運が無かったから筋力を上げることにした
8:新居
「どうなってんだこれ」
赤く染まった空には、異常な大きさの鳥や高速で飛行する1メートルほどのトンボの群れ、ドラゴンのような生き物まで飛んでいる。
若草色の大地に目を向けると、巨大な水色のスライムや根を足のように動かして歩く樹木。そして、ゆっくりと歩く100メートルはありそうな巨人もそこにはいた。
「すごいだろう。ここにいる生き物全て、ワシのペットだ」
すごすぎる。たぶん、ここにいる生き物には、俺の筋力ではかなわない。
「いや、ワシの、大切な仲間たちだ」
いったい、この爺さん何者だ? ギルドマスターか。
○●○●○
あの後、特に何も言わずに歩き出した爺さんの後を追い草原を歩いていた。相変わらず草原のあちこちには巨大な生き物が歩いたり飛んだり。そもそもあの町の下にどうやったらこんな空間作れるんだ?
「付いたぞ。ここがワシの部屋だ」
そう言われて前を見ると、立派なログハウスがあった。夕日に照らされて良い雰囲気を醸し出している。
「これが家だって言われた方が納得できるんだけどな」
「まあ、気にするでない。それより君の部屋も作らなければな。トレトリア、ゴレサエム、ちと来てくれ」
うわ、なにこの爺さん。突然虚空に向かって話し掛けたぞ。
「お呼びでしょうか、ご主人様」
「なんか用か、ドルフ」
「え、いつの間に!?」
いきなり爺さんの前に木と壁が出てきたぞ。
「こやつに部屋を作って欲しいのだ。デザインは任せる」
「ご主人様の仰せのままに」
「んあ? なんだこいつ? ドルフが新しい人を連れてくるなんて、珍しいじゃねぇか」
ん? よく見たらこの木さっきの歩いてた木じゃん。近くで見るとやっぱり大きく見えるな。15メートルぐらいか? でも表面に人の体みたいな形をたくさん生やすのはやめて欲しい。気持ち悪い。
そして、この壁に見えたやつはゴーレムかな? 随分口調が荒いな。それにずんぐりしてないでスリムだし。ロボットって言った方が正しいか? 3メートルはあるけど。そのぐらいロボットにもいるだろうし。
「こやつは転移者だからな、できる限り保護してやらんと」
「なるほどな。よし、だったらちゃっちゃと作ろうぜ、トレトリア」
「私は材料を提供するだけですので」
  てかいつの間にか話が進んでるな。全然聞いてなかった。
「よし、じゃあ頼むぞ」
「はい」
「おう」
ゴトゴト(トレトリアが木材を落とす音)
バシンッ!(ゴレサエムが木材を地面に打ち込む音)
……なんかいきなり土木工事が始まったぞ。たぶん家を作ってるんだろうけど、日が完全に暮れる前に終わるのか? 後10分ぐらいで日が沈みきるぞ。もう星が見えてるぞ。……地下なのになんで見えるんだ?
○●○●○
「うっし、完成」
……3分で終わったな。途中で何をしてるのか見えなくなったぞ。速すぎて。
「うむ、2人ともお疲れだ」
「また用がありましたらお呼び下さいませ」
「俺はもう寝るかんなー。もうこんな時間に呼び出すんじゃねーぞ」
「はっはっは、すまんすまん」
「ったく」
トレトリアと呼ばれた木は根を使い器用に歩いて行った。ゴレサエムと呼ばれたロボット?は、悪態をつくと、どこかにワイヤーを打ち出し、シュルシュルと音を立てて飛んでいった。
「さて、いろいろ話したいこともあるだろうが、それは明日だ。急ごしらえだが、今日はその部屋で休むと良い」
「はあ」
急ごしらえって言ってもなぁ。爺さんのログハウスと遜色ないログハウスだしなぁ。
爺さんはあっちの家に入ってったし、俺も作ってもらった家の中を見てみるか。
○●○●○
とても急ごしらえとは思えない家に入ると、地面に紙が置かれていた。紙には、この家の間取り図が書かれているみたいだ。どこでこんなもん用意したんだ? まあ良いけど。
これを見る限りだと、家は1階だけで、リビング、キッチン、寝室、風呂場、トイレ、物置部屋、空き部屋が5つあるらしい。とりあえず生活には困らなさそうだ。1つずつ見ていくか。ちなみに電気かどうかは分からないが、明かりはついていた。
まずは空き部屋に来てみたけど、何も無いな。次に行こう。
ここは物置部屋か。すでにさまざまな家具が用意されてるのは良いな。興味ないけど。次だ、次。
これはトイレか。やっぱりトイレの形を最適化すると洋式トイレの形になるのか。……。
ふー、スッキリした。ちなみにちゃんと水は流れた。どこに流してるんだろ? ま、それは置いといて、隣のこの部屋は風呂か。木製の浴槽で風情があって良いんじゃないかな。ま、今は必要ないか。
ここは、リビングだな。ダイニングキッチンにもなっているらしい。冷蔵庫があったりテーブルもあるな。テレビは無い。当たり前か。
こっちの部屋は空き部屋で、ここも空き部屋で、これが寝室か。大人2人が寝れそうな大きさのベッドが中央に置かれている。タンスもあるな。中には服も入っている。
この家、ライフライン完璧過ぎないか?
