を作るのも忘れない。
靴は金属ブーツ……ブーツじゃなくていいか、金属靴っぽい物を。
後は二の腕の真ん中ぐらいまでの手袋で端っこは金属っぽくしとこう。

金属っぽい物って言ってるのは実際には金属じゃなくて、光沢とかでそれっぽく見えるってだけだから。実際素材は全てマナや魔力からの生成である。
《結界魔法》を服として見やすくした。という認識でも良いかな?

さて、格好自体はこれでいいが、問題は色だ。今のままじゃ真っ白。
ということでラインや模様を入れて行きましょう。
色はスカートの裾などの端のラインを黒にして、それ以外のラインを目と同じ紫にしますか。
帽子に三日月でも付けよう。色は……暗い紫でいいかな?
胸のプレートと腰のベルト部分、靴の金属部分は黒にしようか。
これ以外の少しさみしい所に紫のラインと模様を入れる……っと。
うん、これで良いでしょう。そしたらこれを霧散しないように固定する。
あ、パンツ! うわ、履いてない! スキャンティー? だっけあれでいいや。
セーフセーフ。良いよ黒で。これで完成!

多分めっちゃ高そうに見える! 実際は魔力なので作り放題である。
そして非常に軽く、触り心地などは意識通り再現される素晴らしさ。
大人モードになる時は帽子でも外せばいいかな?
せっかく服装も変えたし、鏡も作ったんだから大人モード確認しとくか。
せーのっ!
……でかい! 何がとは言わないがでかい!
身長はまあ、普通か? いや、この世界だと164センチは小さいのかな。
それはともかくこれ絶対栄養吸われてるよ? ちなみにおわん型から円すい型。
これは余裕で机に乗りますわ。たぷたぷのぷにぷにですわ。非常にけしからん。
……さて、戻るか。
ぽふん。
しかし、これだと幼すぎるかねぇ……。15歳ぐらいにしようか?
よっと。
……これは。栄養胸に吸われたな?現時点で大人モードと変化なし。
身長は132センチから146センチか。……まあ、これでいいか。
身長の割に落ち着いたクールなお嬢様で行きましょうかね。


ふむ、9時か。いい加減冒険者ギルド行くか。
家を出て、プールを飛び越え、土地を出る。
服作るのにそれなりにかかったはずだけど、まだ見てる人いるのね。
お前達、暇なのか? なんでいるのか私には筒抜けだからな?
まあ、安定のスルー。冒険者ギルドへ向かうのです。
土地を出て右折、そのまま大通りを真っ直ぐ進む。

北門から南門を繋ぐ縦の大通りと、東門から西門を繋ぐ大通りがある。
その大通りは馬車がすれ違っても余裕を持って歩ける程度には広く、大通りの中央は大きな水路もあり、水運として使用されている。それ以外も小さな水運用の水路が所々に存在し、橋がかかっている。そのため、割りと登り降りが激しい。

が、私は飛び越えるので関係ない。
《重力魔法》で軽くしてジャンプ、その後ゆっくり重力を戻す。
そして何事もなかったの如くそのまま歩き続けるのです。

王都は非常に活気がある。
露店でこの国で取れたであろう野菜や香辛料を買ってくおばちゃん達。
食べ歩いてる人も端っこに座って食べてる人も結構いる。
水運も荷物だけじゃなく人も運んでいるようだ。船から眺める町並みというのも良いんだろう。
この国は比較的温かいが、そこかしこに水路があるため過ごしやすい。
種族も色々いるな。人間は当然として、ほぼ全ての種族がいるんじゃない?
ほとんど森に住むエルフまでいるし。流石に亜人はいないにしても、うん、良い国だな。落ち着いたら《月の魔眼》で他の国でも眺めて回るのも良いかもしれない。

そんな事を考えながらとことこ歩いて、ぴょんぴょん飛び越え直進。
十字路の交差してる根本部分は歩道橋のような物があるのでそこを登って渡る。
渡りきったらまた右折してしばらく歩くと、左手に剣と杖が交差して、背景に盾の書かれた看板がある建物が見える。これが冒険者ギルド。

ということで到着! さっさと登録しよう。
ギルドに入ると冒険者がたくさん……それほどいなかった。
ちらほらいるようだが、皆剣や弓、斧に槍、杖とそれぞれ持っている。
うんうん、異世界だねぇ。視線が集まるがスルー。見た瞬間固まるが放置。
中は結構広く、受付が5つほどある。
冒険者用窓口が3つ、依頼用窓口が1つ、相談用窓口が1つ。
……相談用に行けば良いのかな?

