異界に迷った能力持ちの殺人鬼はそこで頑張ることにしました
17話 愛しい騎士の最期
テラスは走った。
死ぬほど走った。
背後から自分が好きな人の雄叫びが聞こえる。
それでも振り向かずに走った。
抱えている少女もそんなテラスに察したのか縮こまっている。
途中、仲間の騎士たちと国の兵士たちと合流した。
全員が笛の音と雄叫びに集まった者達だった。
テラスはそのうちの1人に少女を預けると一目散に今来た道を戻る。
無事でいてくれ。
絶対無事でいてくれ。
必死に願う。
彼女の無事を。
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路地裏に戻った彼が最初に見たのは、とても残酷な運命だった。
ボロ切れのようにズタズタに引き裂かれた彼女の体が横たわり、その臓物があちこちに飛び散っている。
吐きそうになる。
彼はよろめきながら壁に手をつく、ぬちゃりと手に生温かい感触がしたので見てみる。
彼女の血だ。しかも普通の血ではない、どう考えても臓物の一部が付いている血だ。
それを見てもう限界だった。
彼はその場に胃のすべてを出すように吐き出してしまった。
そうして少し吐いて地面を見ると、今度は彼女の手足が無残にも自分のすぐそばに転がっていた。
もうダメだった。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
もうダメだ。もうダメだ。もうダメだ。もうダメだ。
もう無理だ。
彼は絶望し、剣を抜いて自分の喉元を刺そうとする。
けれど、その前に手が止まる。
彼女は最期になんて言った?
生きろと言った。
それを思い出し、力無く剣を地面に投げるテラス。
そのまま地べたに座り込んで、彼女の血溜まりの中で顔を俯かせる。
彼はただ泣く。
悔しくて悔しくて。
テラスの慟哭が、シャデアと同じくらいこの国に響く。
死ぬほど走った。
背後から自分が好きな人の雄叫びが聞こえる。
それでも振り向かずに走った。
抱えている少女もそんなテラスに察したのか縮こまっている。
途中、仲間の騎士たちと国の兵士たちと合流した。
全員が笛の音と雄叫びに集まった者達だった。
テラスはそのうちの1人に少女を預けると一目散に今来た道を戻る。
無事でいてくれ。
絶対無事でいてくれ。
必死に願う。
彼女の無事を。
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路地裏に戻った彼が最初に見たのは、とても残酷な運命だった。
ボロ切れのようにズタズタに引き裂かれた彼女の体が横たわり、その臓物があちこちに飛び散っている。
吐きそうになる。
彼はよろめきながら壁に手をつく、ぬちゃりと手に生温かい感触がしたので見てみる。
彼女の血だ。しかも普通の血ではない、どう考えても臓物の一部が付いている血だ。
それを見てもう限界だった。
彼はその場に胃のすべてを出すように吐き出してしまった。
そうして少し吐いて地面を見ると、今度は彼女の手足が無残にも自分のすぐそばに転がっていた。
もうダメだった。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
もうダメだ。もうダメだ。もうダメだ。もうダメだ。
もう無理だ。
彼は絶望し、剣を抜いて自分の喉元を刺そうとする。
けれど、その前に手が止まる。
彼女は最期になんて言った?
生きろと言った。
それを思い出し、力無く剣を地面に投げるテラス。
そのまま地べたに座り込んで、彼女の血溜まりの中で顔を俯かせる。
彼はただ泣く。
悔しくて悔しくて。
テラスの慟哭が、シャデアと同じくらいこの国に響く。
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