異世界でウサギダンジョン始めました

テトメト@2巻発売中!

第42層 モンスター交換

 
「ふむふむ。モンスターの交換方法には2つの方法があるみたいだね~。ダンマス同士が顔を合わせて交換する方法と、各ダンジョンからテメトトちゃんが作った専用の空間に移動して交換する方法だって」
「・・・ワイヤレス交換とWi-Fi交換かな?」

どこぞのポケットサイズのモンスターを思い出す仕様だが、便利だからいっか。

ポチポチと操作してみた感じ操作も難しい事は何も要求されてないみたいだしな。
自分の配下のモンスター全てが表示されている一覧から、相手に渡したいモンスターをトレード枠にドラッグして移すだけのお手軽仕様だ。
相手がトレード枠に入れたモンスターも確認する事ができ、それでOKなら確認ボタンを押す。
最後にもう一度確認が出てきて、了承したら交換完了。

お互いがトレード枠に入れていたモンスターの場所が入れ替わり所有者も変わるって事らしい。
注意点としては、モンスターの場所を入れ替えるため、同数同士じゃないと交換できないし、下手したら交換した瞬間に死ぬかもしれないとの事。
例えばウサギと魚のモンスターを交換する場合、ウサギが居た草原に魚が打ち上げられ、魚が居た水中にウサギが放り込まれて両者窒息死するかもしれないってことだ。
あとは鳥と交換してパラシュート無しのスカイダイビングしたり、モグラと交換して生き埋めになったり、氷山から火山へ移動してショック死したり、狭い部屋に巨大なモンスターが出てきてぶっ壊れたりだとかする可能性もあるらしい。

まぁ、ポケットサイズのボールに収納する事が出来ないんだからしょうがないよな。その辺は事前にダンマス同士が話し合ってちょこっと調整すれば済む話だから交換するときは気をつけよう。

「ふ~ん。1:1いちいち交換以外は特に制約は無いんだねぇ・・・てっきりそのモンスターの価値が等価じゃないと交換出来ないとか付くと思ってたよ」
「あ~、確かにこの条件だと”ボクの考えた最強のモンスター”と”クソ雑魚ナメクジ”の交換が成立しちゃうか・・・だれもそんな交換には応じないだろうけど」

モンスターの交換には双方の同意が必要だ。
互いがある程度平等だと思う条件じゃなきゃ大切なモンスターを交換はしないだろう。

・・・互いの立場が平等なら。と注釈は付くが。

「というか、互いのモンスターの価値がDM換算なら俺のダンジョンは酷い事になるぞ。何せほとんどのウサギが合計でも10DMぐらいしか消費してないからな!」

一番DMを掛けたウサギでも1000はいってない筈だ。
なにせ召喚費と維持費がほぼ0だからな。しかも最近は放っておいても増えるから召喚費は文字通り0だし、かかるDMはフィールドの維持費と進化素材の補充ぐらいだ。

進化素材の補充も、花や樹木を勝手に増やしまくるガーデニングラビットにランバーラビットが切った木で木製品を作りまくるクラフトラビットと、刃こぼれした剣や、鉱魔法ウサギとジュエルラビットが作った鉱石を材料に鉄製品を生産しまくる鍛冶兎のおかげでほとんど必要ない。

・・・今気付いたけどダンマス要らないんじゃないかな・・・
なんかウサギ達ちっちゃな村みたいなのをあちこちで作って自給自足してるし。土魔法と鉱魔法と木魔法が使えるウサギが集まって5分ぐらいで一軒屋建てるし。ちょちょいと井戸とか掘ってるし。木魔法で毎日野菜を採取してるし。作った野菜を煮たり、干したり、蒸したり、燻製にしたりして楽しんでるし。

天敵が居ない上に食料の調達が容易だからこそ余裕が生まれて文明が発展してるのかね。俺の出番なんかボーパル達と一緒にウサギ達と遊んだり、新しい種をあげたりするときしかない。
あれだから。俺は『君臨すれども統治せず』の方針で行ってるだけだから。内政はボーパルの担当だから。俺は外交担当だし。今のところ『君臨すれども何もせず』状態だけど、現在進行形で新しい政策を検討中だから気にしな~い!