「ギルドに登録したいのだけれど?」
「は、はい」

おお、この人は再起動が早いな。受付スマイル。

「青銅貨1枚になりますが、よろしいでしょうか?」

「ええ、構わないわ。あ、そうそう。推薦状があるのよ」

ストレージから推薦状を渡す。

「はい、お預かりします。……!?」

受付嬢さんが推薦状の裏を見た瞬間に驚愕である。可愛い顔が引きつっている。

「しょ、少々お待ち下さい!」

大慌てで奥に引っ込んでしまった。うん、王様直々の推薦状の効果は抜群だー。
ギルマスのところに猛ダッシュなんだろうなきっと。
ふむ、やることがない。特に記入する物とかも無いのか、それとも渡さずにダッシュしてしまったのか。依頼板でも見てみるか。

とことこ依頼板の前に行き、見上げる。そう、見上げるのだ。まあ、見えるからいいけど。
ふむ、ランク毎に色分けされて、依頼が貼りだされるのか。
と言うか依頼版がこう、な? すごい近代的と言うか、めっちゃオーバーテクノロジー感すごい。なるほど、ゲームのような世界。
ディスプレイに色分けされて依頼が表示されるのか。色は上に書いてあるな。
灰G 薄黄F 黄E 橙D 赤C 薄水B 水色A 薄紫S 紫SS 黒SSS
らしい。なんかどれにも一致しない白いのがあるがなんだろうか。

「すみません。お待たせいしました」
「構わないわ。それで、どう?」
「はい。推薦状の件ですが、ギルドマスターに会っていただけますでしょうか?」

さてさて、紹介状にはなんて書いてあったのやら。
……この人も失礼のないように、としか言われてない。
というわけで会いに行きますかね。読んだようだし、見れば内容も分かる。

「ええ、いいわよ」
「ありがとうございます。ではご案内いたします」

受付嬢は他の人に変わってもらい、私を連れて歩いて行く。
奥に入り、階段を登り、更に奥へ。そして受付嬢が扉を叩くと、中からどうぞと低い声が聞こえてきた。

「失礼します」

受付嬢が扉を開き、スタンバイしてるので私が先に入る。
部屋は派手さがなく書類が多い落ち着いた感じだ。
書類が多いのは片付いてないのか、仕事が終わってないだけなのか知らんが。

そして強面のおっさんがいた。
何この人、子供泣くで。
……この顔が素か。なんというか、苦労してそうだな。
私は気にしないが。女神になって器が大きくなったのか、単に揺れ幅が減ったのかは知らんが、この程度なら全然問題ないな。
その辺りは弄るような事言ってたし、恐らくその影響だろう。
ほう、手紙に私が月神だというのが書いてあったか。
まあ確かに、トップは知っていた方が良いのかもしれんね。

「わざわざ申し訳ない。ギルドマスターのランドルフだ」

ギルマスのランドルフは席を立ち、一礼する。
顔は強面、子供が泣くであろう程度には強面。顔にある傷のせいで余計に。
椅子に座るよう促されたため座る。恐らく私が立ってると座れないんだろう……。

「ルナフェリアよ」

名前を言われたら返すのが礼儀。簡単に返して座る。
……隣の部屋に1人。
数秒後隣の部屋から人が出てきてお茶とお菓子を置いて会釈し、帰っていった。
そうかそうか、侍女のような役割がちゃんとあるんだな。ギルマスだし当然か。
さて、ギルマスと お は な し タイム。

・・・・・・
・・・


さて、お話した結果ですが。
とりあえずステータスリングを見せてあげた。当たり前のように驚愕してた。

それと冒険者の説明も一応受けた。
冒険者は冒険者ギルドを通して仕事を受けるのが基本。
ギルドを通さない仕事はどんな問題が起きようとギルド側は一切関与しない。
ランクを上げるには自分の1つ上のランクを何回かクリアする必要がある。
ランクが上の人物が混じっている場合はクリアする回数が増える。
何回クリアする必要があるかはギルド側次第である。

SSS,SS 到達者なし
S   超級冒険者 2桁ほど
A B 上級冒険者 ベテラン
C D 中級冒険者 一人前
E F 下級冒険者 素人
G    見習い

扱いとしてはこうなっているとのこと。
そして便利な事に、ステータスリングと連携が可能らしい。
ステータスリングの色が変わるため見ればすぐ分かるようだ。
リングに色が付いている者は、冒険者、商業、生産どれかのギルドに登録をしていると言う事になる。色はどのギルドも同じで共通らしい。
大体格好で分かるし、覚えやすいためそうしていると。
そしてリングに冒険者タブが追加され、依頼の達成数と失敗数が仕事の種類ごとに表示され、現在受けている依頼内容が表示される。

