学校一のオタクは死神でした。

ノベルバユーザー203842

鬼神の日常ーその1ー

*鬼神の日常ーその1ー*

僕は一光学園中等部2年2組の神藤しんどう希里きりと言います。
鬼神といういわゆる神様です。まぁ、神って言っても名前の通り鬼の神なんですがね…
ええっと…このコーナーではこの僕の日常生活をお見せしちゃうというコーナーですぅうええ⁉︎
え⁉︎コレ本当にやるんですか作者さん⁉︎この物語の主人公って兄上ですよね⁉︎え?書けって誰々さんから言われた⁉︎そんなの断ればいいじゃないですか‼︎え?とりあえず頑張れってちょっと⁉︎なんか凄い無茶振り振られてるんですが⁉︎え?アレ⁉︎ちょっと作者さん⁉︎どこに逃げるつもりですか⁉︎え?ナンクルナイサー?いやいやウチナーヤマトグチでどうにかなるさって言われても困るんですけど⁉︎って居ない⁉︎ちょッ⁉︎戻ってきてくださいよーー‼︎
………………。
………………………………。
では、『鬼神の日常』のをどうぞお楽しみください…

* * *

「………………。」
少しづつ暖かくなってきた4月の朝、一光学園中等部昇降口前で鬼神…神藤 希里は自分のスリッパが入っているはずのローカーの前で立ち尽くしていた…
「………………………。」
コレ…本当にどうすればいいんでしょうか…?
目の前にあるのは一足のスリッパとその上にあるハートのシールで封を閉じられた真っ白の封筒……いわゆる“ラブレター”……
「はぁ………」
ため息をつくのも無理はない…何故か?
男だったら靴箱の中にラブレターなどが入っていればそのままグラウンド一周を全速力で走ってしまうくらい喜び、天にも昇る心地になるだろう…“だが”…もし、それが“毎日のように起こっていたら”?日によっては“二、三通入っていたら”どうだろう?
「はぁ………」
完全にうな垂れていた…
スリッパだけ取って見なかったことにしようか…
いやいや、それは相手に流石に失礼か…
一様、封筒を手に取りポケットの中に入れた…
そして、スリッパを足元に落とし、教室に向かう…

* * *

教室に入り、カバンの中身を机の中に入れ、空っぽになったカバンを膝の上に置き、ポケットの中から先ほどの封筒を取り出し、カバンの中で開けてみる…
『今日の放課後、大事なお話があります体育館裏で待っています。絶対に来てください❤︎』
………………。
やっぱりラブレターだった…
これが果たし状だったらどんなに楽だったことか…
鬼神…それが希里の正体であるため、力は人間に負けるわけがない…
しかし、いつも下駄箱に入っているのはラブレターばかり…
良いのか悪いのかよく分からない…
「はぁ…僕にも好きな人はいるのにな…」
誰にも聞こえない声でそう呟いた…
そう、希望 里にはずっと好きな人がいた…
その好きは、間違いなく恋愛感情のある好きだった…
「はぁ…この際、好きな人がいるって公開しようかな…はぁ…」
ふと顔を上げると何やら複数の視線を感じた…
その視線の元は……
おや…?コレはもしかして…

