魔界帰りの劣等能力者

たすろう

出発前夜

 

 人外と家を賭けての勝負の次の日の夕方。この時、祐人は新たなる不安が生じたことを感じた……。
 今、祐人はエプロンをつけたまま、ボロボロの居間に元々置いてあった大きなちゃぶ台の前に座っている。
 ちゃぶ台の中央にリサイクルショップで安く買った大皿に祐人の作った大量の野菜炒めがドンとあった。
 そして、七人分の御飯と味噌汁が等間隔に置いてあり、ちゃぶ台の横の下にウガロン用のプラスチック製の器に御飯に味噌汁をかけた通称〝猫まんま〟が置かれている。
 所狭しと座る面々。元気な声が響き渡る。

「「「「「「いただきまーす!」」」」」」、「ウガ!」

「ははは……どうぞ」

「美味しい! とても美味しいです。サリーはほっぺが落ちそうですよー」

「本当に美味しいわね。私お酒を飲む時以外は実体化しないし、食事なんて何十年ぶりかしら」

「祐人って料理うまいんだね! ちょっと玄! 取り過ぎだよ!」

「主に食事を作らせるなど……美味です。親方様……(涙)」

「(コク)この味噌汁……好き」

「アニキ! 最高です。あっしは感動しました」

「私、現代の御飯がこんなに美味しいだなんて知らなかった。これなら毎日食べたいよ!」

「あははは、毎日……ですか? ははは……」

「本当ねぇ。これならずっと実体化してでも食事を取りたいと思うわね」

「……食べたい」

「これから遊びに来たら食事が楽しみですー」

「毎日、食べられるウガロンが羨ましいよ!」

「「「「「うんうん」」」」」

 ウガロンという名の犬の姿をした人外が嬉しそうに応える。

「ウガ!」

「ははは、食事が楽しみ……ね。はははは……こりゃー頑張らないとなぁ。仕事を……」


 祐人の自宅であるオンボロ屋敷の居間に料理を終えた祐人は、半ば強制的に同居人となった人外仲間にご飯を振る舞っている。
 元々、この家のキッチンは極度の老朽化で半壊していて、全く使えない状況だったのだが、何とか使用可能になったのだ。
 何故かというと、実は祐人と勝負した時にいた30近い人外の中に、建築に詳しい人外がいて、宴会の後にこの屋敷を応急修理してくれたのだ。また、他の人外も協力してくれて掃除もしてくれた。
 だが、水道は機能していないし、ガスも電気も来ていない。
 すると、何と玄が中庭を掘り始めて水源までたどり着き、即席の井戸を作ってくれたのだ。そして、きれいな水を汲んでペットボトルにため台所に運んでおいてくれた。これには祐人も吃驚した。
 また、火はテント購入時に一緒に買ったガスコンロを使おうとしたが、「火ぐらい、何とでもなるよ」と嬌子とスーザンがやってきて、掌から小さな炎を作り出し、フライパンを熱してくれた。火力も申し分ない。ガスのカセットはお金がかかるし、すぐになくなるので嬌子とスーザンの協力は非常にありがたかった。
 そのおかげで、まだまだ使い勝手は悪いが、何とか最低限の調理はできるようになった。
 もちろん、その他諸々は、まだまだボロボロのままだが。

 しかし、あの短い時間でここまで修復してくれたのには驚いた。祐人はこれだったら、修復費用が節約できるのではないかとすら思ったぐらいだ。
 最初、嬌子が応急修理のリーダーシップをとり、やたらと寝室の整備を命令していたのだが、祐人がそれよりも台所と居間を優先して欲しいと伝えて、何とか今の状態になった。
 嬌子はその祐人の要望にブーブーとやたら不満そうにしていた。その理由は何だったのか祐人には分からなかったが……。
 目の前から物凄いスピードで野菜炒めが消えていく。それを引きつった笑顔のまま眺める祐人。

 あのこの家を賭けた勝負の後、白、嬌子、スーザン、サリー、玄、傲光の六人はそのまま居残り、他の者達は名残惜しそうに、どの人外も「口々にいつでも呼んでください!」と言って、何処かへ帰っていった。
 今いる六人も、いつもこの家にいるわけではないらしいが、しばらくはいるとの事だった。
 まさかみんながここまで喜ぶとは……食事を作った者として嬉しい反面、これは完全な計算外だった。

(これが頻回になったら、食費が、生活が!)

