2度目の人生を、楽しく生きる
10話 「セレナの成長」
「ルージュが覚える中級魔法は、隕石雨ね」
「おぉ! メテオ! かっこいい!」
「ふふ…えっとね、隕石雨はたくさんの火の球を上空から相手に落とす技よ」
「ほうほう」
「まぁルージュは前に似たような事をやってたわね」
「え?」
俺は何かやっていただろうか、いろいろな魔法を使ってきたので覚えていない。
「ほらアレよ、初めてお父さんと戦った時に見せた、上空に火球を撃って、それを風切で割って、大量の火の粉を降らす技よ」
あぁアレか、アレは自分でもいいアイデアだったと思う。
「隕石雨はそれの火の粉を大きくして威力を高めた魔法ね」
なるほど、イメージがあればやりやすい。 
この一年で魔法はイメージが大事という事が分かったのだ。
「なるほど、大量の火の球だね」
俺は集中し、上に火の玉をたくさん出すイメージをする。
「よし……出ろ!」
魔力を込めたが、俺の上に出たのは2個の火の玉だった。
あ、あれ? 2個…?
「あー…どうやらルージュもセレナちゃんみたいに魔力をうまく使えてないようね」
「あ、魔力を貯めるってやつだっけ」
「えぇそうよ、魔力を溜めて、より強い魔法を出すの。
ルージュも前にやった事があるはずよ」
「え?」
「ルージュが火魔法の大きさと威力を上げる時にやっていたやつよ」
あぁ、威力を上げるのにも魔力を使うのか。
やった事があるというなら簡単かもしれない。
「なるほどね、じゃあもう一回やってみるよ」
「えぇ、火の球を6〜7個出して、うまく的に当てられれば成功よ」
「分かった」
俺は体内の魔力を溜める、いつもよりも集中し、いつもよりも長く、そしていつもより細かくイメージする。
出すのは大量の火の球、それを頭上にとどめる、そしてそれを全て的に落とすという細かなイメージ。
「よし……出ろっ!」
まずは火の玉を出す事に集中し、出す。
すると俺の頭上に火の球がでる………10個も
どうやら魔力を溜めすぎたせいで火の球の数が増えたようだ。
「これを的に……」
俺は手を上に上げ、火の球を空中に上げる、そして空中にとどめる。
「隕石雨‼︎」
俺は手を振り下ろす、すると火の球が一気に的に向かって飛んでいく、火の球1つ1つが火球よりも大きい球だ。
ドドドドドドドドドドド‼︎‼︎
という大きな音がなり、火の球が落ちた場所に砂埃が舞う。
「うわっ…見えないな、突風」
俺は砂埃を突風で飛ばす、すると火の球が落ちた場所はクレーターが出来ていた。
「あっ、的が…」
俺が狙った的は粉々になっていた、凄い威力だ。
「母さん、的壊れちゃったよ」
「え、えぇ…そうね、母さんビックリよ…あなた達凄すぎるわ…」
フローラは驚いた顔のまま言った、俺も正直驚いている、少しいつもより長く溜めただけでこれだ、もっと長く溜めたらどうなるのだろうか。
フローラはセレナを呼び、俺とセレナは横に並んだ。
「えー…これで二人共見事に中級魔法を覚える事に成功しました。
明日からは今使える魔法の強化を中心にやっていこうと思います。
2人とも、ここまでよく頑張りました、母さんはあなた達にずっと驚かされてばかりでした」