「じゅんにぃのダンジョンはウサギ特化だからねぇ~。ウサギを運用している間は破綻の”は”の字も無いよね。対ウサギに特化した軍隊に攻められたらどうなるか分からないけど、その為のダミーダンジョンを今から作るんだし・・・うん。やっぱり特化系には特化系の利点はあるよね」
「せやな。やっぱり短期的には特化ダンジョンの方が運営が楽ってのはあるよな」

なにせウサギの事だけ考えていればいいからな。アレもコレも出来ない分楽ではある。

「その分多様性と将来性が低い気もするが・・・そこは燈火に頼らせてもらおうかな?」
「!まっっかせて!妻としてじゅんにぃの事はバッチリ支えるからね!」

「仲間として支えてくれ」

幼妻にしても幼すぎるわ。それじゃ幼女妻だよ。

「あたしそう言うの嫌いじゃないよ!」
「俺もだけど今は置いておこうな」

もはや燈火がナチュラルに俺の心を読んでくるのに驚かなくなってきた事に驚いた。今度俺も読心術の練習にボーパルのお顔を一日中眺めよう。そうしよう。

「ん~。1:1交換・・・モンスターの価値は問わない・・・はっ!閃いた!」

燈火が懲りずにまた何かを閃いたらしい。俺にも見える様に可視化されたメニューをすごい勢いでスワイプさせていく。
モンスター一覧は初期種族によってある程度フォルダ分けしてあるようだが、全モンスターを表示して全てを高速で確認しているみたいだな。後ろから覗いている俺には何が書かれているのかさっぱり分かんない。

俺のフォルダ?ウサギフォルダに全モンスターが入っていますが何か?しかも殆ど全員種族名そのまんまだから名前じゃ見分け付かないし、ふと目を離した隙に全体数が増えてる。販売の決定時点で子作りを全面解禁したけど秒単位で全体数が増え続けているんですがそれは・・・
ウサギの販売開始と全体数が6桁行くのとどっちが早いか勝負だな!頑張れ草原エリア!この勝負で一番割りを食うのは君だ!

「ちぇ~・・・無かったよ・・・」
「ん?何を探してたんだ?」

一覧の一番下まで確認し終わった燈火が不機嫌そうにアヒル口になってる。
思わず尖った唇を摘みたくなるかわいさだな。やっぱり美幼女は何をしても絵になるなぁ。

「一覧に私の名前が無いかな~って思って。もし私を交換できたら名実共にじゅんにぃの物になれたのに・・・」
「いや、流石にダンマスの交換は無茶だろ・・・というか名実の”名”の方も燈火の自称でしか無いと思うんだが?」

少なくとも燈火が俺の物になったという話を俺は聞いたことが無いぞ。

「何言ってるのじゅんにぃ!私の全てがじゅんにぃの物だなんて言うまでもなく当然でしょ!常識すぎてみんな言って無いだけだよ!私の物はじゅんにぃの物。じゅんにぃの物はじゅんにぃの物なんだよ!」
「なにその逆ジャイアニズム・・・」

そんな常識があるなんて聞いたこと無いぞ・・・
でも、俺が聞いたこと無いだけで「そんなの常識だろ!」って怒られるのは良くある事なんだよなぁ。
初めてのバイトなのにお茶の入れ方やメモの取り方なんか知らんわ。常識だろ!って怒り方ほど意味の分からない物は無い。まぁそもそも店長に興味が無かったからどうでも良かったけど。

「じゅんにぃが私に自害せよって命令するならもちろん従う覚悟だよ!」
「・・・あぁ。歩いてダンジョンに帰るよりも死に戻ったほうが早いもんな」

この人でなし!と叫びそうになったが、ダンマスは死んでも小一時間で蘇るからなぁ。燈火のダンジョンがどこにあるのかは詳しくは知らないが1回死ぬ方が帰るのは早いだろう。早い・・・だろう・・・けど・・・