* * *

その日の放課後…
手紙に書いてあった通り、体育館裏に向かってみる…
目の前の角を曲がれば手紙の相手とご対面という訳だ…
そして、角を曲がった瞬間…
ーヒュッ‼︎
自分の頭めがけて何かが飛んできた…
それを軽く手で受け止め握り上げる…
「イタタタタダダダダダダタタタタタタ‼︎‼︎」
その声は明らかに可愛らしい女の子の声ではなく、もっと低かった…
手につかんでいたのは拳だった…
そして前を見やると、一年から三年の数人の男子たちが勢ぞろいしていた…
やっぱり、ラブレターに見せかけた果たし状か…
男の中には自分と同じクラスの者もいた…
「何か僕に御用でしょうか?先輩?後輩?」
「はぁ⁉︎何か御用でしょうかじゃねえだろ‼︎テメェ何しやがる‼︎‼︎」
男の中の一際ひときわデカイ男がそう答えた…
「お言葉を返すようですが、先に手を出したのは貴方方あなたがたですよね?正当防衛ですよ?正当防衛。」
「ぬッ‼︎そのん中とは関係ねえ‼︎‼︎テメェ二年のクセに毎日のようにラブレターや告白ざんまいで随分ずいぶんと羨ま…調子に乗ってるそうじゃないか‼︎あぁん‼︎」
「いや、好きでもらっている訳じゃないんですけど…正直、そろそろやめて欲しいんですけど…」
「ハァア⁉︎何言ってんだテメェ‼︎」
「調子に乗るな‼︎」
「そうだそうだ‼︎」
「いや、乗っていませんけど…それで、結局何の用なんですか?」
「ふざけんじゃねぇよ‼︎今日はたっぷりと可愛がってやりにきたんだよ‼︎じっくり、みっちりとな‼︎‼︎」
「そうですか………」
「やっちまえ、大将‼︎」
「ギッタンギッタンにしてやれ‼︎」
「まずはどこから狙おうか…まずはその憎たらしい顔からだ‼︎‼︎」
そして、男は拳を振り上げた瞬間…
「最初に言って置きましょう先輩…」
希里が声を発した瞬間…空気が変わった…
濃密な何かが体にまとわりつくような感覚を覚える…
男の体が一瞬硬直した…
「調子に乗っているのは先輩の方ですよ…?」
「ち調子に乗りやがってぇええ‼︎‼︎‼︎」
そして、男は高くあげた拳を拳を振り下ろした…
「まったく…止めとけば良いのに…」
片手につかんでいた男の拳を放り投げ、振り下ろされた男の拳を力軽く避け、その勢いを利用するように、腕を両手で掴み校舎へと投げつけた…
バッシーンっと音を立て男が壁に張り付いた…
そしてゆっくりと地面に落ち、倒れた…
「「「「「なっ⁉︎⁉︎」」」」」
「ふぅ…まだやりますか?帰った方が身のためですよ?やりたい方は残ってくださいいくらでも相手します。」
「くっ…ひひ怯むな…“明香様あすか”のためだ‼︎‼︎行けー‼︎‼︎」
「「「「おおー‼︎‼︎‼︎」」」」
「ん?明香様?」
男が一斉に飛びかかってきた…

* 3分後 *

「「「「「(チーーーーーーーーーーン)」」」」」
待ち伏せしていた男たち全員が希里によってコテンパンにされ、地面に張り付いていた…
「それで…明香様って誰なんです…?」
張り付いている男の一人に聞いてみると…
「私のことですわよ」
後ろに誰かが立っていた…
振り向くと長く黒い綺麗な髪に、キリリとした目、口に高価そうな扇子おうぎを当てている女性がいた…
制服の見た目からして、三年生でしょうか…?
「……?貴女が明香さん…?ですか?」
「そのとうりですわ。いかにも私が早瀬はやせ 明香あすかですわ。」
何というか…THE OJOUSAMAみたいな人が出てきた…
「ええっと…早瀬先輩?」
「明香で結構ですのよ?神藤 希里」
「………。ええっと…じゃあ…明香先輩…?」
「“明香”で結構ですのよ?」
「ええっと…?」
「明香で結構ですのよ?」
「………。」
「明香で結構ですのよ?」
「………あ明香……先輩…」
「明香で結構ですのよ‼︎」
「………えと…明香…さん…」
「………。まぁ、今日はそれで良しとしてあげましょう。いずれ嫌でも明香と呼ぶようになるのですから…」
「…?それはどういう意味ですか…?」
「いけません明香様‼︎‼︎」
「そうです‼︎‼︎そのような男などと一緒になられては‼︎‼︎」
「我らASUKA様ファンクラブの存在の意味が…‼︎‼︎」
「お黙り‼︎ブタども‼︎」
明香さんが一番近くにいた男を蹴り飛ばした…
何故か蹴り飛ばされた男は「ブヒー」と満足げな笑みで叫んでいたような気がした…
「んん。話が逸れましたわね。神藤 希里…いや希里…さん?」
「え?あ、はい」
「貴方は、今日から“私のブタ”ですわ。」
「え?は、ハァアア⁉︎⁉︎」
「あ、言い間違えましたわ。失礼…」
「あ、ですよね。ビックリさせないでくださいよ〜」
「ええ、まったくですわ。おほほほ」
「それで?本当は何て言おうとしたんですか?」
「はい。“私の男”になりなさい。」
「そんなに変わってない‼︎‼︎」
「言い換えましょうか?私の“彼氏”になりなさい。」
「何で命令形なんですか⁉︎ってか、手紙の文と随分とイメージが違いますね⁉︎⁉︎」
「手紙を書くと正直になってしまうのよ。」
「………いらないこと聞いてすいません…」
「いえいえ、良いのですよ。今日から希里は私のものなんですから。」
「いやなりませんよ⁉︎貴女のものにいつなると言ったんですか⁉︎」
「ならないんですの?」
「なりません‼︎」
「絶対ですの?」
「絶対になりません‼︎」
「………。」
「いやそんなあからさまに残念そうな顔しないでください‼︎‼︎貴女は十分に魅力的な女性なのは分かりましたから‼︎‼︎」
「本当ですの‼︎‼︎ではー」
そして、本当の気持ちを叫んだ。