最後の方はフローラは苦笑いになりながら言った。
どうやらこれからはもう新しい魔法を覚えるわけではなく、最後の調整に入るらしい。
フローラは今日まで毎日俺たちの特訓に付き合ってくれた、ちゃんと感謝をしておこう。
俺とセレナは頭を下げた、事前に打ち合わせをしていたわけではないのに、2人とも同時に頭を下げたのだ。
「「今までありがとうございました‼︎」」
最後のお礼まで息ぴったりだった。
「ふふふ……どういたしまして」
そう言ってフローラは俺たちの頭を撫でた。
「さて、魔術は終わりだけど、これから2人はお父さんとの戦いがあるでしょ?」
そうだ、ディノスと戦うのだ。
今日まで1週間に1回はディノスと模擬戦をやってきたが、1度も勝てなかった、セレナも初日以来1度もディノスに勝てていない。
はっきりいって、ディノスは強すぎるのだ、俺たちがどんな攻撃をしても驚きはするが当たりはしない、全て避けるのだ。
剣術魔導学園に行くまでに、一撃はいれてやりたい。
「お父さんは強いでしょう? 」
「うん」
「はい」
「でもね、この世界に勝てない人なんて絶対いないの、だから頑張ってね」
そう言ってフローラはまた頭を撫でてくる。
「あ、噂をすれば…帰ってきたわよ」
俺たちの元にディノスが戻ってきた、ディノスは何故か汗をかいていた。
「と、父さん? どうしたのその汗」
「ん? 身体を温めるために走ってきた」
「身体を温める? 何のためにですか?」
「決まってるだろ? お前達と戦うからだよ、油断したら負けるかもしれないしな」
ディノスは…本気だ。
今までの模擬戦の中で1番本気の顔をしている。
「俺は今日本気でやる、だからお前らも俺を敵だと思ってかかってこい、手加減は無用だ、魔法だろうが剣だろうが全力でこい」
オリジナル技と中級魔法があるとはいえ、決して油断は出来ない。
魔力を溜めれば魔法の威力が上がるというのは分かった、今日はそれも使って戦おう。
「さて、早速始めるか。 順番はいつも通り、セレナちゃんからだ」
「はい!」
セレナとディノスの戦いが始まる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
セレナとディノスは今お互いに数歩離れて向き合っている。
「セレナちゃん、1つアドバイスだ。
君は魔法の威力は素晴らしいが、接近戦は苦手みたいだ、近づかれるといつもパニックになって正しい判断が出来ていない」
「はい……」
それは俺も感じていた、セレナはいつも遠距離から魔法を撃ちまくるという戦い方をしている、だが魔法を避けられて接近されると慌てて剣を落とす事が多いのだ。
「でもセレナちゃんは身軽だし、足が速い。 今は怯えているみたいだが、それを克服できればもっと強くなれるぞ」
「克服…はい! 頑張ります!」
「おう、その意気だ。 では、始めるぞ」
急に真剣な表情になり、お互い剣を構える。
そして、フローラが立ち上がり
「では……始め‼︎」
フローラの合図で戦闘が始まる、先に動いたのはディノスだ、ディノスはすごいスピードでセレナに向かっていく。
対するセレナは…
「氷結‼︎」
ディノスの進行方向を凍らせた。
ん? 凍らせた?