 祐人の顔色は悪い。何故こんなことになったのか……それは今から数時間前に遡る。


 土曜日、ドタバタの家取り合戦のせいで、心身ともに大きく疲れを残したままだが、祐人は登校すべく早朝から家を後にした。明日の昼にはミレマーの出発であることから、今日の夜にはその支度をしなくてはならない。今日は午前中で終了なので、午後からはフリーになる。
 祐人は昨夜に人外達がキッチンを応急修理してくれたのが、嬉しくて明日から国外に出発するにも関わらず、今日中にお鍋等のキッチン用具と食器を購入したいと考えていた。
 茉莉や静香は剣道部の部活動があり、一悟も仲良くなった新木優太というクラスメイトと用事がある様だったのですんなり学校を出れそうだった。

 因みに、祐人がミレマーに行くと決めていることは、一悟だけは知っている。一悟は唯一、祐人が能力者であることを知っている友人になったが、今日の朝に会ってからも祐人に対し、別段、普段と変わらない様子だった。
 そして、一悟は祐人に、

「一応、お前が学校を休むことは俺の方で極力フォローはするけど、何せ相手はあの美鈴先生だ。あまり期待するなよ」

 とのことで、祐人は一悟に感謝した。取り敢えず、来週から一週間、祐人は体調不良で休むことになっている。その間は一悟が祐人を見舞いに行き、随時、学校に報告することで時間稼ぎをする作戦だ。
 ランク試験以降、やはりクラスメイト達は祐人のことを忘れており、最近ようやくまた認知され始めたばかりなので、そちらは意外と影響は少ないと考えていた。
 だが、意外と言うか驚いたことに担任の高野美鈴先生は祐人のことを覚えているようだったのだ。正直、祐人は何かの間違いだろうと思い、恐らく仕事上、生徒の名簿や書類にこまめに目を通し、まとめている先生なので、そのように見えるだけと考えた。
 普段から、冷静で表情が読みづらいだけに、良く分からない。だが、祐人の経験上、封印解き、あの力を振るったとき、ほぼ自分を覚えている人はいないのだ。
 例外は家族以外では今まで二人だけ。魔界で出会った少女リーゼロッテと茉莉だった。
 そして、今回は親友の一悟と高校から仲良くなった水戸静香が増えたぐらい……。
 やはり気のせいだろうと祐人は気にしないことにした。

 放課後になり、祐人はキッチン周りの購入と明日のミレマーへの出立準備のために早々に帰宅しようと立ち上がった。そこに、同じ剣道部に行く静香を迎えに来た茉莉がやって来ると帰ろうとしている祐人を見つける。
 祐人は茉莉達にはミレマーに行くことを内緒にしているので、一瞬、ドキッとしたが、茉莉は違うことを気にかけていた。

「祐人も何か部活をやったら良いのに……」

「あ、うーん、もうちょっと生活が安定したら考えるよ」

「……まあ、仕方ないわよね。落ち着いたら必ず言うのよ?」

「茉莉ー。もう行かないと部活始まるよー」

「あ、うん。じゃあ、祐人。私達は行くわね」

「うん、じゃあ」

 祐人は、そう言って分かれると校内をすり抜けて、スムースに外に出ることができた。
 祐人は校舎を出て何から買うか思案しながら歩いていると、前方に下校中の生徒で軽い人だかりを作っていることに気付いた。
 何だ? と思いながら近寄って行くと、その生徒達の視線の先には退屈そうに学校の塀に寄りかかっている見たことのある二人の少女が立っている。
 服装も対照的で目のパッチリした少女は白を基調にした服装、赤髪の澄ました表情をしている少女は髪色と同じく赤を基調にした格好をしている。

