運が無かったから筋力を上げることにした
1:白い空間
目が覚めたら白い空間に居た。
突然なにを言ってるんだと思うかもしれない。俺もなにを言ってるんだか解らない。目が覚めたら白い空間に浮いていたのだ。
もちろんこんな時に取り乱すほどやわな俺じゃない。こんな時こそ冷静になって考えるべきだ。
まずは分かることから整理していこう。
分かること1、この空間は白い。
いやいや、そんなしょうもないこと考えてどうする。この状況を見る限り白いのは解りきってるだろ。
分かること2、俺浮いてる。
……きっとここは無重力なんだろう。それ以上俺の頭では考えられない。
分かること3、俺の名前は士道務。
ここで俺の自己紹介をしておこう。
俺の名前は名前は士道務。先月高校に進学したばかりだ。
……と言っても、なんの取り柄もない平凡な男子高校生だけどな。
分かること4、もしかしてこれって異世界転生じゃね?
もはや分かることでは無くなっているような気もする。だけど、俺はこれを信じたい。
なにせ、両親はとっくの昔に死に、兄妹なんてものは居ない。アパートの一室で、独り、親の残した莫大な資産を削りながら暮らしていただけだったのだ。
そんな生活を続けるぐらいなら異世界に飛ばされた方がマシだ。
とりあえず、現状を異世界転生とかでありがちな白い空間に居ると仮定するなら、この空間にもなにかしらあるはずだ。女神とかも居ないし。
ぷかぷか浮かんだまま周りを見回すと、少し離れた場所に半透明のプレートのようなものが浮かんでいた。他になにもないみたいだし、あのプレートを見に行くか。
無重力で体を動かすのは意外と難しく、少し時間がかかってしまったが、なんとかプレートまでたどり着けた。だいぶ疲れたな。
このプレートには文字が書かれているようだ。全文字英語で。
なんでだよ!? 普通日本語だろ!?
ふー、落ち着け俺。こんな時こそ冷静に、だ。
えーっと、……読めない。英語は苦手なんだよ。中学最後のテストで5点しか取れないくらい苦手なんだよ。その5点も選択問題でたまたま合ってただけだし。
いやまて、この中にも俺が読める英語があるはずだ。上の方から見ていこう。
……ん? よく見たら右上に《Language》って書かれてるな。これだけ孤立してて分からなかった。
それにしてもこの《Language》が気になるな。タップしたらどうにかならないかな?
おっ、《Language》の下に色んな国の言葉が並んだ。《日本語》だけ唯一読める。この《日本語》をタップすれば良いのか?
おおっ! 文章が日本語に変わった。でも《Language》ってなんて意味だったんだ? 色んな国の言葉が並んだから……言語か? ま、いっか。どうせ俺には英語なんて解らないし。
とりあえずこの日本語に変わった文章を読むか。
――――――――――――――――――――――――
こんちわー、私は君たちの言う女神や。転移者が来る度に家から出るのがめんどいからこのプレートを残したんや。と、それはさておき、これを読んでるやつは突然白い空間に入れられて戸惑ってると思うんや。だからある程度はサポートしてやる。まずはステータスって言うんや。念じるだけでもええで。そうすると目の前にこのプレートみたいなやつが出る。それはステータスプレートや。他人からは許可しない限り見れない、言わば個人情報やな。ステータスにはその人の氏名、職業、レベル、能力値、装備品、スキル、称号が表示される。とりあえずやって覚えるんや。そんで、私からのプレゼントとして転移者全員に与えられるのがステータスポイントや。ステータスの能力値に自由に振り分けられるポイントでな、レベルが上がるごとに5ポイントずつ手に入るんや。これが転移者には最初から10000ポイントの大サービスや。振り分けるにはステータス開いて念じる。それだけや。ちなみに女神からのプレゼントは女神によって違う。だから異世界で同郷のやつに会ってもなにを女神から貰ったかは隠せ。これは私からのアドバイスや。ステータスポイントの振り分けが終わったら異世界に行きたいって念じれば異世界に行ける。異世界の教会で私の像を見付けたら拝むと良いぞ。私の名前はアリト・クインテや。それじゃーな。