「か、母さん? セレナが氷魔法使ってるけど…」
「か、母さんもビックリよ…え? なんで? 私教えてないのに…」
フローラもビックリしていた、だがセレナは実際に水魔法と風魔法の混合魔術である氷魔法を使っている。
という事はセレナは独学で複合魔術を覚えたのだろう。
見ればセレナが出した氷はディノスの方に尖っていた、当たれば怪我をするだろう。
セレナも本気なのだ。
「氷結弾!」
セレナはすかさずディノスに向かって氷の弾丸を撃つ、尋常でないスピードだ。
「くっ…!」
ディノスはそれを横に飛んでかわす。
「やああっ!」
そしてセレナはなんとディノスに突きをした、自分から接近戦をしにいったのだ。
だがそれをディノスは驚きつつも冷静に対処している。
「閃光‼︎」
セレナが斬り上げをして、ディノスが避けた瞬間、セレナは剣を持っていない左手をディノスに向け、光魔法の閃光を使う。
するとピカッ! と眩しい光が出る。 間近で受けたディノスはしばらく目を開けられないだろう。
「やあっ!」
セレナわディノスの腹を思いきり斬る、ディノスは少し後ろに飛ばされたが、すぐに持ち直す。
「ぐっ…! 」
ディノスは目を擦っている、セレナは直ぐに距離を取り。
「光矢‼︎」
セレナは10本の矢を出し、それをディノスに放つ。
ディノスはようやく目が見えるようになり……
「ちっ…! 」
見えるようになったばかりなのに直ぐに剣を使って光の矢を打ち落としていく。
「突風‼︎」
セレナは地面に突風を撃ち、セレナは空中に飛ぶ。
あれは俺がやっているやつと同じだ。
「空中…? 何をする気……⁉︎」
セレナの方を見ると、セレナの周りに大量の光の矢があった。
約50本くらいだろうか、何度見ても多い。
「閃光矢‼︎」
空中から大量の光の矢がディノスに降り注ぐ、ディノスは10本なら対処できるようだが、50本ともなると対処するのは難しいらしい。
「くそっ…! 竜巻‼︎」
なんとディノスは風魔法を使い竜巻を発生させ、光の矢を全て落とした。
「あらあら、魔法を使うなんて…よっぽど焦ったのね」
クスクスと笑いながらフローラは言った。
俺は正直に凄いと思った、あのディノスを焦らせ、魔法を使わせたセレナを…
セレナは空中から地面にゆっくりと落ちていく、そこにディノスは走っていく。
「空中から降りる時が1番隙だらけなんだ!」
「知ってます……よっ‼︎」
セレナは地面に手を向け突風を撃つ、するとセレナの周りに凄まじい程の砂埃が舞う。
「うわっ!」
ディノスとセレナの姿は砂埃のせいでよく見えない。
だが中では木刀と木刀がぶつかる音が聞こえる、どうやら接近戦をしているらしい。
「竜巻‼︎」
ディノスの魔法により、一瞬で砂埃が消える。 
