異界の勇者ー黒腕の魔剣使いー
3-11 爆音注意
ここはリユニオンの街の地下にある裏オークションの会場、その舞台裏の商品置き場だ。
そこには私財にモノを言わせて自慢の商品を持ち寄った商人達が各自に雇った傭兵がいた。
傭兵達は他の商人に雇われた傭兵の事を視線で牽制しながら雇い主に任された仕事を全うしていた。
張り詰めた緊張感の中に時折聞こえる会場からの歓声が虚しく木霊する。
しかしそんな静かな空間に異変が起きた。
突如、閃光と爆発音が響き渡ったのだ。
そして次の瞬間、付近で再び爆音が響き渡る。
その場にいた傭兵たちは思わずお互いの顔を見合わせる。
そのうちの一人の傭兵が爆音の正体を確かめようと行動し始めた。
他の、持ち場に自分以外の傭兵がいる者達もそれの後を追うように行動を開始するのだった。
-------------------------------------------------------------
それと時を同じくして、裏オークションの会場の裏では三人の男女が座り込んでいた。
「いたたたた…二人とも大丈夫?」
勿論、勇二達御一行のことである。
勇二は地面に激突した腰をさすりながら二人を見やる。
「う、うん。大丈夫、かな?」
未希は若干ふらつきながら立ち上がり自身の頭に治癒魔法をかけていた。
「ええ。特に問題はあいません」
対するラックは淡白な受け答え。
しかし、実際には少し痛かったのか腰をさすっていた。
「ラック…こういうことは事前に説明してよね…」
勇二はそう言ってラックを窘める。
「でも、説明をしたらミキさんが絶対にごねてましたよね?」
ラックは悪びれもせずにそう言った。
「…次こそはちゃんと説明してね?」
「善処します」
はぁ、とため息をつきつつ勇二はあたりを見渡した。
「それよりも、一体ここは?」
「…恐らく、オークションの会場の近くかと」
「えっ?嘘、もう目的地!?」
思わず、といった様子で未希が聞き返す。
「…一体僕達どれだけの距離を飛んだんだろうね」
勇二も思わず苦笑する。
「でも、あれ?」
すると、未希がなにかに気付いたように首をかしげる。
「未希?」
「ミキさん?」
二人は怪訝そうな顔だ。
対する未希の表情はどこか引きつっている。
「ねぇ、二人とも。ここってオークションの会場の近くなんだよね?」
「ええ。恐らく」
何を当たり前のことを、というような顔をするラック。
「つまりは、敵の本拠地だよね?」
「うん?まぁ、そうなるね」
勇二もラックと似たような表情をしながら未希の言葉を肯定する。
「じゃあさ…」
「早くここを離れないとマズくない?」
一瞬、時が止まったような気がした。
そして次の瞬間、ラックと勇二のは途端に表情を変えた。
自分達はここに来るとき随分と派手な方法を使った。
さらに言えば着地するときも大分大きな音をたてた。
裏オークションというのだ、当然警備だって厳重なものだろう。
そこまで考えたところで不意に近くから複数の金属の擦れる音が聞こえた。
音のした方を見るとそこには...
「見つけたぞ怪しい者達め!先程の爆音は貴様らだな!」
金属製の甲冑を着た数人の傭兵らしき男達が立っていたのだった。
to be continued...
そこには私財にモノを言わせて自慢の商品を持ち寄った商人達が各自に雇った傭兵がいた。
傭兵達は他の商人に雇われた傭兵の事を視線で牽制しながら雇い主に任された仕事を全うしていた。
張り詰めた緊張感の中に時折聞こえる会場からの歓声が虚しく木霊する。
しかしそんな静かな空間に異変が起きた。
突如、閃光と爆発音が響き渡ったのだ。
そして次の瞬間、付近で再び爆音が響き渡る。
その場にいた傭兵たちは思わずお互いの顔を見合わせる。
そのうちの一人の傭兵が爆音の正体を確かめようと行動し始めた。
他の、持ち場に自分以外の傭兵がいる者達もそれの後を追うように行動を開始するのだった。
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それと時を同じくして、裏オークションの会場の裏では三人の男女が座り込んでいた。
「いたたたた…二人とも大丈夫?」
勿論、勇二達御一行のことである。
勇二は地面に激突した腰をさすりながら二人を見やる。
「う、うん。大丈夫、かな?」
未希は若干ふらつきながら立ち上がり自身の頭に治癒魔法をかけていた。
「ええ。特に問題はあいません」
対するラックは淡白な受け答え。
しかし、実際には少し痛かったのか腰をさすっていた。
「ラック…こういうことは事前に説明してよね…」
勇二はそう言ってラックを窘める。
「でも、説明をしたらミキさんが絶対にごねてましたよね?」
ラックは悪びれもせずにそう言った。
「…次こそはちゃんと説明してね?」
「善処します」
はぁ、とため息をつきつつ勇二はあたりを見渡した。
「それよりも、一体ここは?」
「…恐らく、オークションの会場の近くかと」
「えっ?嘘、もう目的地!?」
思わず、といった様子で未希が聞き返す。
「…一体僕達どれだけの距離を飛んだんだろうね」
勇二も思わず苦笑する。
「でも、あれ?」
すると、未希がなにかに気付いたように首をかしげる。
「未希?」
「ミキさん?」
二人は怪訝そうな顔だ。
対する未希の表情はどこか引きつっている。
「ねぇ、二人とも。ここってオークションの会場の近くなんだよね?」
「ええ。恐らく」
何を当たり前のことを、というような顔をするラック。
「つまりは、敵の本拠地だよね?」
「うん?まぁ、そうなるね」
勇二もラックと似たような表情をしながら未希の言葉を肯定する。
「じゃあさ…」
「早くここを離れないとマズくない?」
一瞬、時が止まったような気がした。
そして次の瞬間、ラックと勇二のは途端に表情を変えた。
自分達はここに来るとき随分と派手な方法を使った。
さらに言えば着地するときも大分大きな音をたてた。
裏オークションというのだ、当然警備だって厳重なものだろう。
そこまで考えたところで不意に近くから複数の金属の擦れる音が聞こえた。
音のした方を見るとそこには...
「見つけたぞ怪しい者達め!先程の爆音は貴様らだな!」
金属製の甲冑を着た数人の傭兵らしき男達が立っていたのだった。
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