――――――――――――――――――――――――
読みづらっ! 改行無いし、話が急展開すぎるし。これ読んでもこの神を拝む人なんて居なさそうだな。それにめんどいって、それでも女神か? 女神雑だな。
でもこれで確証が持てた。俺は異世界に転移するのか。どんな世界か楽しみだな。
それにしてもステータスポイントか。これはやっぱり王道に従って運に全部振るべきだよな。
とりあえずこの女神の残した文章に従ってみよう。まずはステータスって言えば良いのか? 念じるだけでも良いって書かれてるけど、とりあえず言ってみよう。
「ステータス」 
おおっ、ほんとに出た。これがステータスプレートか。まずは読んでみよう。
――――――――――――――――――――――――
氏名 士道 務
職業 無職
レベル 1
筋力 12
体力 10
速力 11
魔力 24
装備品
タンクトップ
ハーフパンツ
特性スキル
転移者
通常スキル
なし
称号
転移者
――――――――――――――――――――――――
なんと言うか、良いのか悪いのか解らないステータスだな。てかスキル2種類あるのか。説明には無かったぞ。やっぱりこの女神雑だ。
それにしても運が無いとは。こまったな、ステータスポイントをなにに振ろうか。
……とりあえず強ければなんとかなるだろうから筋力に振っとくか。
『筋力に10000ポイント振ります。よろしいですか?』
お、警告文が出てきた。もちろんイエスだ。
『筋力に10000ポイント振りました』
お、ステータスの筋力の数値が10012になってる。これがどれくらい強いのかは分からないけどとりあえず大丈夫だろ。
後は異世界に行きたいって念じれば良いのか? でもここはあえて口に出して言ってみるか。
「異世界に行きたい!」
そして、俺の視界は白い閃光で塗り潰された。
突然なにを言ってるんだと思うかもしれない。俺もなにを言ってるんだか解らない。目が覚めたら白い空間に浮いていたのだ。
もちろんこんな時に取り乱すほどやわな俺じゃない。こんな時こそ冷静になって考えるべきだ。
まずは分かることから整理していこう。
分かること1、この空間は白い。
いやいや、そんなしょうもないこと考えてどうする。この状況を見る限り白いのは解りきってるだろ。
分かること2、俺浮いてる。
……きっとここは無重力なんだろう。それ以上俺の頭では考えられない。
分かること3、俺の名前は士道務。
ここで俺の自己紹介をしておこう。
俺の名前は名前は士道務。先月高校に進学したばかりだ。
……と言っても、なんの取り柄もない平凡な男子高校生だけどな。
分かること4、もしかしてこれって異世界転生じゃね?
もはや分かることでは無くなっているような気もする。だけど、俺はこれを信じたい。
なにせ、両親はとっくの昔に死に、兄妹なんてものは居ない。アパートの一室で、独り、親の残した莫大な資産を削りながら暮らしていただけだったのだ。
そんな生活を続けるぐらいなら異世界に飛ばされた方がマシだ。
とりあえず、現状を異世界転生とかでありがちな白い空間に居ると仮定するなら、この空間にもなにかしらあるはずだ。女神とかも居ないし。
ぷかぷか浮かんだまま周りを見回すと、少し離れた場所に半透明のプレートのようなものが浮かんでいた。他になにもないみたいだし、あのプレートを見に行くか。
無重力で体を動かすのは意外と難しく、少し時間がかかってしまったが、なんとかプレートまでたどり着けた。だいぶ疲れたな。
このプレートには文字が書かれているようだ。全文字英語で。
なんでだよ!? 普通日本語だろ!?