そして2人の姿が見える。
セレナはディノスから距離を取っていた。
「氷結‼︎」
セレナはディノスが立っている位置に氷を作る、ディノスは素早く避け、氷は上に伸びていく。
「氷結‼︎」
だがセレナはディノスが避けた所にもう一度氷を作る、それを後3回ほど繰り返し、ディノスの周りには氷の塔が5本ほど出来ていた。
「風切!」
セレナはディノスの頭上に風切を撃つ。
「どこに撃ってるんだ? 流石に疲れたか?」
ディノスは気づいてないみたいだが、遠くから見ている者は気づいた。
セレナの風切が氷の塔に当たり、氷が崩れ、氷の塊がディノスに落ちていく事に。
「…ん? 影…? っ⁉︎」
ディノスは足元の影を見て気づいたのだろう、ディノス前方に転がって避ける。
その数秒後にディノスのいた場所に氷が落ちる。
「ふぅ…あぶねぇ… 「閃光矢‼︎」 …っ!」
ディノスが安心する暇を与えず、セレナは閃光矢を撃つ
「ちっ…! 竜巻‼︎」
ディノスはそれを竜巻で全て撃ち落とし、落とした後素早くセレナの元へ走る。
「くっ! 突風‼︎ 風切‼︎ 水球‼︎ 氷結‼︎」
セレナは近づかれまいといろいろな魔法を使うが、ディノスはそれらを全て回避しながら、セレナの前へ到着する。
「っ! や、やああっ!」
セレナは突きをした、だがディノスはセレナの木刀を片手で掴む
「正直驚いたぞセレナちゃん、将来が楽しみだ」
そういってディノスはセレナの腹を思いきり斬る、セレナは防具を着ていたので気絶はしなかったが、そのまま後ろへ飛ばされた。
セレナは立ち上がることが出来ないでいる、きっともう体力が限界なのだろう。
そりゃそうだ、魔力は大量にあっても、まだ10歳の女の子なのだから。
「勝負あり! この勝負、ディノスの勝利!」
フローラの合図により、セレナとディノスの勝負は終わった。
「おぉ! メテオ! かっこいい!」
「ふふ…えっとね、隕石雨はたくさんの火の球を上空から相手に落とす技よ」
「ほうほう」
「まぁルージュは前に似たような事をやってたわね」
「え?」
俺は何かやっていただろうか、いろいろな魔法を使ってきたので覚えていない。
「ほらアレよ、初めてお父さんと戦った時に見せた、上空に火球を撃って、それを風切で割って、大量の火の粉を降らす技よ」
あぁアレか、アレは自分でもいいアイデアだったと思う。
「隕石雨はそれの火の粉を大きくして威力を高めた魔法ね」
なるほど、イメージがあればやりやすい。 
この一年で魔法はイメージが大事という事が分かったのだ。
「なるほど、大量の火の球だね」
俺は集中し、上に火の玉をたくさん出すイメージをする。
「よし……出ろ!」
魔力を込めたが、俺の上に出たのは2個の火の玉だった。
あ、あれ? 2個…?
