ヒーローライクヒール

手頃羊

その3・森とゾンビの頭

次々と触手を伸ばして攻撃してくる。

(攻撃して相手を弱らせてから捕まえる作戦か?)
両手に剣を1本ずつ持って、触手を弾く。
触手を斬ろうにも、少し刃を当てた程度では傷も付かない。
鋭く放たれた触手を避け、地面に突き刺さった所を思い切り斬りつける。
何とか1本切断はできたものの、本体は特に苦しそうにしていない。

(触手にダメージを与えれば本体も弱る作戦、はダメか…なら本体を直接!)
触手を避けながら本体に近づき、剣で殴る。
少し唸ったような声を出し、触手が集中的に飛んできたので一旦下がる。

(そんなに効いてない気がするな…じゃあ体を直接殴るのも良くない。次はどうする?正面がダメなモンスターには背中から狙うパターン?)
巨大生物が口をすぼめ、中のゾンビと人間を全て吹き出す。
口の中から溢れ出ていた粉のようなものは全く出なくなっていた。

(ON・OFFをいじれるってことか?)
ゾンビと人間達が立ち上がる。
さっきまで人間だった者たちは全てゾンビになったようで、クロノやアクアを見つけると近づいてくる。
巨大生物は、今度はアクアを視界に捉え、大きな口を開ける。
中からゴポゴポという音がする。

(まさか、ゾンビにする液体をぶちまける気か⁉︎)

クロノ「アクアさん‼︎液体に注意して‼︎」

アクア「液⁉︎ゾンビに変わるやつかい⁉︎」
アクアに向かって灰色の液体がレーザーのように放たれる。

アクア「おおっと‼︎こいつは冗談じゃない‼︎」
レーザーに触れたゾンビや木々が次々とバラバラにされていく。

(ゾンビどうこうじゃなくて威力が半端ねぇ…)
アクアが逃げるのを追いかけるように体を回転させてレーザーを放ち続ける。

(止めないと…どうすれば止まる?口の中を攻撃するか?)
回転する体の真ん中にある口を銃で狙う。
魔力を込め、グレネードランチャーのように放射状に魔力の塊を飛ばす。
口の中に入った所で、爆発。
レーザー攻撃は止んだが、ビクともせずにまだアクアを見続けている。

(口の中もダメ…やっぱ背中?背中に何かないか?)
触手を避けながら背中に廻る。
背中の下の方から触手が4本生えてきている。
その上に、何かが刺さっていたような大きい穴がある。

(なんだあの穴…まさか?)
飛び上がり、穴の中に向かって銃を撃つ。
声を上げながら4本の触手で守るように穴の周りを囲む。

(ここで間違いないな。)

クロノ「アクアさん!」

アクア「はいはい!なんだい⁉︎」

クロノ「こいつの背中に穴があります!そこが弱点です!」

アクア「はいよ!」
アクアが背中の方へ移動する。
それに合わせて正面に向かう。

(気を引かなきゃ。どうする?顔でも殴るか?)
飛び上がって巨大生物の体にしがみつく。
目に剣を突き立てようとするが、瞼を閉じられ弾かれる。

(でも目を狙うのは間違いじゃないはずだ‼︎)
瞼の隙間を狙って剣を突き立てようとする。
そのせいで背後から来る触手に気づかず、2本の触手に捕まってしまった。

クロノ「うわっ‼︎」
体に巻きつき、そのまま締めつける。

(やばい!折れる!)
魔力強化で防御を固めるが、それでも締めつけの方が強く、数秒も耐えられない。

(ゾンビにせずに殺すつもりか…‼︎)
顔がにやけているように見える。

(やってやったぜってか…)

クロノ「それならこっちこそやってやったぜ?4本でようやく埋まる穴なのに俺を触手で掴んだら、どうやって後ろの穴を守るんだ?」
巨大生物の背後には僅かな隙間さえあれば矢を通す狩人がいるのである。
巨大生物の背中が爆発する。
アクアが背中の穴に3本の矢を放ち、
中で魔力を爆発させる。
合計3回の爆発が巨大生物を襲う。
1度目で苦しそうな声をあげ、2度目でクロノを掴んでいて触手から力が抜け、3度目の時には既に動かなくなっていた。

アクア「あんな隙間射抜けないようじゃ森では生きていけないよ。」

クロノ「勝ったんですよね?」

アクア「さすがに生きちゃいないだろ。で、どうする?元凶調べるかい?それとも戻るかい?」

クロノ「いや、調べます。」

(せめて何かヒントくらいは見つかってくれると嬉しいんだが…)
巨大生物の体によじ登り、アクアが爆破した穴の中を見る。

クロノ「なんだこれ。」
金属の大きな差し込み口のようなものがある。

(コンセント?随分人工的だぞおい…こんなのまるで…)

アクア「そこにいるのは誰だ‼︎」

クロノ「え?」
アクアが弓を引いて茂みの奥を狙っている。

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