丁度良いので依頼板にあった白の依頼について聞いてみた結果。
白の依頼はランクの関係無い依頼。関係ないから誰でも受けられるが、基本的に受けるものはいない。なぜなら危険過ぎるから。
誰でも達成できるからではなく、どのランクなら安全にクリアできるかが分からないため。たまに前者も混じっているが、基本的には後者の仕事になる。
受ける、受けないは当然自由で、死のうがギルドは責任持たない。
その代わりクリアできれば大金が手に入る。
そのため一攫千金を狙うものが受けて、9割は死ぬらしい。
なぜギルドに依頼として貼られているかだが、注意や警告の意味があるようだ。
この辺りにこんなのいるから近づくなら気をつけろよ? という事になる。
冒険者達は受けないが、白の依頼はそういう意味でチェックはするようだ。
特に旅して到着したばかりの街に来た時、確実に白依頼はチェックしとけ、というのが冒険者達の経験則。
基本的に白依頼はそのギルドのある街では手に余ると言う物。
つまり、このファーサイスにある白依頼は城の騎士達を出しても怪しい、と言う超高難易度依頼ということになる。
小さい街の白依頼はふらっと来た冒険者が片付けていくことがあるそうだ。
白依頼は場所によって難易度が全然違うというのも特徴だろう。
金額はどうあれ、他の依頼に比べ白依頼は報酬が美味しいため、ふらっと来た冒険者が片付けられるのは受けて行ってくれるそうで、その街としては脅威だったり切羽詰っている白依頼を片付けてくれるのは大歓迎だそう。

後は私の扱いだけど、普通に冒険者として活動するつもりだから冒険者として扱っていいと言っといた。言っといたけどどこまで効果あるかは知らん。


ということでお話終了。受付嬢さんが私の担当に。
名前はテアと言うらしい。よろしくお願いしますテアさん。
部屋を撤退し、ロビーに戻る。紅茶は美味しかったけど、お菓子がいまいち。
あれはお菓子とは言わない、ただただ甘いだけだ。
口に入れた瞬間紅茶で流し込んだ私は悪く無い。
テアさんに聞いたら高級品のお菓子だそう。しかし砂糖じゃないような?
と言うかお決まりのように甘味自体が高級品らしい。
うん、お菓子は自分で作ろう。アイス……食べたいなぁ。

そんなこんなで帰ってきましたロビー。

「少々お待ち下さい」

テアさんがなんかそれなりに厳重なところに行ってから、赤い板を持ってきた。
魔道具のようだ。これがCランクの証だろう。

「これをリングにしばらく当ててください」
「どこでもいいの?」
「はい、どこでも大丈夫です」

言われた通りてきとーに当てていると、ステータスリングに赤い板が吸い込まれてリングが赤くなった。

「そしたらこちらの球体にリングをかざして頂ければ登録完了になります。かざす前に表示してもいいステータスに変えといて下さい」

後半は小声で言われた。
受付の方に戻って、ステータスを確認してから置かれている球体にステータスリングをかざす。
するとリングと球体が一緒に光った。

「はい、これで登録完了になります」

無事に冒険者の仲間入り。
さて、どうしようかな? 明かりはどうもランプが壁にかけてあるだけだし。
もうすぐお昼なわけですが……。

「のう、テアさんや」
「はい?」
「この王都で食事をするには平均1食いくら?」
「そうですねぇ……」

屋台のような安いところから、一般的な食堂、後は高級レストランのような場所の大体の値段を教えてもらったが……。
うん、全然足りんな? いや、昼食べるぐらいはあるが、余裕が無い。
お金を稼がねばなるまいて。

「うん、余裕が無い。依頼を受けよう」
「気になる依頼があったらタッチして下さい、詳細が出ます。受けたいのがあったら長く触れて下さい。依頼が消えたらリングに仮受注状態として表示されるので受付へ行って受注状態にして下さい」
「分かったわ」

さて、依頼を選ぼうか。何があるかな?
ランクを上げるにはBを受ける必要があるが……。時間的に良いのは既に無いか。
まあ、私が欲しいのはお金なので、白か!
……んー、アンデッド、アンデッドかぁ。
背伸びして指先で触れると、目の前に小さいディスプレイが出てきた詳細が表示される。ほんと、ゲームみたい。大好物です。

ふむ、アンデッドが大量発生している場所の制圧か。
アンデッドの大群を放置しとくとより強い個体が生まれて更に厄介な事になるが、もう手遅れじゃないかな? だいぶ立ってるよ?
アンデッドが発生するレベルまで淀んでるってことは精霊達が避けるだろうし。
一番最初のクエストがアンデッドってなんか嫌だな……。
でも今これしかなしなー。

バァァン! ドタドタドタ!

「緊急事態だ! ギルマスを呼んでくれ!」
「は、はい!」

と、テアさんが走ってった。ふむ、城の騎士か。となると面倒事か。

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