 二人とも目を見張るような奇麗な容貌をしており、ただでさえ目立つのだがその対照的な格好がよりお互いを引き立ててしまっている。
 そのため下校中の生徒達もその二人についつい目がいってしまうのだろう。
 二人の少女は祐人の姿を視認すると満面の笑みで競うように駆け寄ってきた。

「祐人! やっと出てきた。迎えに来たよ!」

「お帰りなさい……」

「白! スーザン! わわ!」

 二人はじゃれるように祐人の両手をそれぞれにとって引っ張る。周りの生徒は微笑ましくもあるその光景に恐らく兄妹だろうと口元を緩めていた。
 中には黒い感情が混ざったような視線も感じるが……特に男性の方に……。
 また、さっそくこの二人の少女とどうにかして、お近づきになろうと計算しているのか、この祐人が誰なのかを周りに聞き込みを始める男子生徒達までいる。
 その不穏な空気に祐人は、慌てて自分の両手を引っ張っている二人の手を逆に引いた。

「二人とも学校に来ちゃダメって言ったでしょ! こっちに来て!」

 今朝、嬌子以外の同居人が学校に一緒に行くというのを必死に諫めたばかりだ。

「えー? だから学校の中には入らなかったもん。ね、スーザン」

「(コク)……言いつけは守った」

 ブーたれている二人を下校の際に生徒達があまり通らない近くの小さな公園まで連れて行くと、ようやく落ち着いた感じで祐人は二人に向かい合う。

「いい? これからは学校に迎えに来なくてもいいからね」

「えー? 何でー?」

「何でって……ほら、正体がばれたら不味いし」

「大丈夫だよ。ちゃんと人間の姿で実体化してるし、感度の高い人でもそうそう分からないと思うよ。こう見えても私達はすごいんだからね!」

 ちょっと誇らしげに胸をそらす二人に祐人は困った顔になる。

「えっとね。実はね、僕は一人暮らしをしていることになっていて、みんなを泊めているのがバレるのは不味いんだよ。その……何というか世間体? というものがあるの」

「せけんてい?」

「そう! 世間体。僕達にはね、そういう目に見えないルールみたいなものがあって、見ず知らずの男女が一緒に泊まるというのはあまり良くないことなんだ」

「見ず知らずじゃないよ。祐人は私達との契約者だもん。私達の主人でもあるんだよ!」

「(コク)……マスター」

「え――!? 何それ!?」

「だって昨日、私達との勝負に勝ったでしょ? その後、私たちに恩を与えたじゃない。あれは簡易的にではあるけど正式に契約したことになるんだよ。だから私達は祐人に困ったことがあったら助けてあげるの。いつでも、どこでも、どんなことでも。祐人が命じれば何でもするよ。あの時参加していたのも全員。みんな帰ったけど、祐人が呼びたかったらいつでも来てくれると思うよ?」

「な! はぁぁん!? い、いつの間に……そんなことに?」

 まさか、あんなふざけた勝負で……。しかも三十近いの人外と一気に契約を結んだことになっているとは夢にも思わなかった。というよりも、そんなことは普通では絶対にありえない。
 契約とはそれぞれに考え方、やり方は違うが祭壇を設け、正式な手順を踏んで厳かに目的の神霊等を召喚して結ぶものだ。
 ただこの場合、もっと驚くべきところは契約の内容である。

 今の白の話だと祐人は白達も含めて三十近い人外と主従関係を結んだという点だ。
 何故ならば、主従のような強い関係を結ぶのは、相当な実力者で無ければならない。当然、契約を結ぶ相手の霊格が高いほど難しいと聞いている。主従関係ということだけに特化すれば、名のある人外との契約は事実上、不可能とされているのが定説なぐらいなのだ。

 そういうこともあり、通常、契約した人外の霊格が高い場合は力を借りる程度というのが多い。そして力を行使する度にかなりの『制約』があるというのが一般的である。
 『制約』とは例えば大量の霊力が必要としたりするものだが、場合によっては特定の供物や生贄といったものを、力を借りる度に毎回与えなければならないというケースすらある。
 あの時のスーザンとの戦闘から考えるにスーザンは相当霊格が高いと祐人は考えている。

(しかも、まだまだ本気を出していないのでは?)