「あー…どうやらルージュもセレナちゃんみたいに魔力をうまく使えてないようね」
「あ、魔力を貯めるってやつだっけ」
「えぇそうよ、魔力を溜めて、より強い魔法を出すの。
ルージュも前にやった事があるはずよ」
「え?」
「ルージュが火魔法の大きさと威力を上げる時にやっていたやつよ」
あぁ、威力を上げるのにも魔力を使うのか。
やった事があるというなら簡単かもしれない。
「なるほどね、じゃあもう一回やってみるよ」
「えぇ、火の球を6〜7個出して、うまく的に当てられれば成功よ」
「分かった」
俺は体内の魔力を溜める、いつもよりも集中し、いつもよりも長く、そしていつもより細かくイメージする。
出すのは大量の火の球、それを頭上にとどめる、そしてそれを全て的に落とすという細かなイメージ。
「よし……出ろっ!」
まずは火の玉を出す事に集中し、出す。
すると俺の頭上に火の球がでる………10個も
どうやら魔力を溜めすぎたせいで火の球の数が増えたようだ。
「これを的に……」
俺は手を上に上げ、火の球を空中に上げる、そして空中にとどめる。
「隕石雨‼︎」
俺は手を振り下ろす、すると火の球が一気に的に向かって飛んでいく、火の球1つ1つが火球よりも大きい球だ。
ドドドドドドドドドドド‼︎‼︎
という大きな音がなり、火の球が落ちた場所に砂埃が舞う。
「うわっ…見えないな、突風」
俺は砂埃を突風で飛ばす、すると火の球が落ちた場所はクレーターが出来ていた。
「あっ、的が…」
俺が狙った的は粉々になっていた、凄い威力だ。
「母さん、的壊れちゃったよ」
「え、えぇ…そうね、母さんビックリよ…あなた達凄すぎるわ…」
フローラは驚いた顔のまま言った、俺も正直驚いている、少しいつもより長く溜めただけでこれだ、もっと長く溜めたらどうなるのだろうか。
フローラはセレナを呼び、俺とセレナは横に並んだ。
「えー…これで二人共見事に中級魔法を覚える事に成功しました。
明日からは今使える魔法の強化を中心にやっていこうと思います。
2人とも、ここまでよく頑張りました、母さんはあなた達にずっと驚かされてばかりでした」
最後の方はフローラは苦笑いになりながら言った。
どうやらこれからはもう新しい魔法を覚えるわけではなく、最後の調整に入るらしい。
フローラは今日まで毎日俺たちの特訓に付き合ってくれた、ちゃんと感謝をしておこう。
俺とセレナは頭を下げた、事前に打ち合わせをしていたわけではないのに、2人とも同時に頭を下げたのだ。
「「今までありがとうございました‼︎」」
最後のお礼まで息ぴったりだった。
「ふふふ……どういたしまして」
そう言ってフローラは俺たちの頭を撫でた。
「さて、魔術は終わりだけど、これから2人はお父さんとの戦いがあるでしょ?」
そうだ、ディノスと戦うのだ。
今日まで1週間に1回はディノスと模擬戦をやってきたが、1度も勝てなかった、セレナも初日以来1度もディノスに勝てていない。
はっきりいって、ディノスは強すぎるのだ、俺たちがどんな攻撃をしても驚きはするが当たりはしない、全て避けるのだ。
剣術魔導学園に行くまでに、一撃はいれてやりたい。
「お父さんは強いでしょう? 」
「うん」
「はい」
「でもね、この世界に勝てない人なんて絶対いないの、だから頑張ってね」
そう言ってフローラはまた頭を撫でてくる。
「あ、噂をすれば…帰ってきたわよ」
俺たちの元にディノスが戻ってきた、ディノスは何故か汗をかいていた。
「と、父さん? どうしたのその汗」
「ん? 身体を温めるために走ってきた」
「身体を温める? 何のためにですか?」
「決まってるだろ? お前達と戦うからだよ、油断したら負けるかもしれないしな」
ディノスは…本気だ。
今までの模擬戦の中で1番本気の顔をしている。
「俺は今日本気でやる、だからお前らも俺を敵だと思ってかかってこい、手加減は無用だ、魔法だろうが剣だろうが全力でこい」
オリジナル技と中級魔法があるとはいえ、決して油断は出来ない。
魔力を溜めれば魔法の威力が上がるというのは分かった、今日はそれも使って戦おう。
「さて、早速始めるか。 順番はいつも通り、セレナちゃんからだ」
「はい!」
セレナとディノスの戦いが始まる。
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セレナとディノスは今お互いに数歩離れて向き合っている。
「セレナちゃん、1つアドバイスだ。
君は魔法の威力は素晴らしいが、接近戦は苦手みたいだ、近づかれるといつもパニックになって正しい判断が出来ていない」
「はい……」
それは俺も感じていた、セレナはいつも遠距離から魔法を撃ちまくるという戦い方をしている、だが魔法を避けられて接近されると慌てて剣を落とす事が多いのだ。
「でもセレナちゃんは身軽だし、足が速い。 今は怯えているみたいだが、それを克服できればもっと強くなれるぞ」
「克服…はい! 頑張ります!」
「おう、その意気だ。 では、始めるぞ」
急に真剣な表情になり、お互い剣を構える。
そして、フローラが立ち上がり
「では……始め‼︎」
フローラの合図で戦闘が始まる、先に動いたのはディノスだ、ディノスはすごいスピードでセレナに向かっていく。
対するセレナは…
「氷結‼︎」
ディノスの進行方向を凍らせた。
ん? 凍らせた?