赤く染まった空には、異常な大きさの鳥や高速で飛行する1メートルほどのトンボの群れ、ドラゴンのような生き物まで飛んでいる。
若草色の大地に目を向けると、巨大な水色のスライムや根を足のように動かして歩く樹木。そして、ゆっくりと歩く100メートルはありそうな巨人もそこにはいた。
「すごいだろう。ここにいる生き物全て、ワシのペットだ」
すごすぎる。たぶん、ここにいる生き物には、俺の筋力ではかなわない。
「いや、ワシの、大切な仲間たちだ」
いったい、この爺さん何者だ? ギルドマスターか。
○●○●○
あの後、特に何も言わずに歩き出した爺さんの後を追い草原を歩いていた。相変わらず草原のあちこちには巨大な生き物が歩いたり飛んだり。そもそもあの町の下にどうやったらこんな空間作れるんだ?
「付いたぞ。ここがワシの部屋だ」
そう言われて前を見ると、立派なログハウスがあった。夕日に照らされて良い雰囲気を醸し出している。
「これが家だって言われた方が納得できるんだけどな」
「まあ、気にするでない。それより君の部屋も作らなければな。トレトリア、ゴレサエム、ちと来てくれ」
うわ、なにこの爺さん。突然虚空に向かって話し掛けたぞ。
「お呼びでしょうか、ご主人様」
「なんか用か、ドルフ」
「え、いつの間に!?」
いきなり爺さんの前に木と壁が出てきたぞ。
「こやつに部屋を作って欲しいのだ。デザインは任せる」
「ご主人様の仰せのままに」
「んあ? なんだこいつ? ドルフが新しい人を連れてくるなんて、珍しいじゃねぇか」
ん? よく見たらこの木さっきの歩いてた木じゃん。近くで見るとやっぱり大きく見えるな。15メートルぐらいか? でも表面に人の体みたいな形をたくさん生やすのはやめて欲しい。気持ち悪い。
そして、この壁に見えたやつはゴーレムかな? 随分口調が荒いな。それにずんぐりしてないでスリムだし。ロボットって言った方が正しいか? 3メートルはあるけど。そのぐらいロボットにもいるだろうし。
「こやつは転移者だからな、できる限り保護してやらんと」
「なるほどな。よし、だったらちゃっちゃと作ろうぜ、トレトリア」
「私は材料を提供するだけですので」
  てかいつの間にか話が進んでるな。全然聞いてなかった。
「よし、じゃあ頼むぞ」
「はい」
「おう」
ゴトゴト(トレトリアが木材を落とす音)
バシンッ!(ゴレサエムが木材を地面に打ち込む音)
……なんかいきなり土木工事が始まったぞ。たぶん家を作ってるんだろうけど、日が完全に暮れる前に終わるのか? 後10分ぐらいで日が沈みきるぞ。もう星が見えてるぞ。……地下なのになんで見えるんだ?
○●○●○
「うっし、完成」
……3分で終わったな。途中で何をしてるのか見えなくなったぞ。速すぎて。
「うむ、2人ともお疲れだ」
「また用がありましたらお呼び下さいませ」
「俺はもう寝るかんなー。もうこんな時間に呼び出すんじゃねーぞ」
「はっはっは、すまんすまん」
「ったく」
トレトリアと呼ばれた木は根を使い器用に歩いて行った。ゴレサエムと呼ばれたロボット?は、悪態をつくと、どこかにワイヤーを打ち出し、シュルシュルと音を立てて飛んでいった。
「さて、いろいろ話したいこともあるだろうが、それは明日だ。急ごしらえだが、今日はその部屋で休むと良い」
「はあ」
急ごしらえって言ってもなぁ。爺さんのログハウスと遜色ないログハウスだしなぁ。
爺さんはあっちの家に入ってったし、俺も作ってもらった家の中を見てみるか。
○●○●○
とても急ごしらえとは思えない家に入ると、地面に紙が置かれていた。紙には、この家の間取り図が書かれているみたいだ。どこでこんなもん用意したんだ? まあ良いけど。
これを見る限りだと、家は1階だけで、リビング、キッチン、寝室、風呂場、トイレ、物置部屋、空き部屋が5つあるらしい。とりあえず生活には困らなさそうだ。1つずつ見ていくか。ちなみに電気かどうかは分からないが、明かりはついていた。
まずは空き部屋に来てみたけど、何も無いな。次に行こう。
ここは物置部屋か。すでにさまざまな家具が用意されてるのは良いな。興味ないけど。次だ、次。
これはトイレか。やっぱりトイレの形を最適化すると洋式トイレの形になるのか。……。
ふー、スッキリした。ちなみにちゃんと水は流れた。どこに流してるんだろ? ま、それは置いといて、隣のこの部屋は風呂か。木製の浴槽で風情があって良いんじゃないかな。ま、今は必要ないか。
ここは、リビングだな。ダイニングキッチンにもなっているらしい。冷蔵庫があったりテーブルもあるな。テレビは無い。当たり前か。
こっちの部屋は空き部屋で、ここも空き部屋で、これが寝室か。大人2人が寝れそうな大きさのベッドが中央に置かれている。タンスもあるな。中には服も入っている。
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