 何となく怖くて正体を聞かないでいるが、実際、聞く必要性も感じてはいなかったというのもあって聞いてはいない。
 他にいた人外達もそうだ。まずあんなに神気の高い土地で平気で宴会をして、何よりも霊格の高い人外に特徴的なものであるがコミュニケーション能力が非常に高い。
 そう考えると、とてもではないがおいそれと簡単に契約を結べる者達ではないはずだ。
 祐人は以前に纏蔵に聞いたことがあるのを思い出した。

 大昔、人間と人外との契約は、契約を望む者がまず力を示し、そしてそれを人外に認められた上で身に付けていた物を人外に施すというものだった。それは原始的ではあるが強固な契約であったと言われている。
 その強固さは場合によっては、その時代に結んだ人外との契約が現代にも引き継がれて世代が移っても有効なものもあるという。有力な能力者の家系にはこういったご先祖様が交わした契約がそのまま残り、強力な人外を行使する家が実際にあるのだ。
 だが、時代は移り変わり、人間は次第にその契約の仕方を非効率的と捉える者も出てきた。
 つまり、己の力を認めてもらわずとも強力な人外と契約する方法を模索するようになったのだ。それが、『制約』である。その時だけ力を借りる代わりに、それに見合った対価を随時、支払うというものである。
 その制約のある契約に特化した者達が現在の召喚師と呼ばれる能力者達とも聞いた。

 今では、それが一般的になってきており、力を示すことよりも人外を尊重し、またその人外の要望に応える形で全面的、あるいは部分的な契約を結ぶという形が主流になった。
 そのため、現在は人外との契約の仕方も様相も多種多様となっているのである。
 その点から今回の祐人の場合を言えば原始的、前時代的な契約の仕方ということになるだろう。だがその分、非常に強固な契約となった、ということにもなる。
 あくまで起きた事実を照らし合わせれば、ということではあるが……。

 ただ、前代未聞なのは他の能力者が羨んで止まないだろう、この契約の仕方を本人がまったく望んでいなかった……というか、考えもしなったということだろう。
 そして、もう一つ、人外との契約を結ぶのに祐人も知らない例外もある。
 もちろん例外と言われるだけあって、ほとんど無いというレベルのものである。
 それは簡単に言えば……

 人外自身がその人間を……えらく! とっても! どうしようもなく! その人間がどう思おうと嫌がろうと関係なく! 気に入った! ……というものである。
 依然として固まっている祐人を白とスーザンが心配そうに見ている。ちょっと上目遣い。

「祐人……私達の主人になるの、嫌だった?」

 祐人は二人を見つめる。いつもの元気な表情が消えた白とその後からジーと見つめてくるスーザンが妙に自分の胸に中に染み渡ってくる。それは不思議な感覚だった。
 祐人は二人の目線にまで膝を屈め、二人の頭に手を置いて安心させるように微笑む。

「そんな……全然。ちょっと吃驚しただけ。ああ、だからなのかな? たった一日なのにみんなが近しくて、僕のことを大切にしてくれていると感じられるような気がしたのは……」

 得心したように祐人は言う。

「ただね、何と言うかね……僕は白やスーザン達の主人になりたいとかじゃ無いんだよ。そうだね……そう! 僕達は友達だよ。どちらが命令するとか、従うとかじゃ無くてね。だから白やスーザンは僕に気にせずに、今までどおり、そのままでいて良いんだよ?」