ふー、落ち着け俺。こんな時こそ冷静に、だ。
えーっと、……読めない。英語は苦手なんだよ。中学最後のテストで5点しか取れないくらい苦手なんだよ。その5点も選択問題でたまたま合ってただけだし。
いやまて、この中にも俺が読める英語があるはずだ。上の方から見ていこう。
……ん? よく見たら右上に《Language》って書かれてるな。これだけ孤立してて分からなかった。
それにしてもこの《Language》が気になるな。タップしたらどうにかならないかな?
おっ、《Language》の下に色んな国の言葉が並んだ。《日本語》だけ唯一読める。この《日本語》をタップすれば良いのか?
おおっ! 文章が日本語に変わった。でも《Language》ってなんて意味だったんだ? 色んな国の言葉が並んだから……言語か? ま、いっか。どうせ俺には英語なんて解らないし。
とりあえずこの日本語に変わった文章を読むか。
――――――――――――――――――――――――
こんちわー、私は君たちの言う女神や。転移者が来る度に家から出るのがめんどいからこのプレートを残したんや。と、それはさておき、これを読んでるやつは突然白い空間に入れられて戸惑ってると思うんや。だからある程度はサポートしてやる。まずはステータスって言うんや。念じるだけでもええで。そうすると目の前にこのプレートみたいなやつが出る。それはステータスプレートや。他人からは許可しない限り見れない、言わば個人情報やな。ステータスにはその人の氏名、職業、レベル、能力値、装備品、スキル、称号が表示される。とりあえずやって覚えるんや。そんで、私からのプレゼントとして転移者全員に与えられるのがステータスポイントや。ステータスの能力値に自由に振り分けられるポイントでな、レベルが上がるごとに5ポイントずつ手に入るんや。これが転移者には最初から10000ポイントの大サービスや。振り分けるにはステータス開いて念じる。それだけや。ちなみに女神からのプレゼントは女神によって違う。だから異世界で同郷のやつに会ってもなにを女神から貰ったかは隠せ。これは私からのアドバイスや。ステータスポイントの振り分けが終わったら異世界に行きたいって念じれば異世界に行ける。異世界の教会で私の像を見付けたら拝むと良いぞ。私の名前はアリト・クインテや。それじゃーな。
――――――――――――――――――――――――
読みづらっ! 改行無いし、話が急展開すぎるし。これ読んでもこの神を拝む人なんて居なさそうだな。それにめんどいって、それでも女神か? 女神雑だな。
でもこれで確証が持てた。俺は異世界に転移するのか。どんな世界か楽しみだな。
それにしてもステータスポイントか。これはやっぱり王道に従って運に全部振るべきだよな。
とりあえずこの女神の残した文章に従ってみよう。まずはステータスって言えば良いのか? 念じるだけでも良いって書かれてるけど、とりあえず言ってみよう。
「ステータス」 
おおっ、ほんとに出た。これがステータスプレートか。まずは読んでみよう。
――――――――――――――――――――――――
氏名 士道 務
職業 無職
レベル 1
筋力 12
体力 10
速力 11
魔力 24
装備品
タンクトップ
ハーフパンツ
特性スキル
転移者
通常スキル
なし
称号
転移者
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なんと言うか、良いのか悪いのか解らないステータスだな。てかスキル2種類あるのか。説明には無かったぞ。やっぱりこの女神雑だ。
それにしても運が無いとは。こまったな、ステータスポイントをなにに振ろうか。
……とりあえず強ければなんとかなるだろうから筋力に振っとくか。
『筋力に10000ポイント振ります。よろしいですか?』
お、警告文が出てきた。もちろんイエスだ。
『筋力に10000ポイント振りました』
お、ステータスの筋力の数値が10012になってる。これがどれくらい強いのかは分からないけどとりあえず大丈夫だろ。
後は異世界に行きたいって念じれば良いのか? でもここはあえて口に出して言ってみるか。
「異世界に行きたい!」
そして、俺の視界は白い閃光で塗り潰された。
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