「僕には好きな人がいるんですよーーーーーーーーー‼︎‼︎‼︎」

これで諦めてくれるだろうと思った瞬間…
「構いませんわ」
「ハァ⁉︎」
「そんな女私などに勝てるわけないですわ」
「いや、僕は好きな人がいる限り絶対に貴女を好きになることはありません‼︎」
「じゃあ聞きますけど、その方のの名前、聞いてもよろしくて?」
「聞いてどうするんですか?」
「そうですわね…とりあえず探し出して私に逆らえないようにしますかね。うふふふ…」
と不敵な笑みを浮かべた…
「………。」
「どうしたんですの?貴方の好きな方が私の下僕になるのよ?もしかして、諦めて私のものになる気になった?」
「いや…貴女じゃ絶対に下僕などにできませんよ…」
「ほぉ〜?その根拠は何ですの?」
「絶対に僕が阻止するからです。」
「………………ぷっ、ハハハハハ、ハハハ」
「何がおかしいのですか?」
「ハハハハ…貴女が私を止める?笑わせないでくれまし。どうせ貴方は私のものになって、貴方が好きな子は、私に服従するに決まっているもの。」
「………………。一ついいですか?」
「何ですの?私の…ッヒ」
僕は兄上のようにうまく殺気が使えない…
だけど、少なくとも人間よりは強い殺気が出せる…
「もし、貴女が彼女に手を出そうものならば…容赦はしませんよ?」
「ッヒ…」
殺気をより一層強め、明香さんは腰を抜かし、地面にへたり込んだ…
「では、失礼します…」
そして、スタスタと歩き、明香の姿を目で追いながら、ふと足を止めた…
「怖い思いをさせてすいませんでした…」
「…へ…?」
そして、再び歩き出した…

その後、学校中にこんな噂が流れた…
神藤 希里には好きな人がいる…
そしてもう一つ…
早瀬 明香先輩は神藤 希里に告白したもののフラれた……

“が”…

* 数日後 *

「希里ー‼︎希里はいるー?希里ー‼︎」
どうしてこうなる…
確かに僕は明香さんをフったはず…
なのに何故“好感度が上がった”⁉︎
「あ‼︎希里みーつけた‼︎ってアレ?どうして逃げるの⁉︎ちょっと待ってよーー‼︎」
兄上…少しだけ、兄上が桜姫姉さんを苦手としている気持ちがわかったような気がします…
「待ってよーーーーーー‼︎希里ーーーー‼︎」

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