 そう言うと祐人は二人の頭から手を離して立ち上がる。

「僕はまだみんなのことをよく分かってはいないけど、少しずつでもみんなのことを良く知ろうと思っているんだよ。だからもし、お互いに思うことがあれば必ず話し合おうね」

 白とスーザンは目を大きくして祐人を見つめ返すと耳や頬も赤くして一気に相貌が崩れる。

「分かった! 祐人! 友達として何でも言う事聞いてあげる!」

「(コクコク)……命令していい」

 勢い良く祐人の首に手を回して抱きつき、二人は祐人の両頬に自分達の頬を擦り付ける。

「うわ! だ、だからそういうんじゃ……」

 少し慌てたが祐人の内心は、可愛いな……まるで妹を持ったみたいだ、と思う。ちょっと照れながら二人の頭を撫でつつ、そっと自分から離した。

「じゃあ、お家に帰ろうか。あ、ちょっと買い物をしてね」

「買い物?」

「うん、ちょっと食器と食事の買出しにね。一緒に行く?」

「うん! 行く! 食事って何にするの? そういえば最近ってどんなのを食べているの?」

 普通の人が聞けば変な質問に聞えるが普段霊体でいる彼らには食事は必要のないものである。実体化するのにも力を使うし……って、あれ? 祐人はそう思うとある疑問が湧いた。

「そういえば白やスーザンはずっと実体化していて大丈夫? 無理に力を行使していたら弱っちゃわないの?」

「あ、大丈夫だよ。……実はね、これは祐人のおかげなんだよ?」

「……? それはどういう……」

「祐人ってずっと霊力を出しているでしょ? それをね、みんなで分けて貰っちゃっているの。お陰で一日中実体化していても疲れないというか、むしろ力が蓄えられているぐらいなの」

 祐人は、ああそういうことか、と思う。そういう使い方があったんだ。

「もし……祐人が嫌だったらやめるよ?」

「あはは、全然構わないよ。どうせ勝手に出ているんだから。僕の特異体質がそんなところで役に立つんだったら逆に良かったよ」

 手を振って答える。そして実際、本当にそう思っている。

「そうだ! 今日は特別にみんなで御飯食べようか? 僕が作るから。引っ越し祝いという意味でもね。予算的にたいした物は作れないけど……」

「本当に? やったー、食べてみたい! ね、スーザン」

「……数十年ぶりの食事」

「じゃあ行こうか。まず、リサイクルショップと百円ショップを覗いて、その後にスーパーに……」

 祐人がそう言うと、外から見ると仲の良い兄妹といった感じで三人は並んで歩き出した。
 その様子を終始見ていた者達がいた。
 祐人達がいる所から数キロ離れている高層マンションの屋上から嬌子はその様子を莞爾と見つめ、風に靡いた髪をかきあげた。

「あらあら、結局みんな気になって来ていたようね。ふふふ、みんなゾッコンねぇ。新しい、いえ、初めての人もいるわね。私達のご主人様……じゃなくて友達にね」

 嬌子のいるマンションから祐人達のいる所の反対側の上空に純白の翼を広げたサリーが頬を上気させて祐人達を見ているのが嬌子にははっきり見える。そして街の方に飛び去ったところを見ると祐人達と合流するつもりなのだろう。
 祐人達が後にした公園の噴水の横の地中からは玄が顔を出した。その大きい目には涙をたっぷり溜めていてウガロンがその濃い顔を舐めている。
 さらに、その公園の木の後ろに……長身長髪の男性らしき肩が見える。良く見ると、その肩はかすかに震えているのだった。

 結局、夕方に嬌子以外の全員と祐人は帰宅した。
 玄関に迎えに出た嬌子に対し、祐人曰く「みんなと偶然会った」のだそうだ。
 祐人はさっそく夕飯に取り掛かり、予算の関係上野菜炒めだけになってしまったが全員とても満足したのだった。
 ただ、一つだけ祐人にとって計算違いだったのは……

 〔今日だけの実体化食事会〕だったはずが、感動した人外の友人達が遊びに来るたびに食事を要望するようになった、ということだった。
 これで祐人は家の修復以外にも、仕事をしなくてはならない理由が増えた。

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