「か、母さん? セレナが氷魔法使ってるけど…」
「か、母さんもビックリよ…え? なんで? 私教えてないのに…」
フローラもビックリしていた、だがセレナは実際に水魔法と風魔法の混合魔術である氷魔法を使っている。
という事はセレナは独学で複合魔術を覚えたのだろう。
見ればセレナが出した氷はディノスの方に尖っていた、当たれば怪我をするだろう。
セレナも本気なのだ。
「氷結弾!」
セレナはすかさずディノスに向かって氷の弾丸を撃つ、尋常でないスピードだ。
「くっ…!」
ディノスはそれを横に飛んでかわす。
「やああっ!」
そしてセレナはなんとディノスに突きをした、自分から接近戦をしにいったのだ。
だがそれをディノスは驚きつつも冷静に対処している。
「閃光‼︎」
セレナが斬り上げをして、ディノスが避けた瞬間、セレナは剣を持っていない左手をディノスに向け、光魔法の閃光を使う。
するとピカッ! と眩しい光が出る。 間近で受けたディノスはしばらく目を開けられないだろう。
「やあっ!」
セレナわディノスの腹を思いきり斬る、ディノスは少し後ろに飛ばされたが、すぐに持ち直す。
「ぐっ…! 」
ディノスは目を擦っている、セレナは直ぐに距離を取り。
「光矢‼︎」
セレナは10本の矢を出し、それをディノスに放つ。
ディノスはようやく目が見えるようになり……
「ちっ…! 」
見えるようになったばかりなのに直ぐに剣を使って光の矢を打ち落としていく。
「突風‼︎」
セレナは地面に突風を撃ち、セレナは空中に飛ぶ。
あれは俺がやっているやつと同じだ。
「空中…? 何をする気……⁉︎」
セレナの方を見ると、セレナの周りに大量の光の矢があった。
約50本くらいだろうか、何度見ても多い。
「閃光矢‼︎」
空中から大量の光の矢がディノスに降り注ぐ、ディノスは10本なら対処できるようだが、50本ともなると対処するのは難しいらしい。
「くそっ…! 竜巻‼︎」
なんとディノスは風魔法を使い竜巻を発生させ、光の矢を全て落とした。
「あらあら、魔法を使うなんて…よっぽど焦ったのね」
クスクスと笑いながらフローラは言った。
俺は正直に凄いと思った、あのディノスを焦らせ、魔法を使わせたセレナを…
セレナは空中から地面にゆっくりと落ちていく、そこにディノスは走っていく。
「空中から降りる時が1番隙だらけなんだ!」
「知ってます……よっ‼︎」
セレナは地面に手を向け突風を撃つ、するとセレナの周りに凄まじい程の砂埃が舞う。
「うわっ!」
ディノスとセレナの姿は砂埃のせいでよく見えない。
だが中では木刀と木刀がぶつかる音が聞こえる、どうやら接近戦をしているらしい。
「竜巻‼︎」
ディノスの魔法により、一瞬で砂埃が消える。 
そして2人の姿が見える。
セレナはディノスから距離を取っていた。
「氷結‼︎」
セレナはディノスが立っている位置に氷を作る、ディノスは素早く避け、氷は上に伸びていく。
「氷結‼︎」
だがセレナはディノスが避けた所にもう一度氷を作る、それを後3回ほど繰り返し、ディノスの周りには氷の塔が5本ほど出来ていた。
「風切!」
セレナはディノスの頭上に風切を撃つ。
「どこに撃ってるんだ? 流石に疲れたか?」
ディノスは気づいてないみたいだが、遠くから見ている者は気づいた。
セレナの風切が氷の塔に当たり、氷が崩れ、氷の塊がディノスに落ちていく事に。
「…ん? 影…? っ⁉︎」
ディノスは足元の影を見て気づいたのだろう、ディノス前方に転がって避ける。
その数秒後にディノスのいた場所に氷が落ちる。
「ふぅ…あぶねぇ… 「閃光矢‼︎」 …っ!」
ディノスが安心する暇を与えず、セレナは閃光矢を撃つ
「ちっ…! 竜巻‼︎」
ディノスはそれを竜巻で全て撃ち落とし、落とした後素早くセレナの元へ走る。
「くっ! 突風‼︎ 風切‼︎ 水球‼︎ 氷結‼︎」
セレナは近づかれまいといろいろな魔法を使うが、ディノスはそれらを全て回避しながら、セレナの前へ到着する。
「っ! や、やああっ!」
セレナは突きをした、だがディノスはセレナの木刀を片手で掴む
「正直驚いたぞセレナちゃん、将来が楽しみだ」
そういってディノスはセレナの腹を思いきり斬る、セレナは防具を着ていたので気絶はしなかったが、そのまま後ろへ飛ばされた。
セレナは立ち上がることが出来ないでいる、きっともう体力が限界なのだろう。
そりゃそうだ、魔力は大量にあっても、まだ10歳の女の子なのだから。
「勝負あり! この勝負、ディノスの勝利!」
フローラの合図により、セレナとディノスの勝負は終わった。
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