「すまん。頼む。お願いだから死なないでくれ。いや、マジで。生き返ると分かってても燈火が死ぬとか心が耐えられるとは思えない」

ちょこっと脳内シミュレートしただけで心が軋んで涙腺が崩壊しそうなんだが。
俺も燈火もボーパルもクロもダンジョンマスターの特性を持っているからコアさえ残っていればDMを消費して復活できる。
だから死んでも問題ない。それは頭では理解できているんだが、やっぱり死ぬのは怖いな。それが自分でも、自分の周りの人でもだ。
見分けもつかないウサギ達ならまだマシだけど、関わった人やウサギ達には傷ついてほしくないなぁ。
まぁ、そこは俺次第だよな。ダンジョン作成がんばろっと。

「じゅんにぃそんな・・・永遠の時を2人で生きたいだなんて、いきなり大胆すぎだよぅ♡
もちろん私も同じ気持ちだよ?2人で幸せになろうね!」
「俺のセリフを勝手に翻訳すんなし。それに燈火を幸せにするのは当然だけど、俺はみんなでハッピーエンドがいいんだ。その為にお前の力を貸してくれ。燈火」

俺の膝に座っている燈火の脇に手を入れて、クルリと反転させて燈火と向き合う様に膝に乗せなおす。
パチクリと瞬かく燈火の瞳を目に力を込めて覗き込むと、頬をポッと桃色に染めた燈火が口角をニマニマと歪ませながら上目使いで俺の顔を見上げて、しょうがないにゃぁ~って感じの嬉しそうな顔してる。
ちょろいわ~。ちょろかわいいわ~

「まったく・・・やっぱりじゅんにぃには私が居ないとダメだよね!しょーがないからずぅ~と一緒に居て助けてあげるね!」
「おう。これからもよろしくな。燈火」

「うん!これからも末永くよろしくお願いします!」
「それ違う挨拶だから。俺の胸に三つ指を突くなし」

「え~」っとぶーたれる燈火をもう一度回して後ろから抱きしめつつ、ダンジョンの改築に入る。
クロのダンジョンにウサギをいっぱい送り込んで、燈火のモンスターと交換していく。
本当はクロのダンジョンに直接ウサギを生み出して交換すれば早いんだが、燈火のダンジョンにレベル1のウサギを大量に送り込むのは流石にかわいそうだからね。もともとウサギ達は有り余ってるし。

んー。”侵入者絶対殺すダンジョン”を作るんなら、ウチのダンジョンみたいに初見殺しを仕掛けまくればいいんだが、エンターティンメント的なダンジョンって調整がむずいんだよなぁ。
まぁ、攻略されても構わないんだし、解放してからちょこちょこ改装すればいいよね。
宝箱も作ってみたんだけど、他のダンジョンを知らないからどの程度の物を入れておけばいいのか分かんにゃい。とりあえず生産特化のウサギ達が作ったアイテムと、DMで出せるポーション的な物を突っ込んでおいた。アイテムの相場が分からんからなぁ・・・。ウサギレンタル店を開いたら冒険者達の評価を聞いて宝箱の中身を調整しようっと。

・・・うん。結局ほとんど決められなかったな!やった事といえば地形をならして、不思議のダンジョン的な通路と部屋の組み合わせに改変して、全部屋に繋がる裏通路を作ったぐらいだな。ちなみに現在は3階層のダンジョンだ。1階降りるごとに難易度がグッと上がる感じ。分かり易い。これ以上は解放してから決めようそうしよう。

「・・・ところでじゅんにぃ。みんなでハッピーエンドがいいって言ってたけど、幼女以外って・・・」
「ん?幼女以外なんてどうでもいいに決まってるじゃないか。なに言ってるんだ?」

「デスヨネー。知ってた」

そんなこんなでクロのダンジョンβ版完成!なんだかんで1月ぐらいかかったし、そろそろウサギ店の開店準備も出来てるだろう。近いうちに一度町まで行きますかねぇ。

「異世界でウサギダンジョン始めました」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く